kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ビジネスモデル

2019-02-28 06:52:51 | 日記
内需系企業のなかでも業績に明暗が出てきました。電鉄や陸運など
の業績が好調な一方、食品や小売りや外食産業の不振が目立つよう
になっています。業績の明暗が分かれている要因はコストアップに
対する対応の違いのようです。

内需系企業の目下の課題は人手不足による人件費の上昇です。特に
小売りや外食はパート・アルバイトへの依存度が大きいためこの1
2年で大きく上昇した時給で人件費が業績を圧迫しているようです。

特に個人客を相手のビジネスでは値上げで客足が遠のくという不安
から企業はコストアップ分を企業自身が負担するケースが多いよう
です。同じく人手不足で人件費が上昇している陸運では法人向け中
心に値上げが浸透しているようです。

年中無休や24時間営業の広がりで小売業などは発送頻度の多くなっ
ています。物流の停滞は商売の命運を握っていますから価格よりも
信頼性が優先されます。昨年個人向けも多い宅急便の運賃値上げが
すんなり実現したことが良い例です。

しかし人件費の上昇は悪いことばかりでしょうか。失われた20年と
も呼ばれたバブル後日本はデフレに悩まされてきました。物価も上
昇しなければ給与も上昇しない期間が長く続きました。欧米への海
外旅行でビックリするのはレストランなどのメニューの価格です。

スーパーなどでの食品価格は日本に比べてかなり安いのですが外食
になると日本以上の価格が並びます。やはりサービス料金の違いで
す。デフレが続いた日本では長い間人件費は低迷していました。低
い人件費を前提にビジネスを展開していた企業の業績が芳しくない
のはむしろ当然なのかもしれません。

一部の外食産業や小売業の活発な新規出店で業績を拡大してきまし
た。しかし人件費の増加や同業との競争激化から業績に急ブレーキ
がかかってきたところも出てきました。ここ数年業績を大きく伸ば
したドラッグストア業界も例外ではなかったようです。食品を格安
で販売し集客し利幅の大きな医薬品などで稼ぐビジネスモデルはイ
ンバウンド特需の追い風もありここ数年高成長を続けてきました。

じかし各社の活発や新規出店で競争激化が激しくなりました。また
これまで客を奪われたスーパーやコンビニも対抗策を打ち出してい
ます。過当競争が日常化している現場では最後は消耗戦になります。
ある時期急成長した業界も案外早い時期に壁に突き当たります。値
段以外に消費者に訴求できないところの将来は厳しいものになりそ
うです。
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有言実行

2019-02-27 06:49:40 | 日記
米中貿易協議は休戦という形で一応決着がつきそうです。来年の
大統領選挙での再選を目指すトランプ大統領にとっては好調な経
済の維持と良好な雇用は自身の政策への成果として何としても譲
れない部分です。当初は貿易戦争激化で中国経済が低迷しても内
需の強い米国経済への影響は軽微という見方もありましたが、グ
ローバル経済においては米国経済も無傷では居られないというこ
とがはっきりしました。

昨年12月米中貿易戦争激化懸念もありNY株式市場は暴落しました。
資産価格下落は経済への悪影響が大きい米国にとってウィークポ
イントです。株価暴落の一因ともなったFRBの利上げ継続が年明け
以降のパウエル議長のハト派への変身で株価が持ち直しましたが
中中貿易協議で交渉が決裂でもすれば再び株価暴落も考えられま
した。

国境の壁建設を巡り議会との衝突が政府機関の閉鎖となり経済に
悪影響が出たことでトランプ大統領にも批判が高まりました。支
持率の維持にはやはりここは一旦中国に対する矛先を収め一定の
安心感を市場に与えなければなりません。

既に年明け以降のFRBの政策変更とともにトランプ大統領の気持ち
は一旦手打ちで固まっていたのでしょう。市場の先見性はここま
での回復した株価が米中貿易協議の落としどころを察していたよ
うです。

もっともさらなる関税率の引き上げこそ当面は回避されましたが
昨年課せられた15%はそのままです。本当に経済だけのことを考
えれば完全に撤廃した方が良いに決まっています。15%をこのま
ま残すことは切り札を温存していることになります。

