kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

エヌディディア株安は波及せず

2024-08-30 05:56:36 | 日記
エヌディディア決算を受けての米国市場の動きは一日中マイナス圏でした。120ドル台で推移
していた株価は引けにかけて下げ幅を広げ結局8ドル安(-6.38%)の117.59ドルで引けました。
事前のシナリオでは①市場予想を越える決算で上昇し他の半導体銘柄も幅広く上昇する。②市場
予想に届かず失望決算から大幅安、他の半導体銘柄も大きく売られる。

結果は①でも②でもないものでした。決算や先行きの見通しも市場予想を上回ったが株価は下落
という結果でした。市場では一部の投資家はもっと強い決算内容だったので売りで反応した。
また既に8月安値からかなり戻していたことで決算が売りのキッカケになった。との見方もあるよ
うです。

エヌディディア株は6.38%の大幅安でしたが、SOX指数は0.6%安と小幅でした。個別株でも台湾
TSMCが0.05%の下落、ブロードコムが0.79%の下落、蘭ASLMも0.42%の僅かな下落でした。
テキサスインスツルメンツのように値上がりする銘柄もありました。エヌディディアの株価は下落
しましたが、業績は市場予想を越え好調だった訳です。エヌディディア株安が他の半導体株安に
波及するという事態は避けられました。

29日の東京市場でも主要な半導体銘柄でも東京エレクトロンやディスコ、スクリーンは下落しまし
たが、1%~2%台の小幅下落でそた。アドバンテストはプラス圏に浮上して終わりました。信越化
学も3円安と小幅な下落でした。半導体セクターは8月初旬の大幅安で既に大きく調整したこともあ
り影響は限定的でした。

29日の米国市場ではダウが高値を更新する一方、ナスダック指数は続落しました。物色の流れがテ
ックからディフェンシブ銘柄や景気敏感株に移っているようです。エヌディディアの決算発表後も
流れは変わらず当面は今の動きが続きそうです。昨年から今年春にかけての生成AIブームでは半導
体セクターは理想買いで大きく上昇しました。

じかし理想買いから各社の収益に与える影響を詳細に吟味する局面に入ってきたようです。株価の
行方はあくまで業績次第でしょう。生成AIブームで一段と注目が集まった半導体セクターですが
データセンター以外のPCやスマホ向けの需要回復がいつ確認できるかがポイントになりそうです。
今年10月以降の回復を予想する見方がありましたが、回復が後ずれして年明け以降になるようなら
市場が期待したほど業績の回復が高くならない可能性もあります。特に日本の半導体銘柄は製造装
置と素材関係に強みがあります。特に素材関係は生成AIブームでの恩恵は少なくPCやスマホの回復
がポイントになります。
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イベントの結果は

2024-08-29 03:56:44 | 日記
もはや世界の株式市場の一大イベントとなったエヌビディア決算。過去にはアップルの新iPhone
の発表などアップル株だけでなくiPhoneの主要なサプライーである日本の電子部品株の株価も動
かしましたが、その上を行くのが生成AIの大本命銘柄であるエヌディディア決算の行方です。

毎回の事ですが、イベント前は同株に対する強気、弱気の見方が混在して乱高下するケースが多
かったようです。同株の行方は株式市場の物色の方向性をも変えるだけの存在になりました。こ
こ数年は市場の予想を遥かに超える結果を決算で出し市場ではエヌディディア株祭りという言葉
まで生まれました。同株の動きは半導体全体をも左右するようになりました。6月には時価総額1位
まで上り詰めました。

多くの機関投資家はエヌディディア株を保有していないと運用成績競争で劣後することになると
いう事も人気に拍車をかけました。またNISA経由の個別株で日本企業を差し置いてエヌディディ
ア株の買い付けが一番多いという現象まで巻き起こしています。日本の投資家にとってはもっと
も注目する銘柄がエヌディディア株だというのが現実です。

そのエヌディディアの決算が28日の米株市場の終了後に発表されました。結果は2024年5〜7月期
決算売上高が市場予想の2.1倍から2.2倍、純利益は同じく市場予想の2.4倍から2.7倍と高い市場期
待を越えました。同日発表した8〜10月期の売上高見通しは325億ドル前後と市場予想(約317億ドル)
を上回りました。

