kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

東芝が克服しなければならない課題

2013-10-31 08:58:12 | 日記
世界の株式時価総額が6年ぶりに最高を更新したと今日の経済紙が伝えてい
ます。米国とドイツは過去最高値を更新、欧州危機の震源地である南欧諸国
の株価上昇も鮮明です。先進国市場がリードする形で上昇続けている世界の
株式市場の背景にあるのは緩和マネーによる押し上げです。

世界の株高も一皮むけば砂上の楼閣の懸念はやはりついて回ります。今後も
米国のQE縮小時期で激しく動揺する場面もあるかもしれません。米国の小売
市場でもっとも大事な年末商戦が11月の感謝祭明けから始まります。今週発表
された消費者信頼感指数は芳しいものではありませんでした。年末商戦には
不安の残るニュースです。

米国株は政府機関閉鎖と債務上限問題の先送りで反転上昇に転じましたが
10月に年初来高値を更新するまで上昇するとは少々驚きでした。マスコミの
論調にもありましたが債務上限問題は3か月の猶予期間を貰っただけです。
再び今回のような混乱が避けられないかもしれません。この騒動が米国の
消費者心理に悪影響があるのは確かです。今の市場はモメンタムが強いため
に悪材料には鈍感です。どこかでそのしわ寄せが来ないとも限りません。

東京市場も欧米の株高で先週の下落分をほぼ取り戻しました。もっとも決算
発表で個別銘柄では明暗がはっきり分かれる状態です。既に好業績を織り込
む形で上昇していた銘柄には大幅な増益でも通期業績見通しが市場予想に
届かなったという理由で急落する銘柄もあります。昨日の新日鉄住金などは
その典型です。そんな状況ですからファナックやアドテストのように業績不振が
鮮明な銘柄は大幅下落という結果も仕方ないでしょう。

東芝は通期業績の上方修正を発表しました。一見ポジティブな内容ですが改
めて問題点も浮かび上がってきました。東芝の現在の稼ぎ頭はフラッシュメモ
リ主体の半導体事業と社会・インフラ事業の2本柱です。液晶テレビやPC事業
の赤字体質からは脱却は道半ばです。今回の上方修正の立役者はスマホ需
要に支えられて高水準な利益を稼ぎ出している半導体事業です。反対に一方
の柱である社会・インフラ事業は通期の見通しを下方修正しました。

収益のブレの激しい半導体事業の比率が高まったことでかえって東芝の収益は
安定性を欠く状況です。東芝の課題は液晶テレビとPC部門の赤字を止めること
と第3の柱の育成です。この際東芝は価格競争の激しい個人向けデジタル分野
から撤退して企業向け分野の一層の強化を図るべきかもしれません。この戦略
がもっとも進んでいるのが三菱電機です。

三菱電機はいち早く携帯電話事業から撤退しました。液晶テレビ事業も縮小しま
した。得意のメカトロ分野を主力に企業向けの売上比率が高いのが特徴です。こ
の分野は中・韓企業との競争も激しくありません。東日本大震災で世界的に原子
力発電事業には向かい風がまだ続いています。米原発企業を巨額の資金で買収
した東芝には大きな誤算でした。現状の事業ポートフォリオを変えないと東芝株の
大幅な上昇は見込み薄かもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

決算シーズン中の投資判断は難しい

2013-10-30 08:16:48 | 日記
川重は29日午前中4~9月期の上方修正を発表しましたが通期の見通しは据え
置きました。株価はこの結果を受け6%も下げました。株価は米国での鉄道車
両の大量受注を好感して9月30日に437円の年初来高値を付けその後10月初旬
には米国の財政問題から日経平均が1万3800円台まで下落したこともあり川重
株も380円台まで下落しました。

その後は日経平均の順調な戻りもあり420円前後で揉み合っていました。大幅下
落の背景になるのは通期業績の上方修正への期待感が強ったことへの反動で
しょうが、それにしても僅か1日で過去3週間分の上昇を帳消しにするほどの決算
内容だったのでしょうか。

決算発表で大きく上昇する銘柄もありますが、反対に大幅に下落する銘柄もあり
ます。現状では円相場の膠着状態もあり下落銘柄の割合が多いようです。川重
以外でも日本精工やジェイテクト、日立建機などの機械株は好調な上期決算を
発表済みですがコマツの大幅減益決算の連想から下期の業績不安が出て3%か
らり4%の下落と日経平均よりも下げが大きくなっています。

