kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

当面は荒れ相場

2021-02-28 15:56:29 | 日記
※臨時更新

投資家心理が強気に傾き世界の主要な投資家の現金比率は4%弱と8年
ぶりの低さになりました。国内でも個人投資家の信用買い残高は2兆
8183億円(2月19日現在)と2018年12月以来の高水準です。当時は2万
4000円台でした。投資家の懐具合も潤っているので単純には比較でき
ませんが、相場が下落し含み損が膨らめば信用取引を利用している個人
投資家は動きにくい状況にはなります。

先週の世界的な株安は米国の長期金利が急上昇したことが背景にあり
ます。多くの投資家は超低金利が続く上に米国の巨額な財政出動とワ
クチン接種の進展で景気回復が加速する良いとこ取りの相場環境が続
くと安心しきっていました。強気のポジションに偏っていたこともパ
ニック的な売りに繋がったようです。

思い返して盛れば昨年も2月後半から世界の市場は大きく崩れました。
昨年はコロナウィルスの世界的なパンデミックでした。今年は長期金
利の急上昇と材料は違っていても急落前は強気ムードで高値追いを続
けていたという共通点もあります。やはり調整は避けられなかったの
ではないでしょうか。

先週の予想外の急落でしばらくはボラティリティの高い相場が続きそ
うです。一日で600円上昇することもあれば反対の500円下げることも
あるでしょう。過去の急落はVIX指数が一度上昇すると値動きが上下激
しくなり相場の落ち着きどころが見えてくるまで続きます。

また激しい値動きを好む投資主体もいます。彼らの動きが一段と振れ
幅を拡大させます。特にこれまで成長期待の高さで物色された銘柄は
強弱感が入り交じり急騰急落する銘柄が続出する恐れがあります。

いずれ相場環境が落ち着けば上昇トレンドを取り戻す銘柄もあるでし
ょうが、余り戻らない銘柄もあるかもしれません。最終的には業績に
よる選別は出てくるでしょう。
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好事魔多し

2021-02-26 15:50:38 | 日記
「好事魔多し」とは東京市場の2月相場のことだったのでしょうか。米国
市場を凌ぐ勢いで上昇してきた東京市場でしたが、米国での長期金利急上昇
に端を発した逆風は突然やってきました。年初からの上昇分の半分ほどの
2万9100円どころで下げ止まらなかったのは先月に続いて週末、月末という
特殊要因も原因したようです。

25日のNYダウは1.75%安、ナスダック市場はその倍の3.52%安でした。寄り
付き前は106円台の円安というプラス材料もあり下値目途は2%程度の2万9500円
どころという見方もありましたが、下げに加速がついたのは日銀のETF買い
が今月は前日までゼロだったことも売り方優位の相場が午後も続いたことも
あったのかもしれません。

成長株と景気敏感株の交互物色で高値追いという期待は足元では大きく後退
してしまったようです。特に成長株は長期金利の上昇が市場が当面もっとも
気に掛ける材料になってきました。26日は大きく下げたといっても昨年11月
以降大きく上昇してきました。昨年3月時点に比べたらかなり水準は高いです。

高値からの調整局面入りを示す10%を超えた銘柄もあります。押し目買いで
信用買い残高も増加しています。短期筋の買戻しや反対に利益確定売りも交
差して当面は値動きの激しい展開になりそうです。

相場上昇が続いていたために今まであまり市場の話題にはなりませんでしたが
先週時点で2兆8183億円と高水準です。年明け以降日経平均が3000円も上昇し
た訳ですから信用買いを入れていた個人投資家は利益確定売りで通常ですと
買い残高が減少する訳ですが、反対に年末時点よりも4000億円も増加しました。

個人投資家心理が超のつく強気になってしたのか、それとも値嵩株の一部の
上昇で指数が持ち上げられ個人投資家が保有している銘柄の上昇が限定的だ
ったのかは分かりませんが、高水準の買い残高が需給面での重しになるかも
しれません。

11月以降の上昇相場の調整局面に片足突っ込んだことだけは確かなようです。
早期に米国の長期金利が落ち着くなり地合いが好転するかどうかで調整が短期
済むかどうかの分かれ目になりそうです。どちらにしても当面は需給主導で
ボラの高い相場になりそうです。