結果を受け時間外取引では同株は一時8%安まで下落、その後の下げ幅を縮めるなど荒い値動きに
なっています。29日の市場でどんな展開になるかは分かりませんが、以前のようなエヌディディア
祭りは期待薄かもしれません。売り上げ規模が急激に拡大したこともあり伸び率は低下しています。
時価総額はアップルについて2位になっています。

市場予想を越える好調決算でも時間外取引の株価の反応が今一つ冴えなかったのは8月の急落後から
急激な戻りで28日時点で6月高値から1割安まで戻り売りが出やすくなっています。エヌビディアと
競合する米半導体大手のクアルコムやAMDの株価は今年付けた高値より2〜3割低い水準で移してい
ます。依然としてエヌディディア株の強さが示されているとも見れます。

エヌディディア決算というイベントを通過したことで目先は半導体セクターの調整は続くかもしれま
せん。足元の市場の流れは成長株からディフェンス銘柄になっています。エヌビディア決算で物色の
流れが変わることはないのかもしれません。相場の推進力である半導体セクターの調整が続くのなら
当面上値の重い展開は続くのかもしれません。
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エヌディディア

2024-08-28 04:05:56 | 日記
今週の注目は何と言っても米半導体大手エヌビディアの5〜7月期決算の発表です。発表前に
ポジション調整で半導体セクター各社の株価は今週軟調なスタートでした。28日の決算発表
で高い市場予想を越える結果がこれまでのように出してこられるのかが注目です。

米国の著名な投資家の間ではエヌディディアの高い成長が持続するのかここにきて懐疑的な
見方も浮上しています。決算内容次第では半導体セクター復活の起爆剤にもなります。一方
決算や先行きの見通しに弱い内容があったのなら半導体セクターはもう一度下値を試す展開も
予想されます。

生成AI以外の需要が弱いことが半導体セクターの重しになっています。PCやスマホ向け需要
回復が後ずれしそうだという見方もあります。10~12月期回復期待が年明け1~3月期にずれ込
むようなことがあると半導体セクターが相場を引っ張って高4万円挑戦という期待が日本市場で
遠ざかることも考えられます。

今年の市場の目玉だったエヌディディアを頂点とする生成AI相場ですが、例えエヌビディアの
決算を受けて市場が失望売りになっても中長期的にはAIをはじめ半導体需要は伸びるというの
が共通認識です。エヌビディアの独り勝ちに黄色信号が灯っても日本の半導体製造装置など無
くてはならない企業は他の企業の需要が支えます。半導体産業は成長産業であり衰退産業では
ないことを忘れてはいけません。

東京市場はライオンやTOTOなど日経平均が4万円を超える活況相場の中でもここ数年相場の蚊
帳の外の銘柄やパーソルやALSOK、ZOZOなど内需系銘柄が高値更新しています。円高懸念や
エヌディディア決算前で動きが取れない主力銘柄に代わって物色されているようです。この流れ
がまだ続くのかそれとも一時的な動きなのか。いずれにしても秋相場はイベントも多く読みに
くい状況が続きそうです。


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稼ぐ力が問われる

2024-08-27 05:26:55 | 日記
株式市場は8月初旬に大きな調整を迫られました。米国景気の失速懸念や7月の日銀の利上げ
といった想定外のニュースが特に日本市場の調整を大きくしました。そしてその回復過程で
日米市場の明暗が分かれました。

先週まで値動きを見るとNYダウ、ナスダック指数とも7月末の水準を越えて8月の下落分を
取り戻したのに対して日経平均は7月月末(3万9101円)に対して先週末23日の終値は3万
8364円とまだかなり距離があります。この間進んだ円高が株価の逆風になっているという
見方が多いようです。

週明けの東京市場でも143円まで円高が進んだことが影響して株価は寄り付きから売り物に
押されて3万8000円を割り込んでいます。一方ドル建て日経平均は円高が進んだことで7月末
の255を越えて先週末は263まで上昇しました。

一般的に長期投資家はドル建て日経平均を番地マークにしていると言われています。年初か
ら3月まで一本調子に日経平均が上昇した局面でも円安がそれ以上に進行した結果海外投資家
のパフォーマンスは芳しくありませんでした。

一方短期筋の取っては輸出製造業が上場企業に多いことから円高は企業業績を押し上げること
に繋がります。株価にとっては円高が短期筋にとってはネガティブな材料になります。また今
年7月まで過去最高を更新する勢いで増加したインバウンドにも円高が逆風なるという懸念もあ
るようです。

