kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

主力事業の強さが株価の決め手になる

2013-07-31 08:40:14 | 日記
日本企業の決算の前半の山場は今日31日です。ここまでの決算内容を読み説くと
加工組み立て産業だけでなく素材メーカーも円安メリットを受けています。円安メリ
ットを受ける業種として自動車に続くのが精密株です。しかしキャノンを決算内容を
見る限り円安の恩恵を十分に受けていません。やはり主力事業の好不調があるよ
うです。

キャノンの決算が市場予想を下回った大きな原因はデジカメの不振です。コンパク
トカメラの売れ行き不振は以前から言われていましたが、市場予想以上の減少でし
た。また収益源の一眼レフの販売も予想を下回りコンデジの不振をカバーできませ
んでした。この構図はデジカメ分野でキャノンの最大のライバルであるニコンにも
当てはまります。8月8日に決算発表を予定しているニコンがどんな決算を出してく
るかキャノン同様なのかあるいは市場予想よりも落ち込みが少ないのか。

一方同じ精密分野でも富士フィルムはデジカメの不振を好調な医療事業がカバー
しています。まあ富士フィルムはキャノンやニコンほど売り上げに占めるデジカメ
の構成が低いことも幸いしています。またコニカミノルタはすでにデジカメから撤退
して主力の事務機や印刷事業に経営資源を集中していることが業績好調に繋がっ
ているようです。

電機業界では富士通の不振が目立ちます。昨年まで好調だった携帯事業がドコモ
のツートップ戦略の影響で販売不振に陥ったことやPCがスマホやタブレットに需要
を奪われていることが原因の一つです。円安が精密や電機業界全体を潤すと大ま
かな見方をしていると投資判断を誤ります。

デジタル製品の競争は激しく短期間に収益の好不調が入れ替わります。携帯や
デジカメ分野からいち早く撤退して主力事業に経営資源を集中した三菱電機や
コニカミノルタの株価がここ数年を見れば同業他社よりも堅調なのはやはり今後
の日本企業の戦略として見習うものがありそうです。もっともこの分野が主力事
業という企業にはなかなか撤退という選択肢は取れません。一段と事業の競争
力を磨くことが欠かせません。

社長解任騒ぎで市場で話題になった川崎重工ですが、騒動のさなかでは企業
統治に問題がある企業は投資家対象として疑問符が付くと株価も300円割れ
まで売られましたがその後の戻りは同業他社を上回りました。やはり主力事業
の好調が解任騒動をカバーしたようです。

春までのような急ピッチな円安はこれからは期待できません。円安に振れると
しても緩やかなものとなるとの見方が多いようです。今後各社の株価は円安メ
リットから次第に主力事業の競争力の強さを反映した株価に収斂するように
なりそうです。



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市場は夏休み入り?

2013-07-30 08:13:07 | 日記
参議院選挙で自民党が圧勝したことは市場にとってGoodニュースである
ことは間違いありません。しかし東京市場は事前に自民党勝利を織り込
んでいましたから決算発表を残していますが当面の好材料は出尽くしたと
いうことで典型的な材料出つくし相場になりました。先物主導とはいえ今月
の中旬まであれ程強い相場が嘘のような展開となりました。先物主導の相場
の難しさ怖さを今回も5月に続いて痛感した投資家も多かったと思います。

その期待の企業業績も特に外需株は円安メリットvs欧州景気&新興国景気
の綱引きの結果円安メリットだけでは業績の上積みが難しいことを多くの企業
決算が示しているようです。おおむね4~6月期は市場の予想通り、しかし7~
9月期は不透明という見立てでしょうか。

それにしても東京市場が僅か4営業日で1100円安とは想定外でした。選挙の
翌日、翌々日と2日続伸して19日の下落分をほぼ埋めたので少なくとも月内は
ある程度の下落はあっても5月のような一直線の下げはないと思いましたが
相場は分からないものです。

さて今日にでも東京市場は心理的節目の1万3500円どころまで下げそうですが
先物主導の相場ですから一旦下げ止まると真空地帯を駆け上がることも考え
られます。鍵は円相場が握っているようです。97円台で踏みとどまっていれば
1万3500円前後で下げ止まるようにも思えます。もっとも高値圏にあるNYダウが
下げに転じるようだったら今日はともかく来月以降は東京市場の一段安は避け
られません。

まあ5週連続で上昇した訳です。まだ下げて2週目です。日々の値動きの上下は
あるでしょうが、東京市場の再上昇にはしばらく時間が必要でしょう。先高感が
急速に失われた東京市場です。外国人投資家の一部には取り敢えずポジション
を閉じてバカンスに入りたいと考えが芽生えるかもしれません。