次回の更新は3月2日を予定しています。
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商社株人気

2021-02-26 04:34:16 | 日記
商社株が人気です。伊藤忠が22日に10年来高値を更新したのに続き三井
物産も24日に続いて25日も10年来高値を更新しました。丸紅や三菱商事
住友商事も1年ぶりの高値圏です。三井物産は商社の中でも資源への依存
度が高いことから脱炭素社会というテーマが昨年浮上する中で手掛けにく
い筆頭でした。

原油や銅など資源価格がこのところ急騰していることや市場の流れが成
長株から景気敏感株に移ってきていることも人気の背景にあるようです。
商社株と言えば昨年9月に投資の神様の異名を持つバフェット氏が大手
総合商社5社を5%取得したことで話題を呼びました。

しかし当時は資源価格も低迷していたことで非資源分野に強い伊藤忠
以外の上昇は永続きしませんでした。11月以降のバイデントレードで
も蚊帳の外でした。特に11月から12月相場では昨年は脱炭素社会が
テーマになり水素関連やEV関連が賑わいました。

しかし年明け以降はコロナ後の経済正常化期待も強まり原油やLNGそれ
に銅価格の上昇に歩調を合わせるように伊藤忠以外の4社も上昇気流に
乗ったようです。結果的にはバフェット氏の判断は正しかったようです。

海外には類似企業のない商社というビジネスは万年割安企業の代表でし
た。特に2010年代には資源分野への注力で大きな利益が見込める一方
景気に左右されやすい資源価格の動向で業績の振れの大きさが万年割安
株という評価が定着した理由です。バリュー株投資家であるバフェット
氏がその割安さに目を付けたとは必然だったのかもしれません。

商社のビジネスモデルは時代とともに柔軟に変化してきました。当初は
仲介ビジネスが主体で取扱商品はインスタントラーメンからジェット機
までと言われるほど幅広い分野に及びました。もっとも日本の事業会社
が単独で海外進出するようになると従来のビジネスモデルでは利益が先
細りになりました。

そこで打ち出したのはモノの仲介ビジネスからリスクを取って事業を行
うビジネスでした。代表例が三菱商事や三井物産が手掛けた原油やLNG
それに鉄鉱石や石炭それに銅などの非鉄鉱山開発でした。リスクも大き
いがリターンも大きな資源ビジネスで商社は冬の時代を乗り越えました。

よく考えれば時代が求めるものにビジネスを柔軟に入れ替えるという商
社は変われる企業の代表例かもしれません。脱炭素社会でも資源ビジネ
スで成功したようにうまく事業構造を変えられるのかが中長期で商社株
を保有できるかどうかポイントです。勿論バフェット氏がどんな思いで
日本の商社を購入したのかは不明です。

今日は2月相場最終営業日です。最終売買日での三桁下落は既に半年以上
続いています。しかもこれと言って大きな下げ材料が出ていなかった月も
かなりあります。そろそろこのアノマリーは途切れるのでしょうか。昨日
は一昨日売り込まれた成長株中心や商社株などが反発して大幅高でしたが
成長株も一部の銘柄を除いて伸び悩みました。さて今日はどんな相場にな
るのでしょうか。

※ 米国市場で長期金利が1.6%台に急騰したことからハイテク株中心に大
きく値を下げています。残念ながら今日の東京市場は下げは不可避のよう
です。日銀が今月はETFの購入を見送っていることから大幅下落も避けら
れないかもしれません。
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F社の上昇は踏み上げ相場か?

2021-02-25 06:09:56 | 日記
祝日明け24日の東京市場はハイテク銘柄の多いナスダック安の影響もあり
半導体関連銘柄など成長期待の高い銘柄中心に下げ日経平均は一時3万円を
回復する場面もありましたが、再び下げに転じました。

今月の3万円大台乗せの立役者は間違いなくファーストリテイリングとSBG
の2社です。この2銘柄も含めた値嵩株の一角の上昇は海外の短期筋による
日経225先物への大量な買いの影響は大きいようです。一般的に日経225先
物は短期筋の買いが多くTOPIX先物への買いは海外機関投資家が日本株へ
の投資で流動性も高いTOPIX先物を買い建ててその後、個別の現物銘柄と入
れ替えると言われています。

NT倍率は足元では過去10年で最も高い水準である15.6に上昇しています。
特に2020年4月以降上昇ピッチは加速し13倍台だった水準から大きく切り
上がりました。コロナ禍でも業績が好調だった銘柄は結果的に値嵩株が多
かったという理由もあったでしょう。

