kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

内需型企業ほど経営改革を

2010-10-31 11:42:34 | 日記
自動車はエコカー減税の廃止による国内販売の大幅落ち込みと円高
電機業界は欧米景気減速による液晶テレビの売り上げ減と販売競争
の激化とやはり円高。昨日の新聞記事を読むとやはり景気の先行き
には暗雲が垂れ込めています。

一方、新興国需要を取り込んだ建機業界や設備投資のメーカーでは
円高の悪影響を吸収して通期業績をを上方修正する企業も見られま
す。同じ業種でも新興国需要を取り込んだダイハツは通期の業績を
上方修正しました。輸出比率8割のマツダは円高の影響をもろに受
けて営業利益段階では通期業績を引き下げました。

この円高であぶりだされた風景は企業の真の成長力です。これから
は同じ業種でも上位企業と下位企業とで企業間格差が一層開くでし
ょう。その結果あらゆる業種でM&Aが日常的に起こるかもしれま
せん。むしろこれからは強い企業はより強くなってもらわなければ
世界で戦っていけません。

今まで逆風に晒される事が少なかった内需企業の株が多く年初来安
値に沈んでいるのは日本株を取り巻く環境の厳しさだけでなく今の
ままでは内需企業の成長は望めないことを市場が警告しているのだ
と私は考えています。一方同じ内需株でも食品メーカーは旨く海外
市場を開拓できれば成長できる可能性はまだまだあります。問題は
一部のメーカー(アサヒやキリンなど)を除いて企業規模が小さい
ことです。

リスクのある海外市場を開拓するにはそれなりの規模が必要です。
日本企業の商品性はすばらしいものがあるのですからきっとアジア
の人々には受け入れられます。そのためには業界再編で規模拡大が
やはり必要です。この2、3年が勝負ではないでしょうか。

キリンとサントリーの統合が白紙に戻ったのはある意味食品業界で
は残念なことでした。あれで盛り上がっていた再編ムードが一気に
萎んでしまいました。日本の有力な企業には余剰資金が溜まってい
ます。きっと近い将来、世間があっと驚く再編話が出てくるでしょう。

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過当競争に勝者はいない

2010-10-30 09:35:49 | 日記
4、5、5、1、1これは何の数字かというと順に液晶テレビ
携帯電話、パソコン、フラッシュメモリー、DRAMの
メーカー数です。昨日の新聞によるとエプソンが中小型
液晶から撤退することを伝えています。これで日本メー
カーは世界首位のシャープそれに4位の東芝、6位の日立
の3社体制になります。しかしこのところ韓国、台湾勢が
猛追していて残った日本メーカーも激しい競争から予断
を許しません。

同じような構図は携帯電話やパソコンでも起こっています。
一方、フラッシュメモリーの東芝は世界2位だし3位のDRAM
メーカーのエルピーダメモリーも台湾企業と協業と携帯用
のDRAMへのシフトから生き残れる可能性大です。今やデジ
タル製品の最大のライバルは日本メーカー同士ではなく台
湾、韓国勢です。多くの製品で世界3位以内と言うことが
今後生き残ることの最低条件でしょう。

また、こんなニュースも出ていました。「伊藤園清涼飲料
3位へ」緑茶飲料首位の伊藤園がコーヒーや紅茶に新ブラ
ンドを投入した結果キリンビバレッジを抜き、始めて業界
3位になったと言うことです。このニュースを見て感じた
ことは今後も国内の缶飲料の競争が一層激しくなると言う
ことです。缶コーヒーメーカーだけでも8社がひしめく業
界で真の勝者は生まれるのでしょうか。

このところの年初来安値に多くの企業が名を連ねる食品メ
ーカー根本的な背景にあるのは過当競争による低収益では
ないでしょうか。特に食品メーカーはずっと内需中心でや
ってきましたし、海外市場を開拓しなければ生き残ってい
けない電機や自動車などの輸出産業と違って長く無風状態
が続きました。それだけに危機意識が希薄で経営改革が遅
れている企業が多いのも事実です。

今後は食品メーカーでも縮小する国内市場だけでは売り上
げを伸ばす事は困難です。やはり海外市場の開拓は待った
なしです。すべての業界に共通することですが、過当競争
では誰も勝者にはなれません。M&Aで真のグローバル企
業が現れなければ日本の経済力は今後も衰退の一途を辿る
でしょう。
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人間万事塞翁が馬

2010-10-29 16:45:10 | 日記
今年の相場もあと2ヶ月を残すのみとなりました。東京市場も
2月の調整をはさんで4月上旬までは順調に上昇しましたが
GW後は一転して調整局面を迎えました。夏前まではほとんどの
市場関係者が調整は短期で終了して好業績を背景とした上昇トレ
ンドが戻ってくると予想していました。

しかし予想とは裏腹にその後も小さな反発はありましたが、8月
末の9000円割れまで下げ続けました。この間、信用買い残高の
高水準が続いた背景には調整は一時的で先高期待が大きかったか
らです。しかし、円高の進行と高水準な信用買い残高はその後の
相場の重石になり9月以降ニューヨーク市場がボックスを抜け出
して4月以来の高値水準になったのとは対照的に東京市場は低迷
を今だに脱出出来ずにいます。

