kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

踊り場かそれとも

2022-03-31 05:48:03 | 日記
配当落ち日を迎えた30日の東京市場は121円台まで進んだ円高が重しになり
自動車銘柄の一角、機械株などそれに高配当銘柄の海運や商社などが下落し
ました。もっともこのところの円安は急激だっただけに何かのキッカケで
一旦は円売りの巻き戻しが予想されていました。配当落ち分が240円程度と
みられていますから大引けに戻して215円安ならまずまずの結果という見方
もあります。

年初からここまで2015年につけた125円が当面の目標値でした。28日に125円
まで円安が進んだことから投機筋も買戻しのタイミングを見ていたのかもしれ
ません。米国のインフレの行方やFRBの金融政策次第では再び円安トレードが
再開するかもしれません。輸出採算の好転を材料に輸出銘柄が再び物色される
可能性は残っています。

足元で日経平均は2万8000円台まで戻してきましたが、3万円は遠い世界のよう
です。年初時点ではFRBの利上げ回数は0.25%を4回というのがメインシナリオ
でしたが、現状ではFIMC開催の度に利上げが市場の見方です。最近では次回の
会合とその次の会合で0.5%ずつの利上げ説まで飛び出してきました。

株価が戻ってくると市場では悪材料も織り込み済みという見方が出てきますが
FRBが利上げしながら景気失速を防ぐという政策はかなり難度の高いことのよう
です。足元では2月下旬から3月初旬に市場で囁かれたインフレと景気後退が同時
に進行するスタグレーション懸念は後退したようですが、キッカケ次第で再びス
タグレーションの陰に市場が怯えることになるかもしれません。

車社会の米国ではガソリン価格が1ガロン3ドルを越えてくると個人消費に逆風と
なると言われていました。現在は4ドルを越えています。従来の定説ではもっと
株式市場で悪材料されてもいいようですが、足元ではほとんどニュースにはなっ
ていません。イールドカーブの平坦化も市場が不安視するニュースです。

しかも両方とも当面は解消できないようです。それでも株式市場は落ち着いてい
ます。売られ過ぎの反動高が悪いニュースをかき消しているのでしょうか。日米
市場とも急激に戻してきたことで胸突き八丁の水準まで到達しました。特に日本
株は上昇の材料だった円安が一服しています。配当取りの動きや配当の再投資の
需要は剥落します。

国内では感染者数が再び増加する兆しも出ています。リベンジ消費への影響も懸念
されます。現在は次の上昇に向けての踊り場なのか、それとも反騰局面は一旦終了
したのか判断は難しいところです。年度末、月末が重なる今日は米国株安もあり下
落しそうですが、連騰疲れもあり事前の予想以上の下げには注意が必要です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒の戻り

2022-03-30 06:10:19 | 日記
今日は3月期決算企業の配当落ち日です。そして実質新年度相場入りです。
一部には昨年のように急落した10月相場の二の舞になるのではないかという
懸念もあるようです。昨年の8月相場はオリンピック開催中も感染拡大が続
き、閉会後は一段と感染は拡大しました。

相場は当面、高材料が見込めないというムードが充満していました。しかし
当時の菅首相が総裁選不出馬を表明すると秋の衆議院選挙で自民党が大敗す
るリスクが大きく後退するという見方から海外の短期筋主導で一方的な株高
が続き8月中旬からの一ヶ月で日経平均は3500円も上昇して年初来高値を更
新しました。

しかしその後は投資家の期待が高い河野氏の苦戦が伝えられ結果的に労働者
への分配重視の政策が公約だった岸田氏が総裁選を制したことから上昇相場
は終焉を迎えました。前回も今回も同じように先物主導での連騰相場という
点や上昇する前は相場低迷が続き弱気筋が多かった点など類似することが多
いのも4月急落説の根拠です。

大幅な円安で輸出企業の業績改善が見込める点以外は足元での株高材料はあ
りません。ウクライナ危機はまだ出口が見えません。ロシア制裁などに伴う
エネルギーやコモディティ価格の幅広い上昇が実際の企業業績に反映される
のはこれからです。