いずれどこかでトランプ政権の中国叩きが復活する可能性はあり
そうです。大統領は再選という大義があれば世界経済に取って不
都合な政策でも実行します。当選直後は選挙公約であってもここ
まで中国に対して強硬な姿勢にはならないのではないかという見
方が市場にはありましたが、有言実行だけは歴代の大統領の中で
も三本の指に入りそうです。

歴代大統領の言動がここまで世界の政治や経済を振り回した大統
領がいたでしょうか。特に不確実性が高まっている市場では投資
投資家にとっては難しい判断が続きます。個別企業の業績よりも
イベントに左右される株価はどうしても短期筋が主役になります。
良い政策も悪い政策もとにかく有言実行を貫く大統領の在任中は
これまでの経験則が通用しない局面も出てきそうです。
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ポスト米中貿易協議

2019-02-26 07:01:11 | 日記
週明けの東京市場は米中貿易協議の進展を好感して上昇しました。
もっとも昨年10月高値2万4270円から12月安値1万9155円の半値戻し
や26週移動平均のある2万1700円どころを目前にして伸び悩む場面も
見られました。

日米企業の1~3月期業績の見通しは厳しさが予想されています。米
中協議で当面関税の上乗せは避けられましたが、これでどこまで景
気の反転が期待できるのかまだ分かりません。一方米中貿易協議で
関税の引き上げ停止や中国が米国からの輸入増加策が実行に移され
ればこれ以上の景気悪化だけでなく反転のキッカケになるという可
能性もあるかもしれません。

この2カ月近く米中貿易協議の進展期待が株価の戻りを支えてきまし
た。既にこの材料の鮮度は下がりこの水準からさらに上値を追える
材料が出てくるのでしょうか。1~3月期を底に景気が持ち直すとし
てもまだ確証はありません。あまり先走りで織り込むのは不安もあ
ります。個人的には米中貿易協議進展での上昇相場も今後息切れし
もう一度どこかで下値を試す場面があるのではないかという気もし
ます。

特に日本株の場合多くの市場関係者が発言しているように米国株に
比べてその戻りの鈍さは明らかです。そして2月相場入りとともに
差が縮まるどころか、幾分広がっているようにも思えます。NYダウ
が2万6000ドル台に乗せたのですから昨年同様の動きなら日経平均
は2万2500円あるいは3000円に達しても不思議ではありません。

年明け以降の戻りの先導役は機械や素材など中国関連銘柄と言われ
る業種や企業です。今回も実体経済に先行する形で底打ちから反発
が続いています。もっともこの水準から急騰というよりは押し目を
作りながらの緩やかな上昇というのが精一杯かもしれません。

日本株は出遅れではなく現在の中国をはじめとしての世界景気の減
速懸念が払拭できない状況で割安だけど一段と上値を試す材料に欠
けるというのが案外、的を得ているかもしれません。米中貿易協議
の進展で日本企業の業績が大きく上向くという判断が海外投資家に
あれば日本株を本気で買ってきても不思議ではありません。しかし
現実にはまだそんな前兆は出ていません。

世界的なIT企業が多く付加価値の高いソフト分野に強い米国企業に
対して尚も世界景気変動の影響を受けやすく自動車をはじめ製造業
の比率の高い日本株の違いが日米指数の戻りの差に表れているよう
です。一旦は米中が休戦状態になりそうな雲行きですが、市場は次
の材料を探すことになりそうです。
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噂で買って

2019-02-25 06:42:19 | 日記
今週の東京市場は大詰めを迎えた米中貿易協議に左右されそうです。
米国に舞台を移した米中協議は週末まで二日間の延長が行われまし
た。市場には貿易黒字削減策や人民元安誘導の制限などで合意した
ようです。一方補助金など中国政府による国有企業への優遇策や
合意事項を守らなかった場合の罰則規定では両者の意見の隔たりが
なお大きく今回の交渉で決着するは尚も不明です。

週末時点で正式に何らかの合意というニュースが流れれば週明け最
初の取引になる東京市場が織り込む形になります。また日本時間11時
前からスタートする上海市場の動きも東京市場に影響するでしょう。