利下げが目前に迫り過度なドル高と金利高は是正される方向に向かっています。金利低下は企業
にとっても米国にとっても好ましい動きです。ドル高是正でグローバルにビジネス展開する米国
を代表する企業にとっては追い風です。ダウが高値更新したのは米国を代表するグローバル企業
30社の集まりであることも背景にあるのかもしれません。

年前半続いた円安株高局面から投資環境は変化し今度は円高を懸念しての株安を心配する局面に
なるのでしょうか。160円を超える円安が行き過ぎた円安であり7月の日銀の利上げ方針にも影響
したとの見方もあります。円安で海外からの原材料が上昇し国内の物価上昇が賃上げを上回る状
況では国内消費に悪い影響が出ます。

程よい円相場については見解が分かれるかもしれませんが、140円を挟んで5円程度の水準なら輸
出企業や輸入企業も納得の水準なのではないでしょうか。既に自動車などは現地生産が進み円安
効果も10年前とはずいぶん違っています。円相場がこの水準でも株高が復活するには企業が稼ぐ
力を一段と磨く必要があります。円安で水膨れした利益は長期投資家には少なくともアピールで
きません。

多少の円高を跳ね返し業績を伸ばせる企業はどこなのか。円高でメリットを本当に受ける企業は
どこなのか。企業業績は為替相場だけで決まる訳ではありません。円高ですべての輸出企業が最
初は売られますが、次第に個別企業への影響が株価に反映されるようになるでしょう。円高メリ
ットグループでも同じことが言えます。円高メリットが市場が考えているほど業績を押し上げな
いケースもあるでしょう。
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谷深ければ山高し

2024-08-24 08:34:56 | 日記
ジャクソンホールでの講演でパウエル議長は9月利下げを明言しました。「利下げのタイミングと
ペースは、今後発表されるデータや見通し、リスクのバランスに依存する」と明言を避けけまし
た。今後の市場の焦点は利上げ幅が0.25%になるのか、0.5%になるのかに移ります。市場では
年内合計で1%の利下げを見込み見方があります。

9月と11月と12月の三つのFOMCでの利上げが予想されています。雇用統計やCPIの結果次第では
いきなり9月に0.5%になるかもしれません。そうなると円高懸念が日本の株式市場の頭を抑える
懸念も出てきます。円安メリットの大きかった自動車や電機、商社、海運などに影響が出ることも
予想されます。後は円高がどの程度進むのかが重要です。140円前半で止まるのか、130円台に突入
するのか。今年円安効果もありインバウンド客やインバウンド消費が活況でした。今月141円まで
円高が進んだ局面では三越伊勢丹など百貨店株が比較的大きく下落しました。

もっともコロナ前には円相場は110円台でした。多少円高が進んだとしても市場が懸念する程イン
バウンド消費に与える影響は大きくないかもしれません。キャノンが先週10年来高値を更新しま
した。輸出比率が高く円安メリットを受ける代表銘柄というのがこれまでの株式市場の評価でした。
もっとも株価が10年来高値を更新したといってもPERは14.6倍です。

日本を代表する製造業である日立と三菱重工のPERが26倍台と27倍台です。成長率の違いはあると
してもキャノンも事務機やカメラ事業の2本柱の経営からネットワークカメラや商業印刷、CTやMR
の医療事業や半導体製造装置など収益源が分散し業績の安定性は以前に比べて高かくなってきました。
バリーエーションが切りあがる形で成長期待が高まり上昇が続くという可能性もありそうです。

来週にはエヌディディアの決算が予定されています。市場がどんな反応を示すのかは分かりませんが
市場環境は今月初めの調整を経て改善しているようです。円高懸念は残っても米国株高が日本株を
押し上げ過去の累積売買代金が多い3万8000円台を乗り越え3万9000円にのせる場面もひょっとしたら
あるのかもしれません。「谷深ければ山高し」という格言もあります。

相場環境が好転して長期マネーが戻ってくれば質が良く競争力も強く資本効率の改善も進んである銘
柄の物色はセクターを問わず続きそうです。円高進行は懸念材料ですが、きちんと設備投資をして競
争力を磨いてきた企業は投資対象として残りそうです。

次回の更新は27日を予定しています。
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