短期売買の投資家は別にして中長期で投資を考えている投資家たちはここは
企業決算の発表が終わるのを待ったほうが賢明でしょう。高値から下げて値頃
感から買っても決算をキッカケに5%も下落してしまうような状況では決算結果
がどうか、それを市場がどんな反応なのかまったく分からない段階で中長期の
銘柄選びをすることは余り賢いやり方ではありません。

ロングもショートもできる短期売買の投資家の皆さんはボラの高い相場は望む
所でしょうから頑張って市場を盛り上げてください。中長期の投資家は「待てば
海路の日和あり」の心境が今は一番必要かもしれません。
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マツダの復活

2013-07-29 10:03:58 | 日記
7月中旬の猛暑が幻だったような天気が関東地方で続いています。カラ梅雨で
極端に雨の少なかった梅雨が例年よりも早く明け猛暑が続いていたころはこの
暑さでサマーストック銘柄がわが世の春の状況でしたが、下旬になると一転梅
雨を思わせる天気が続いています。先行きの見通しが当てにならないのは天気
もマーケットも同じです。7月下旬にこんな長雨と低い気温は私には記憶があり
ません。

まあ天気の歩調を合わせた訳ではないでしょうが、先週の後半以降の東京市場
の下落の速さには少々びっくりしています。やはり結果的には参議院選挙での
自民党圧勝は材料出つくしになってしまいました。材料もみんなが知ってしまえ
ば価値も半減です。日本株が軟調な先週もNY市場はしっかりとしていましたから
やはり日本株には円相場の推移の方が影響が大きいということになるのかもしれ
ません。

東京市場のボラの高さは偏った投資家層に原因があるように思えます。アベノ
ミクス相場で大きく上昇した東京市場ですがこの間国内の投資家は個人投資家
の信用買いを除けば大きく売り越しています。唯一の買い越し主体である外国人
投資家の売買動向に一喜一憂する展開は相も変わらずです。その外国人投資
家も長期投資の投資家が主体ならここまでのボラの高さは起きないのですが
短期的な流れを先導しているのはヘッジファンド等の短期投資家です。

同じ外国人投資家でも年金等の長期投資家とはまるで違う尺度で投資を行って
います。上昇も下落もやはり一方通行です。取り立てて悪材料が出なくてもちょっ
としたバランスの崩れで株価はあっという間に居所を変えます。下落時に売りが
売りを呼ぶというのは下落幅の大小は別にすれば5月の時と今回も同じです。
先物主導の相場は値動きの良さについ目を奪われてしまいますが、余程注意
しないと大怪我をします。投資セクターがいびつなままではこれからも東京市場
の脆さは続きます。

もっとも個別銘柄では2年前には会社の存続さえ危ぶまれていたマツダの業績
回復ぶりは目を見張ります。輸出比率が7割と日本車メーカーでは最も円安
メリットを受けているのは確かですが、主要な輸出先である欧州市場がマイナス
成長であることを考えれば稼ぐ力がついてきたと評価しなければなりません。
富士重工とともに生産台数では下位メーカーのマツダが大手の業績以上に改善
している事実は生産台数の多さが絶対的な競争力の強さとは必ずしも言えない
事実を自動車業界は持っていると思えます。

年後半を考えると円安トレンドが続くとしても5月までの速さで円安になることは
期待出来そうもありません。円安メリットを囃しての輸出株総買い局面は曲がり
角にきたのかもしれません。100円前後の水準が続いても利益を伸ばせる企業
とそうでない企業との差が今後は開いていきそうです。


追記
11時現在東京市場は1万3800円を割り込んでいます。3日の続落後ですから寄り
付き1万4000円を割れても値ごろ感からその後は戻すと思ったのですが、少々
見通しが甘かったようです。当面は自律反発を繰り返しながら下値模索でしょうか。
6月末が1万3667円でした。7月は1000円超上昇して今現在900円下げた状態です。
月末にお化粧買いが入っても月足では上髭が長い形状です。8月のミニSQまで
裁定解消による売りには注意が必要かもしれません。

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雲ひとつない晴天は危ない

2013-07-27 08:24:03 | 日記
やはり東京市場は参議院選挙前の19日のザラ場1万4953円が当面の
高値になったようです。先週まで5週連続上昇してきましたが週末26日の
終値(1万4129円)は先週比460円安と一転大幅な下落で1週間の取引を
終了しました。その19日の朝の経済番組でT証券のH氏が下げる材料が
見当たらないと解説していましたが、駆け出しの新人ならともかくこの
世界で何十年と飯を食ってきた人のコメントにしては読みが浅いとしか
思えませんでした。

株式市場なんてみんなが強気の時がもっとも危ないなんてことはこれまでも
幾度と無く経験している筈なんですがねえ。その時点でテクニカル的には赤
信号が灯っていたのですから「利食い千人力」なんてコメントをちょっとでも
個人投資家の注意を喚起するために言えないですかねえ。営業マンならとも
かくテレビでコメントするならもう少し営業トーク抜きに発言して貰いたいもの
です。