米国のインフレの行方やそれに伴いFRBの引き締めがどこまで行くのか現時
点では不明な点は少なくありません。国内に目を転じても蔓延防止は解除さ
れましたが、感染者数の減少ペースは第5波に比べてはるかに緩慢です。制限
解除で再拡大し再び蔓延防止が発動される不安はつきまといます。

経済再開銘柄の動きが緩慢なのもそんな不安があるからでしょうか。感染が
抑えられ政府が国内景気活性策を打ち出せるのかどうかがポイントになりそ
うです。配当取りや機関投資家のリバランスの買いそれにFTFの再投資といっ
た需給面での押し上げ効果は4月以降期待できません。今週の天気のように東
京市場に寒の戻りが来るのでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

円安とゼロコロナ

2022-03-29 06:28:10 | 日記
急激な円安(28日には一時125円も突破)が進んでいます。1ヶ月で10円近い
円安です。しかも日米金融政策の違いから今後も円安基調に変化はなく130円
まで円安が進むという見方さえ増えています。2023年度の企業業績は円安が
ポイントの一つになりそうです。

また日本でのコロナ対策の行方も気になります。現在は厳しい入国制限が続い
ていてインバウンド需要は蒸発しています。円安は海外の観光客にとっては日
本は格安な旅行先となります。コロナさえなければこの円安でインバウンド需
要が爆発的に盛り上がっても不思議ではなかったでしょう。

オミクロン株の流行以降、完全にコロナの終息を目指すのは当面不可能なこと
が明らかになりました。日本では2月のピークに比べれば減少していますが、デ
ルタ株が流行した昨年8月が急激に感染者数が減少したことを考えれば減少ペー
スは緩慢です。この数日の東京では僅かですが増加に転じています。

中国ではゼロコロナ政策を続けていますが、2400万人の人口を抱える上海では
コロナ感染者の増加を受けて全体を二分割して都市封鎖を実施を打ち出しました。
中国のコロナ対策で問題なのは世界の潮流である経済を回しながらコロナと付
き合うウィズコロナではなくゼロコロナを堅持していることです。

感染者数が抑えられるとしても経済への打撃が大きくなり結果的に景気低迷を
招くというのが世界経済にとっても良いことではありません。中国のゼロコロ
ナ対策が成功するのかどうかも日本企業の業績に影響しそうです。ユニクロを
展開しているファーストリテイリングは上海の40店舗の休業を発表しました。
同社は中国市場を成長のドライバーとしてみています。

ゼロコロナの影響は現地で工場を展開している企業よりも中国市場を消費市場
としてみている企業の方が影響は大きいでしょう。円安と中国のゼロコロナ政
策の行方が製造業の多い東京市場の先行きを左右しそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

予想

2022-03-26 06:13:10 | 日記
予想外の9連騰を演じた日経平均ですが、配当付き最終売買日は29日(火)ま
で堅調に推移するのでしょうか。週明けに日経平均が200日移動平均である2万
8200円を越えられるのかポイントという見方もあるようです。

需給面では先週、先々週の2週間で信用買い残高は3122億円と大きく減少しま
した。今週も一段と株高が進んだことから利益確定売りが出て買い残高は減少
したのではないかと予想されます。買い残高が3兆円を割り込めば1年ぶりの低
い水準です。少なくとも戻り売り圧力が低下したことで需給面では好材料です。

一方ウクライナ情勢は益々膠着状態です。原油価格は一方的な上昇こそ一服し
ました110ドル程度と水準は経済に重しになります。コモディテヒ価格の全般
的な上昇が末端まで波及するのはこれからです。インフレが早期に終息する気
配は見当たりません。25日に米長期金利は一時2.50%と2019年5月以来の高水準
を付けました。ハイテク銘柄中心に逆風であることに変わりはありません。

一方122円まで進んだ円安は材料高などを除いても上場企業全体からすればプラ
ス効果が勝るようです。問題は円安でメリットを受ける企業とデメリットを受け
る企業二分されることです。また国民が円安メリットを時間し難いことも問題で
生活面からは電気料金やガソリン代、それに原料を輸入に依存している食品など
で大きな価格上昇が発生していることです。