もっともこの2カ月間での上昇相場で市場にはかなり貿易協議での
楽観的な見方を織り込む形になっていました。既に米国株のPERは
16倍台まで上昇しており急速に割高感は薄れています。株価上昇と
は裏腹に米国経済の減速を示す指標も出ています。株価を支えてき
たのは減速する経済よりも米中貿易協議の進展期待でした。

相場の格言で「噂で買って真実で売れ」というのがあります。米中
協議で何らかの合意が成立し当面は関税の25%の引き上げを猶予す
るということになってもスタート時点に戻る訳ではありません。引
き上げ猶予と中国の景気対策で景気減速が止まり再び上向くかはも
う少し時間が経過してみなければ判断できません。

市場では好材料出尽くしで一旦調整局面に突入すると警戒する見方
もあるようです。東京市場は先週株高が進みましたが売買高を伴っ
た上昇ではありませんでした。先物主導の相場ですからいつ株高を
リードした短期筋が売りに転じるかで相場の風景は先週までのもの
とは全く違うものとなります。

現状株価が大きく調整するような悪材料は見当たりません。米国株
が大きく崩れない限り東京市場も下値も限定的かもしれません。こ
のまま出遅れ修正で静かに株高が続くこともあるかもしれません。
売買が伴った上昇ではないだけにこのままの上値追いは難しいとの
見方も否定できません。売買高が膨らむ形で株高が進むかどうかの
局面に差し掛かってきたことだけは確かなようです。
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変わることが大事

2019-02-22 06:57:12 | 日記
海外投資家は2月10~16日に日本株を3週連続で売り越しました。
売越額は529億円と売り越し額は縮小していますが、日本株の上
昇に勢いがないのは現物株の主な売買主体である長期投資家の
投資姿勢が依然後ろ向きから脱していないことにあるようです。

野村證券のW氏がテレビ解説でよく用いる日経平均のPERレンジは
13倍から17倍の範囲に収まっているというものです。直近のPERは
12倍台前半です。1月には11倍台前半で推移していましたから株価
上昇とともに引きあがってきた状態です。

それでも12倍台は過去のアベノミクス相場では文句なく超割安な
水準ですからもっと大幅な水準訂正があっても不思議ではありま
せん。売り越しを続ける海外投資家の目には割安でお買い得とは
映っていなのでしょう。

日銀による異次元の金融緩和で結果として円安が進み輸出企業に
恩恵を与える。また安倍政権の成長戦略で唯一大成功した訪日観
光客誘致。観光客の急激な増加でインバウンドブームが巻き起こ
り宿泊施設や交通機関それに小売りや家電、日用品メーカーに幅
広く利益をもたらしました。また企業が積極的な株主還元に方針
を切り替えたことで増配や自社買いが株価上昇をもたらしました。

しかし追い風はいつか止まります。米中貿易戦争激化から日本企
業が主戦場とする中国景気失速が日本企業の収益を直撃しました。
インバウンド需要も中国変調で経済的に結びつきが高い韓国や
台湾、香港といった地域からの減速は避けられません。そもそも
パイが大きくなっているのですから次第に伸び率は低下するのは
通常でもあり得る話です。

日本企業を大いに潤した円安やインバウンド特需などが剥落した
のですからPERレンジも下方にシフトするのは仕方ないことのよ
うです。日米の株価の開きが大きくなったのは中国経済への依存
度の違いとサービス業主体の米国経済と尚も製造業中心の日本経
済に体質の違いが業績の落ち込みの度合いにも表れているようで
す。

海外投資家が継続して買い越しに転じるには業績が劇的に良くな
る期待が高まるような材料です。アベノミクス相場での円安進行
やGPIFの資産配分見直し、インバウンド特需、企業のガバナンス
強化などです。

オリンパスの株価を見ればそのヒントが分かるようです。オリン
パスは物言う株主の投資家ファンドから役員を向かい入れること
を決定しました。過去の不祥事から立ち直ったオリンパスですが
内視鏡という競争力のある事業を抱えながらここ数年業績は停滞
していました。

投資ファンドからの役員を向かい入れることで持続的な成長が期
待できるという見方から株価は発表後大きく居所を変えました。
特に海外投資家は今の延長戦ではなく劇的な変化を求めています。
変われない会社は衰退に向かうということなのでしょうか。オリ
ンパス株の動きはそんな状況を市場に訴えているようです。

23、24日の更新はお休みします。
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