30日の東京市場はNY市場が125ドル上昇したにもかかわらず23円安と下げ
ました。前日まで4営業日続伸だったことや前日に世論調査でギリシャの緊縮
財政賛成派が優勢だったことや中国の景気テコ入れ策を好感して上げていた
ためにNY高も織り込み済みだったのかもしれません。上値の重さが改めて
確認された一日でした。
東レ、クラレ、富士フィルム、旭硝子、日本電気硝子これら銘柄に共通する
キーワードは何でしょう。答えは液晶部材を手掛けている企業でしかも部材
の中では比較的利益率の良い分野を手掛けている企業です。いずれの銘
柄も日足チャートだと3月末の高値からきれいな右肩下がりを辿っています。
特に東レやクラレは好業績を評価され昨年11月に東京市場が安値を付け
る際にも高値からの下げは限定的だっただけにこのところの下落は意外で
す。会社側の発表した両社の今期企業業績に不安は見当たりませんが、株
価が下げ止まらないということはそれなりの理由があるのでしょう。
年初からまず液晶テレビ分野ではセットメーカーの家電3社の巨額な赤字が
表面化しました。液晶パネル分野での日本企業の存在感は一層薄くなりま
した。液晶部材分野は日本企業の独壇場で利益率も高い水準を維持して
いましたが、液晶テレビの値崩れとともに部材メーカーの収益も圧迫するよ
うになってきたのかもしれません。
クラレの手掛ける偏光板向けポバールフィルム(世界シェア80%)では圧倒
的なシェアで高利益率を誇っていましたが、さすがにこの分野でも値下げ圧
力が強まってきたのでしょうか。株価が下げ止まらないところからそんな不
安を消すことができません。
いずれにしても液晶産業の高成長とともに圧倒的な強みのあった液晶部材
企業は化学やガラスそれに繊維産業まで多くの企業が収益源にしていまし
たから液晶分野のつまずきは日本の産業界にとっても大きな痛手です。液
晶テレビに代わってスマホやタブレットPC向けの需要に期待する向きもあり
ますが、液晶テレビの落ち込みを補うほどの市場規模ではありません。しば
らくは関連企業の株価がどこで下げ止まるか目が離せません。
今日の東京市場はNY安とユーロ安(97円台)のダブルパンチで8500円の攻
防になりそうです。もし6月1日発表の米国の経済指標(ISMや雇用統計)が
市場予想よりも悪かった場合欧州財政危機に加えて米国の経済に不安が
重なり東京市場が年初来安値近辺まで下げるシナリオも考えられます。引き
続き慎重な投資スタンスが必要かもしれません。
ました。前日まで4営業日続伸だったことや前日に世論調査でギリシャの緊縮
財政賛成派が優勢だったことや中国の景気テコ入れ策を好感して上げていた
ためにNY高も織り込み済みだったのかもしれません。上値の重さが改めて
確認された一日でした。
東レ、クラレ、富士フィルム、旭硝子、日本電気硝子これら銘柄に共通する
キーワードは何でしょう。答えは液晶部材を手掛けている企業でしかも部材
の中では比較的利益率の良い分野を手掛けている企業です。いずれの銘
柄も日足チャートだと3月末の高値からきれいな右肩下がりを辿っています。
特に東レやクラレは好業績を評価され昨年11月に東京市場が安値を付け
る際にも高値からの下げは限定的だっただけにこのところの下落は意外で
す。会社側の発表した両社の今期企業業績に不安は見当たりませんが、株
価が下げ止まらないということはそれなりの理由があるのでしょう。
年初からまず液晶テレビ分野ではセットメーカーの家電3社の巨額な赤字が
表面化しました。液晶パネル分野での日本企業の存在感は一層薄くなりま
した。液晶部材分野は日本企業の独壇場で利益率も高い水準を維持して
いましたが、液晶テレビの値崩れとともに部材メーカーの収益も圧迫するよ
うになってきたのかもしれません。
クラレの手掛ける偏光板向けポバールフィルム(世界シェア80%)では圧倒
的なシェアで高利益率を誇っていましたが、さすがにこの分野でも値下げ圧
力が強まってきたのでしょうか。株価が下げ止まらないところからそんな不
安を消すことができません。
いずれにしても液晶産業の高成長とともに圧倒的な強みのあった液晶部材
企業は化学やガラスそれに繊維産業まで多くの企業が収益源にしていまし
たから液晶分野のつまずきは日本の産業界にとっても大きな痛手です。液
晶テレビに代わってスマホやタブレットPC向けの需要に期待する向きもあり
ますが、液晶テレビの落ち込みを補うほどの市場規模ではありません。しば
らくは関連企業の株価がどこで下げ止まるか目が離せません。
今日の東京市場はNY安とユーロ安(97円台)のダブルパンチで8500円の攻
防になりそうです。もし6月1日発表の米国の経済指標(ISMや雇用統計)が
市場予想よりも悪かった場合欧州財政危機に加えて米国の経済に不安が
重なり東京市場が年初来安値近辺まで下げるシナリオも考えられます。引き
続き慎重な投資スタンスが必要かもしれません。