賃金がそれ以上に上昇すれば影響は少ないでしょうが、実際は物価上昇市場に賃
上げできるところは一部に止まっています。企業でも日常生活に近い分野ほど影
響は大きそうです。

東京市場は9連騰しましたが、まだ2021年末時点の2万8791円は下回っています。
商社を除けば高値を更新しているセクターはあまり多くはありません。リード役
が見当たらないのも事実です。そんな状況で新年度も戻りが続くのかがポイント
になります。

東京市場は3月11日に終値ベースで2万4717円の安値から反発は始まりました。4月
のSQ日である8日(金)までが上昇の賞味期限という見方もあるようです。配当落
ち後に大納会の2万8791円を回復できるのでしょうか。あるいは2万9000円台乗せま
で上昇は途切れないのでしょうか。「もうはまだなり」なのかそれとも「まだはも
うなり」なのか、いずれにしても予想ほど当てにならないものはないのは年初から
ここまでの株式市場が物語っています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選別

2022-03-25 05:58:06 | 日記
ここで投資環境を再点検しましょう。まず原油や天然ガス、穀物や非鉄など
のコモディティ価格はもしウクライナで停戦が成立してもロシアに対する経
済制裁は続くでしょうから供給不安は一過性に止まらず永く続きます。結果
として価格は高止まりする可能性が高いことです。

供給側に問題がある価格上昇でインフ懸念は簡単には解消せず中央銀行の引き
締めスタンスは強まる可能性が高いようです。5月のFOMCでの利上げは既定
路線ですが、上げ幅が0.25%になるのか0.5%になるのか統計次第でしょうか。

緩和路線から引き締めに変わり昨年までのような緩和マネーに支えられた株高
は期待できません。今年は指数の上昇に期待できなくなりより銘柄による選別
は重要になります。ハイテク銘柄でも業績が堅調で割高感が薄れた銘柄には再
びマネーが戻るでしょうか、期待先行で業績の伴わない銘柄には厳しい結果が
待っているかもしれません。

それはここ数年もてはやされたユニコーン企業にも当てはまります。テック銘
柄の代表格であるGAFAMなどの巨額な利益を既に上げている企業と分けて考え
る必要がありそうです。例えばビジョンファンドの大口投資先であるウーバー
クーパン、ディディ、ウィーワーク、グラブ株は上場後、軒並み株価低迷して
います。

公開時の半値、あるいは三分の一以下にまで下落した銘柄もあります。市場の
厳しい洗礼を受けた結果とはいえここまでの株価下落を考えると公開前のユニ
コーンの企業価値には信憑性が疑われます。株式公開後買った投資家が長期で
保有しても報われなければIPO市場から投資資金は逃げ出します。

不振の原因は黒字化の目途が立たない銘柄ばかりだからです。アマゾンも公開
後しばらくは投資を優先して赤字決算でした。しかしその後は成長と収益のバ
ランスが取れて大きく株価は上昇しました。テスラも当初は赤字基調が続き市
場の評価は大きく割れましたが、黒字化が見えてきて高評価が定着しました。
やはりポイントはカネ余りの相場で成長期待だけでもてはやされた時期は過ぎ
近い将来黒字化できるかが生き残りの条件です。

ウクライナ情勢やロシア制裁がエネルギーや素材、穀物などに与える影響はまだ
全容は分かりませんが、当面の東京市場の勢いは続きそうです。24日は米株の下
落やこのところの急騰に対する警戒感から400円を超える下げでしたが、終わっ
てみれば70円高で8連騰を記録しました。

3月9日の2万4717円から2週間で3393円も上昇したことになります。突然音楽が
鳴り出し、まさかこんなに長くなり続けるとは本当に相場は分からないものです。
120円を超えても進み続ける円安もありセクターや銘柄による明暗は一段と分か
れそうです。消費関連でも物価上昇を受け入れられる海外売り上げの高い企業と
値上げが通りにくい国内中心のビジネスを展開している企業でも泣き笑いがあり
そうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする