世界の株式時価総額が6年ぶりに最高を更新したと今日の経済紙が伝えてい
ます。米国とドイツは過去最高値を更新、欧州危機の震源地である南欧諸国
の株価上昇も鮮明です。先進国市場がリードする形で上昇続けている世界の
株式市場の背景にあるのは緩和マネーによる押し上げです。
世界の株高も一皮むけば砂上の楼閣の懸念はやはりついて回ります。今後も
米国のQE縮小時期で激しく動揺する場面もあるかもしれません。米国の小売
市場でもっとも大事な年末商戦が11月の感謝祭明けから始まります。今週発表
された消費者信頼感指数は芳しいものではありませんでした。年末商戦には
不安の残るニュースです。
米国株は政府機関閉鎖と債務上限問題の先送りで反転上昇に転じましたが
10月に年初来高値を更新するまで上昇するとは少々驚きでした。マスコミの
論調にもありましたが債務上限問題は3か月の猶予期間を貰っただけです。
再び今回のような混乱が避けられないかもしれません。この騒動が米国の
消費者心理に悪影響があるのは確かです。今の市場はモメンタムが強いため
に悪材料には鈍感です。どこかでそのしわ寄せが来ないとも限りません。
東京市場も欧米の株高で先週の下落分をほぼ取り戻しました。もっとも決算
発表で個別銘柄では明暗がはっきり分かれる状態です。既に好業績を織り込
む形で上昇していた銘柄には大幅な増益でも通期業績見通しが市場予想に
届かなったという理由で急落する銘柄もあります。昨日の新日鉄住金などは
その典型です。そんな状況ですからファナックやアドテストのように業績不振が
鮮明な銘柄は大幅下落という結果も仕方ないでしょう。
東芝は通期業績の上方修正を発表しました。一見ポジティブな内容ですが改
めて問題点も浮かび上がってきました。東芝の現在の稼ぎ頭はフラッシュメモ
リ主体の半導体事業と社会・インフラ事業の2本柱です。液晶テレビやPC事業
の赤字体質からは脱却は道半ばです。今回の上方修正の立役者はスマホ需
要に支えられて高水準な利益を稼ぎ出している半導体事業です。反対に一方
の柱である社会・インフラ事業は通期の見通しを下方修正しました。
収益のブレの激しい半導体事業の比率が高まったことでかえって東芝の収益は
安定性を欠く状況です。東芝の課題は液晶テレビとPC部門の赤字を止めること
と第3の柱の育成です。この際東芝は価格競争の激しい個人向けデジタル分野
から撤退して企業向け分野の一層の強化を図るべきかもしれません。この戦略
がもっとも進んでいるのが三菱電機です。
三菱電機はいち早く携帯電話事業から撤退しました。液晶テレビ事業も縮小しま
した。得意のメカトロ分野を主力に企業向けの売上比率が高いのが特徴です。こ
の分野は中・韓企業との競争も激しくありません。東日本大震災で世界的に原子
力発電事業には向かい風がまだ続いています。米原発企業を巨額の資金で買収
した東芝には大きな誤算でした。現状の事業ポートフォリオを変えないと東芝株の
大幅な上昇は見込み薄かもしれません。
ます。米国とドイツは過去最高値を更新、欧州危機の震源地である南欧諸国
の株価上昇も鮮明です。先進国市場がリードする形で上昇続けている世界の
株式市場の背景にあるのは緩和マネーによる押し上げです。
世界の株高も一皮むけば砂上の楼閣の懸念はやはりついて回ります。今後も
米国のQE縮小時期で激しく動揺する場面もあるかもしれません。米国の小売
市場でもっとも大事な年末商戦が11月の感謝祭明けから始まります。今週発表
された消費者信頼感指数は芳しいものではありませんでした。年末商戦には
不安の残るニュースです。
米国株は政府機関閉鎖と債務上限問題の先送りで反転上昇に転じましたが
10月に年初来高値を更新するまで上昇するとは少々驚きでした。マスコミの
論調にもありましたが債務上限問題は3か月の猶予期間を貰っただけです。
再び今回のような混乱が避けられないかもしれません。この騒動が米国の
消費者心理に悪影響があるのは確かです。今の市場はモメンタムが強いため
に悪材料には鈍感です。どこかでそのしわ寄せが来ないとも限りません。
東京市場も欧米の株高で先週の下落分をほぼ取り戻しました。もっとも決算
発表で個別銘柄では明暗がはっきり分かれる状態です。既に好業績を織り込
む形で上昇していた銘柄には大幅な増益でも通期業績見通しが市場予想に
届かなったという理由で急落する銘柄もあります。昨日の新日鉄住金などは
その典型です。そんな状況ですからファナックやアドテストのように業績不振が
鮮明な銘柄は大幅下落という結果も仕方ないでしょう。
東芝は通期業績の上方修正を発表しました。一見ポジティブな内容ですが改
めて問題点も浮かび上がってきました。東芝の現在の稼ぎ頭はフラッシュメモ
リ主体の半導体事業と社会・インフラ事業の2本柱です。液晶テレビやPC事業
の赤字体質からは脱却は道半ばです。今回の上方修正の立役者はスマホ需
要に支えられて高水準な利益を稼ぎ出している半導体事業です。反対に一方
の柱である社会・インフラ事業は通期の見通しを下方修正しました。
収益のブレの激しい半導体事業の比率が高まったことでかえって東芝の収益は
安定性を欠く状況です。東芝の課題は液晶テレビとPC部門の赤字を止めること
と第3の柱の育成です。この際東芝は価格競争の激しい個人向けデジタル分野
から撤退して企業向け分野の一層の強化を図るべきかもしれません。この戦略
がもっとも進んでいるのが三菱電機です。
三菱電機はいち早く携帯電話事業から撤退しました。液晶テレビ事業も縮小しま
した。得意のメカトロ分野を主力に企業向けの売上比率が高いのが特徴です。こ
の分野は中・韓企業との競争も激しくありません。東日本大震災で世界的に原子
力発電事業には向かい風がまだ続いています。米原発企業を巨額の資金で買収
した東芝には大きな誤算でした。現状の事業ポートフォリオを変えないと東芝株の
大幅な上昇は見込み薄かもしれません。