今まで日本株を支えていた持合い株の解消売りや大型ファイナン
スで需給関係が崩れたのも大きかったように感じます。これだけ
低金利なのに優良企業が社債発行でなく公募増資で株式を発行す
る必然性があるのかどうか、その資金を使って利益成長が出来る
勝算があるのか市場が疑念を抱いたことも株式離れを引き起こし
たと思います。

夏以降多くの個人投資家も我慢を強いられる相場でモチベーション
が下がることも多いと思いますが、ここは「人間万事塞翁が馬」の
諺にあるように前向きにこれからもがんばっていくしかないですね。
それにしても中国の輸出停止以来レアメタルが高騰したと言うこと
で日立金属や旭硝子が今週急落していますが、少し過剰反応じゃな
いでしょうか。いくら何でも売られすぎだと思いますが。業績から
考えてここから大きく下がることはないと思うのは私だけでしょう
か。リスクはありますが、ここからは売りではなく買いだと思いま
すが果たしてどうでしょうか。

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恐怖心との戦い

2010-10-29 11:26:52 | 日記
ここから先は恐怖心との戦いです。少なくともチャート的には
今日の下離れで再び下値を試しに良く展開です。日米とも決算
発表のピークを過ぎ市場の関心は次第にマクロ指標に向かうで
しょう。特に日本の場合何と言っても円相場が鍵を握ります。
今のところ市場ではFOMCの決定以降、材料出尽くしから
投機筋が円の買戻しを進めて円安方向に反転するという見方と
FRBが小刻みに量的緩和を実施しするので今後も円高基調で
推移するという見方に二分されています。

為替相場を決定するのは色々な材料が複雑に絡み合っているの
で今後をはっきり見通すことは大変難しいというのが結論です。
為替の動向に左右される東京市場も決して楽観は出来ない状態
です。今までは新安値銘柄が高水準でも日経225銘柄はしっかり
した状態で今週も昨日までは小動きでしたが、今日は9月の鉱工
業生産指数が以前の予想0.6を大幅に下回る1.9という発表をキッ
カケに先物主導で150円超下げています。そういえば8月も9月も
最終営業日は大幅安でした。

様子見ムードから売買の手控えで現物株の商いが薄いのでどう
しても先物の動向に左右されます。年初来安値銘柄の多さや騰落
レシオ(28日現在74)の水準からみてもずっと調整色の強い相場
だったけれど日経平均だけは小動きで推移していたのが一気に
今日出たわけです。個別銘柄で言えば好業績を発表しても上昇は
長続きせず反対に増益でも市場予想を下回れば大幅安という状況
では買いの手が控えられるのは当然です。

しかし業績に割には売られすぎの銘柄も多くなりました。ここは
じっくり押し目買いのタイミングを考える状況です。今日大幅安
した日本ガイシも9月1日の1271円を安値に10月18日に1616円まで
戻したました。この間NAS電池の将来性をはやして上げた訳で
すが、今回の決算発表で通期の業績を下方修正したことや期待の
高かったNAS電池の国内外の案件見直しも響きました。

一連の値動きを見ていると一度下値を試しにいって底値を確認し
ないと次の上昇局面にはいかないのかなという気がします。来週
はその意味では重要な1週間かもしれません。
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企業の成長も経営者次第

2010-10-28 14:01:53 | 日記
景気後退期には株式市場では以前はディフェンシブ銘柄として
不況に強く業績の変動の少ない食品、薬品、通信、電力、ガス
などが物色されてものです。またテレビ局の株も通信事業法で
新規参入が制限されていることから比較的安定した収益を上げ
られる業種として人気でした。

ところが最近の相場の新安値の常連は食品、薬品、電力、ガス
それに銀行株や証券株などです。建設株は公共事業の削減や国内
の設備投資の低迷からうなずけるのですが、他の内需株がこうも
連日安値を更新すると言うのは持ち合い株の解消売りを吸収する
投資セクターがいないと言う現実です。

またこれら内需株のほとんどは外部環境の激変とは無縁な業種が
多くそれだけ構造改革が遅れていることもあると思います。輸出
産業は為替変動や海外市場の開拓で鍛えられてきた輸出型産業で
年初来安値を更新する銘柄はほとんどなく、円高で反対にメリッ
ト受けそうな業種に多いのは皮肉なものです。

サッポロHとTBSは共通した部分がかなりあります。一等地に
不動産を所有している。かつては優良企業だった。買収の標的と
して株式を買い集められた。構造改革が遅れて業績が同業に比べ
てかなり悪化している。人も企業も逆風を受けないと強くなれな
いのでしょうか。トップは現在の業績低迷をどう考えているので
しょうか。優秀でないトップが座っている企業は社員も株主も不
幸です。

企業が成長するのも衰退するのも経営者の腕次第です。米国の
アップルや日本マクドナルド、コマツ、パナソニックなど崖ぷち
から企業を蘇らせた経営者がいなければどんな結果が待っていた
か、改革には大きな勇気と決断が要るものです。それを成し遂げ
られる経営者は一握りかもしれません。
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