いずれの銘柄も好業績期待で既に高値圏まで株価が上昇していた銘柄です。
好決算を梃に一段高を期待していた市場には厳しい結果となっています。もっ
とも今日はNY市場の年初来高値更新や98円台前半の円相場から昨日大幅に
下落した銘柄も反発するでしょう。

今後も決算を材料に多くの銘柄で株価が敏感に反応するでしょう。どんな動きを
するかは決算内容や通期の見通しそれに時々の外部環境に左右されます。しか
し現状では高すぎる市場の期待と慎重な企業側とのギャップがあるようです。
決算発表は短期売買の格好の材料となります。上昇も下落も一方通行になる
ことはこれからも避けられません。この時期の投資判断は思いの外難しい状況
です。

現在は世界の投資マネーは米国や欧州に向かっているようです。本来なら米国や
欧州が最高値を更新している訳ですから日本株も先週時点で楽々と1万5000円を
超えていても不思議ではありません。しかし現状は29日が1万4325円です。今日は
1万4500円台もあるかもしれませんが、依然1万4800円台は厚い壁であることは変
わりません。

高値を更新した欧米市場も今後は高値警戒感もあり下落リスクも高まってきます。
現状では日本株は欧米の株高のおこぼれを貰っている状態です。春までは世界
の市場のトップを走っていた東京市場も今は米国、欧州に続いての3番手です。
3番手の市場がどこまで戻せるか慎重な見極めが必要です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

家電3社の高PERは続くか?

2013-10-29 08:30:27 | 日記
28日の東京市場は307円高と大幅反発しました。特に売買代金で3位に登場し
3%上昇したソニーに話題が集まりました。キッカケは外国証券のアナリストが
プレステ4の発売も後押ししてエレクトロニクス部門の収益が大幅に改善する
可能性があるというレポートの発表でした。もっともソニー株は9月11日の2160
円の高値からじり安となり25日には1850円と6月の初旬以来の安値圏に沈んで
いたことなどからレポートをキッカケに買戻しや短期資金の買いなどが膨らんだ
というところが真相でしょう。

このところ下落の目立ったソニー株は31日発表予定の決算で通期業績の下方
修正懸念が市場で噂されています。一段の下落を見込んだ空売りも溜まって
いたことも考えられます。そんなタイミングで飛び出した外資系証券のリポートは
格好の買い材料にされた可能性があります。今後は31日発表の決算が市場の
懸念が杞憂に終わり戻りを試すか注目です。ソニーらしい魅力的な製品を開発
し世に送り出しもう一度ソニーブランドの復活が出来るかこの1、2年が勝負で
しょうか。

ソニーの手がけているデジカメ、PC、液晶テレビは他社の動向から事業環境は
厳しそうです。それをスマホやゲームでどのくらいカバー出来るのかがポイントで
しょうか。エレクトロ分野ではイメージセンサーのように着実に利益を稼いでいる
分野もあります。足を引っ張っている事業の改善がどこまで進んでいるかも重要
です。

家電各社の業績不振の最悪期は抜け出したというのが市場のコンセンサスです
が再建途上であることには違いはありません。28日の株価を基にした各社のPE
Rはソニーがおよそ40倍、パナソニックが46倍弱、シャープが97倍弱といずれも
市場平均の2倍を楽に超えています。この高いPERを追いかけるほど業績改善
が進まなければどこかで反動がきます。この株価水準での投資判断は難しいです。
あるヘッジファンドが家電各社の業績未達を見込み空売りを仕掛けているという
ニュースも伝わっています。今後の株価も波乱含みかもしれません。

またソニー株を大量に取得している米投資ファンドのサードポイントが決算内容
や株価の下落で新たな行動を起こしてくるかもしれません。株価を動かすどんな
ニュースが出てくるかもしれません。市場に与ええる影響の大きなソニー株からは
しばらく目が離せません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

欧米株の動きに要注意

2013-10-28 06:10:03 | 日記
東京市場の不振をしり目に欧米の株式市場が活況です。連邦債務引上げ問題
が年明け2月まで先送りされたことや9月の雇用統計が市場予想を大きく下回っ
たことから金融緩和がもう少し続くということが株価上昇の背景にあるようです。
しかし株価指標面を考えるとこの先どのくらい上値余地があるか微妙なところで
す。代表的な指標のPERはドイツで16倍、米国で15.9倍と過去の水準からみると
やや割高な水準まで達しています。

上昇の背景が力強い景気回復からなら今後の企業業績も一段の上昇が見込め
PERの割高感も解消されて株価上昇に追いつくでしょうが、欧州景気は明るさが
出てきましたが、失業率の高止まりなどから考えると緩やかな回復に止まりそう
です。米国の債務上限引き上げのごたごたなど財政面での足かせが実体経済
の足を今後も引っ張る可能性もあります。こうして考えると債務上限問題の先送
りで短期筋がひと稼ぎを仕掛けているのかもしれません。