しかし日経平均に寄与度の高い値嵩株の多くに資金が集中した結果業績を
加味しても説明しにくいほどバリエーションは切り上がりました。ファー
ストリテイリングや日本電産、ダイフクやオムロンは過去10年平均からは
大きくかけ離れた水準のPERです。

過去のGAFAのようにイノベーションが起き急成長の段階になったのなら
説明はつくのですが、現状はそこまで評価が今後も持続するのかどうか評
価は割れるところです。未曽有の金融緩和だけが大きな要因ならいずれ切
り上がった水準は低下します。今後ワクチン接種が進み経済が正常化して
も現状のバリエーションを正当化するためにはかなりの利益成長を示す必
要があります。

3万円台乗せの主役に2銘柄は対照的な動きでした。SBGが5.2%と大幅下落
だった一方ファーストリテイリングは終値も2%上昇で19日に記録した高値
(107750円)を更新し10万8450円まで上昇しました。SBGはナスダック市
場のハイテク株安が嫌気されたようです。一方ファースト株は何故こんなに
も買われているのでしょうか。1月末に比べ2割も上昇する材料があるのでし
ょうか。

一番考えられる信用取り組みです。12日時点では0.23倍と大幅に売りが多く
なっています。ファースト株は創業家一族と自社株保有を合計すると36%
程度保有しています。これらの株はいくら値上がりしても市場に売りに出る
ことはありません。そしてもう一つ日銀によるETF買いで間接的に20%ほど
保有していることになります。

超値嵩株であるために保有主体も偏っています。指数に連動するファンドや
機関投資家の保有が多いようです。市場に出回っている株数が限られる状況
では大幅に売りに偏った需給要因が根底にはこのところの株高の真の要因か
もしれません。このところの急騰は売りが出ない日銀保有と構造要因が踏み
上げ相場に発展した要因かもしれません。

24日も日銀はETFを購入しませんでした。日銀の姿勢の変化は既に年明け以
降出ていたのではないでしょうか。12月までは一回の購入金額は701億円で
した。しかし年明け以降は501億円と200億円の減額しています。日経平均の
水準は既に30年ぶりの高さです。多少株価が下げてもこれまでのようにコツ
コツと買うことはないのではないでしょうか。年明け以降の減額はその布石
かもしれません。日銀頼みの相場は既に過去のものとなり日本株の耐性が試
される年になりそうです。
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相場の分水嶺

2021-02-23 16:16:35 | 日記
※24日更新分を前倒しします。

ハイテク銘柄中心の成長株物色が続くのか、それともコロナ後の景気回復を
期待する景気敏感株中心のバリュー株の流れが本格化するのか分水嶺に差し
掛かっているようです。

月曜日の流れは米ハイテク株の動きに左右されやすいSBGが10年来高値を
更新しました。東京エレクやアドバンテストなど半導体関連銘柄の一角も
高値更新しました。成長期待の高いモノタロウも高値を付けました。一方
高成長株のリード役だったエムスリーは1月高値から既に2割近く下落しこ
のところの値動きも芳しくありません。

22日の米国市場ではNYダウは小幅高で終わりましたが、ナスダック市場は
2.46%下げ2営業日続落しました。GAFAM銘柄が軒並み下げたほかテスラ
の下げも目立ちました。SOX指数の下げも大きかったようです。市場が注
目のエヌビディアの決算発表は米国時間で24日ですが、既に発表前に見切
り売りが出たのでしょうか。下げ幅は4%近くでした。

休み前の東京市場では半導体関連銘柄が上昇していただけに売り優勢で始
まる可能性は高そうです。一方NYダウは米国の追加経済対策の成立やワク
チン接種の進展で経済活動の正常化期待でプラス圏で終わりナスダック市
場と明暗が分かれました。

22日の東京市場でもコロナ感染者数の減少傾向から緊急事態宣言後の経済
活動正常化を期待して空運や電鉄株が大きく上昇しました。もっとも先週
からの日足チャートを見る限り日々の動きは大きくとも上げ下げを繰り返
していることが伺えます。まだ完全に投資家の間では解除後の経済正常化
を期待して上値を買い進めて良いのか半信半疑なところもあるようです。

巣籠り消費で恩恵があったモノ消費からコト消費への動きが本化するので
しょうか。それとも巣籠り消費だけでなく5Gや車の電動化それにDXなど
で今後も需要増が続く半導体銘柄などの成長株も相場の柱として残るので
しょうか。2月末から3月にかけて潮目が変わるのかどうかが銘柄選びのポ
イントになりそうです。

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