結局参議院選挙での自民党圧勝も円安による企業業績の好調も5月中旬か
らの上昇で取り敢えず織り込んでしまったと言うことなのでしょう。日本電産や
日本ペイントのようにポジティブサプライズで決算発表後の大幅高に続いて
翌日も上昇する銘柄もありますが、決算後は値を下げる銘柄の割合のほうが
圧倒的に多いようです。市場予想に届かなかった企業業績は円安メリットを過
大評価し新興国景気の景気を過小評価したのが原因でしょう。

もっともこの調整は買い余力のある人には朗報でもあります。投資対象の銘柄が
ある程度下げれば割安感も出てきます。今後は決算の数字をもう一度よく自分なり
に精査して投資銘柄を決めればいいのです。昨日のネットのコメントには子会社
の不祥事で今週大幅に下げた花王も3000円前後なら下値不安もそれ程高くない
ので投資対象としてあげていましたが、新興国経済に不安が出ても日用品業界に
与える影響は軽微ですから悪くない投資対象かもしれません。

とにかく8月は逆張りの好機かもしれません。例年8月は円高が進むと言われてい
ます。円高イコール株安に振れやすい東京市場ですから銘柄によってはチャンス
到来となります。先行き不安から必要以上の円高を警戒して株価が軟調になれば
よりリターンの大きな投資チャンスにもなります。今から少しずつ準備をするべき
かもしれません。

それにしても26日の432円安はいくらなんでも下げすぎでしょう。25日の168円安と
合わせると二日間で600円の下落です。週末のNYも小幅高で戻ってきました。円
相場は98円台前半と円高のままですが、このまま一気に90円台半ばまで円高が
進むとは思えません。シカゴCMEは東京市場の終値よりも安いところでかえって
きました。もっとも寄り付きが安く始まれば売り一巡後は買戻しも入って戻す可能性
は高いともいます。引けてみたら200円高なんてあるかもしれません。機敏な売買が
出来る投資家は参加するのもいいかもしれません。

明日の更新はお休みします。
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2013-07-26 08:17:26 | 日記
25日にフェイスブックが急騰しました。株価は7.85ドル(値上がり率29.61%)
上昇して34.36ドルで引けました。市場の予想以上にモバイル広告が伸び大幅
な増益だったことがポジティブサプライズを呼びました。この決算を受け多くの
アナリストは目標株価を大幅に引き上げました。公開価格38ドルを長い間下回
っていた株価は収益に明るさが出てきたことから今後公開価格の回復は時間
の問題のようです。

やはり数日前に市場予想以上の好決算を発表したアップルも大幅に上昇しま
した。思い起こせばこの2社は昨年の春にはその話題性と将来性でウオール街
の注目を一身に集めていました。そしてその熱狂が覚めてからの両社の株価は
つるべ落としのように下落したことは記憶に新しいことでした。その後両社に関し
ての明るいニュースはめっきり少なくなりました。マーケットの人気のうつろい易い
ことは今に始まったことではありませんが、あれだけの熱狂はどこに行ってしまっ
たのかと不思議な感覚を覚えました。

一方IT業界を代表するグーグルやIBMそれにアマゾンは発表した四半期業績が
市場予想に届かなかったために株価も急落しました。この3社はアップルやフェイ
スブックの株価が下落基調を続けている間、上昇トレンドを続け年初からのNY市
場上昇の立役者でした。いずれの企業も米国のIT業界を背負って立つ状況にある
という位置づけには変わりませんが、短期的には期待とは裏腹な結果が起こり得
るということをもう一度頭に入れておかなければなりません。

東京市場も日用雑貨業界で株価の優等生と期待されていた花王は子会社カネ
ボウのつまずきで株価が急落しました。化粧品という分野での肌トラブルという
案件は商品イメージの低下が避けられません。しばらくはカネボウの業績苦戦は
続きそうです。もっとも経済紙によると花王本体の業績は海外事業の好調もあり
堅調な展開が続いているようです。今回の急落がひと段落すればいずれ見直し
買いがありそうです。

投資家心理としては不祥事が表面化して急落した銘柄は買い辛いかもしれませ
んが、今は株価が堅調に推移している企業でもいつ何時予期しない悪材料が出
て株価急落があるかもしれません。逆説的な見方ですが悪材料が出てある程度
株価が下がれば次にマーケットに悪材料がでて下げても影響は限定的になる
ことがあります。もちろん下落の要因をよく吟味する必要はありますが、本当に
底力のある企業ならその壁も早晩乗り越えられるでしょう。ここで大事なのは
真贋を見分ける投資家であるかどうかです。

株価が全体的に高い位置にいる状況ではすべての銘柄に花王のような株価急落
の可能性があります。案外悪材料が表面化した銘柄は安心買いができる銘柄な
のかもしれません。
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