欧米の株価上昇が金余りによる金融緩和の継続をよりどころとするならば高値圏
で推移する株価がどんなキッカケで崩れるか警戒は怠れません。そうなれば外国
人投資家のリスク許容度の低下から日本株にも再度売り圧力が出てくるかもしれ
ません。先週の日本株の下落の原因と言われて中国の引き締め懸念も欧米の市
場には影響はありませんでした。

どうも株価下落の口実にされたのかもしれません。日本株の本当の下落の背景
にあるのは第3の矢に対する外国人投資家の期待の後退と円安の一服によるさ
らなる企業業績の上昇への期待低下かもしれません。とにかく10月後半から11月
にかけては日本株は信用期日の到来やヘッジファンドの決算など需給面での不
安は続きます。今は堅調な欧米市場が変調をきたせば東京市場の一段安は避
けられません。

市場は好調な決算発表に期待しているようですが下期の海外景気や不安定な
円相場を考えて企業が下期も慎重な見通しを出すことも考えられます。そうなれ
ば事前の市場予想を下回り利益確定売りが出て株価の頭を押さえることも考え
られます。1万4000円前半は決して鉄板の水準ではないことを考えるべきです。
先週の日本株独歩安も高水準に膨れ上がった裁定買い残高が下げに拍車を
かけたことは間違いありません。今週は先週の大幅安を受けて値ごろ感から
買い戻しが入り先物主導で今度は大幅に反発する日もあるかもしれませんが
しばらくは慎重な行動が必要です。あや戻しで反発したところの投資判断が最も
難しい局面です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もう年内は開店休業?

2013-10-26 10:17:47 | 日記
今週の東京市場はまさかの大幅下落で幕を閉じました。10月18日が1万4561円
で25日の1万4088円は前週比473円安となります。欧米市場が堅調に推移した
ことを考えると東京市場だけ蚊帳の外という結果になりました。神様・仏様・外国
人投資家様という東京市場の投資家層の薄さが結果的にそのまま東京市場の脆
さの一面をさらけ出しました。

日本株の決算発表が今週からスタートしましたが、結論から言うと株価の反応は
まだら模様でしょうか。キャノンの業績下方修正にみられるように円安でも主力製
品の需要が後退すれば円安メリットを十分に享受できないことを教えています。
やはり5月に円相場が103円台まで下落したことで主要輸出産業の理想買いが
高まりました。その後円安の一服とアジア市場の変調から企業によっては市場の
高い期待値をクリアできないことが次第に表面化しました。

日本電産や村田製作などの市場予想を上回る好決算を発表できる企業は序盤の
決算発表では少数派です。期待値が高いばかりに少しでも市場予想を下回った銘
柄は問答無用で売られるケースも目につきます。裁定買い残の高水準、5月高値
接近での見切り売り懸念、来年からの証券税率アップによる個人投資家の売りや
アベノミクスの第3の矢への期待値の後退また11月決算を控えてのヘッジファンド
の決算売りへの警戒などなど今後もサプライズ決算で個別物色は続くとしても全体
を浮上させる材料は乏しくなってきました。

これら懸念材料がどれくらい株価にマイナスになるかは不明ですが、今週の動き
からは春先まで言われていた世界で最もホットな市場としての東京は色あせてき
ました。東京市場は年初来高値から1割程度安い水準に落ち込んだ状態ですが
欧州市場のドイツは年初来高値更新、フランス市場も高値圏で推移、ロンドン市
場も高値更新まであと一歩です。あれだけ債務上限問題で売り込まれていたNY
市場もSP500指数は高値更新中、NYダウは高値まであと139ドルです。

年初来からの上昇率は未だ日米欧の中ではトップですが、7月以降で見れば最
下位です。米国のQE縮小予想が来年3月以降というコンセンサスが出来つつあ
る中で円相場が年内に100円を超えることすら徐々に可能性は低下しています。
円相場との連動性が高い東京市場を考えれば年内1万6000円はおろか1万5000
円だって楽々クリアできる水準ではありません。

しかし考えてみれば25日時点でも昨年末の水準から4割程度上昇しています。
現時点でもアベノミクス様様です。年内は少し目線を下げて1万3500円から1万
4000円後半という水準でのボックスも考えれます。先高期待は期待として持って
もいいですが状況によって臨機応変に年内は対処すべきです。

明日の更新はお休みします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする