kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

インバウンド再開後の課題

2022-05-31 06:00:11 | 日記
週明け30日の日経平均は大きく上昇しました。今月の上限2万7000円を超えたこと
から上げに弾みがついたようです。勿論8週連続の下落を続けていたNYダウなど米
株が先週大きく上昇したことが最大の背景にあります。

昨日の東京市場では今年下げが大きかったリクルートやエムスリーなどのグロース
銘柄の上昇が目立ちました。短期的には成長株の見直しが進むという指摘もあるよ
うです。この上昇が買戻し主導で実需筋の買いの追随が無いのなら上値は余り大き
くは期待できないとの見方もできますが、現時点ではどっちに転ぶかは判断できま
せん。

中国・上海市は30日、都市封鎖(ロックダウン)を6月1日に解除すると発表しまし
た。都市封鎖が解除され経済の正常化が進むという期待で市場には追い風になりそ
うです。もっとも感染の再拡大を抑えるため、公共交通機関や公共施設の出入りに
は72時間以内のPCR検査の陰性証明の提示やマスクの着用を求めるとの方針のよう
です。

手探りの状態が当面続くという可能性があり年初のような経済状態に戻るには時間
がかかることを忘れてはいけません。そして最も忘れてはいけないのは中国がゼロ
コロナ政策を続けることです。欧米や日本でも感染が落ち着いて行動制限を解除す
れば再び感染者が増加するという波を繰り返しました。

ファーザーやモデルナなどのワクチンに比べて効果の低い国産ワクチンを使っている
ことやこれまで感染者数が少なく自然免疫を獲得している国民が少ないということを
考えると感染再拡大の不安は続くのではないのでしょうか。もしこの政策でコロナを
封じ込めたとしたらそれは奇跡的なことです。

日本でもインバウンド再開の動きが出てきています。しかし訪日観光客の受け入れ再
開に向けた実証事業で大分県に滞在していた参加者1人が新型コロナウイルスに感染し
ていたことが確認されたため、ツアーを中止したと発表しました。

国内の感染が落ち着いてきたとはいえ尚も全国で一日2万人を越える感染者が出ていま
す。第6波は東京圏や関西圏よりも地方での感染者数の増加が目立ち全国に広がったこ
とが5波までとは大きく違いました。ワクチン接種をしてもマスク着用など感染症対策
を厳格にしても感染ゼロは不可能です。

海外からの観光客を本格的に受け入れ感染者が出て時にどのような対応をするのかイン
バウンド再開で国内の観光地には期待が高まるでしょうが、当面は期待と不安が繰り返
されそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

復調?

2022-05-27 06:19:37 | 日記
8週連続下落の後を受けたNYダウは5日続伸しました。流石に売られ過ぎという
見方から買戻し主導での上昇になりました。26日の上昇で目立ったセクターは
一般消費財になりました。先週小売り大手の決算が冴えず大きく下落しました。
しかし26日発表した百貨店大手のメイシーズや1ドルショップのダラーツリーの
好業績が買戻しを誘発したようです。

今週の反発が相場復調のキッカケになるのでしょうか。
①のケースは相場が極端に弱気に傾いたのでこのまま反発局面が続く
②ベアマーケットラリーはまだ終わらず今週の反発も一時的な上昇でまだ下値を
確認したと判断するには時期尚早
③一旦反発した後下値を固めたのち一進一退が2ヶ月程度続く。

まあ予想は当たらないものという記事を書いたばかりですから今の時点では決め
つず、臨機応変に対処することが肝要のようです。

何しろコロナ禍で中央銀行の未曽有の緩和政策で急騰を演じた相場でした。2022年
の大幅調整も年末時点では多くの市場関係者が想定していない事態でした。それだ
けに簡単には元に戻らず再び高値を更新するにはある程度の年月が必要だというの
がメインシナリオです。

今年の勝ち組は強気予想に乗らず慎重な投資行動をしていて投資余力があり質の良
い銘柄を格安で購入できる立場にある投資家です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

予想は外れるもの?

2022-05-26 05:53:40 | 日記
森を見ずして木を見る相場ということでしょうか。日経平均は今月2万7000円前後
まで上昇しても翌営業日には下落するパターンを繰り返しています。2万7000円に
乗せたのは6日、ザラ場で2万7000円を超えた18日、そして2万70001円まで上昇し
た今週の23日でした。

8週連続で週末の終値が値下がりしているNYダウに比較すれば底堅いという見方も
できますが、上値をどんどん切り上げる相場ではないのも否定できません。25日も
日経平均が70円値下がりする環境下で30銘柄が高値を更新しました。業種も建設や
電機、精密、不動産、通信など様々です。特定のテーマで物色されている訳でもあ
りません。材料がある銘柄の一本釣り相場です。

年初来安値は115銘柄と高値銘柄のおよそ4倍ということをみても相場環境が好転し
たとは言えません。安値圏だから下げの背景も考えず買うという行動は余り賢い行
動のようには見えません。

もっとも木を見る相場で材料のある特定の銘柄への投資もそれなりにリスクとリタ
ーンの計算は必要です。株価を押し上げている資金が短期筋からの買いということ
になれば動きが止まればマネーが逃げ出し一気に調整局面入りということにもなり
ます。そして企業の実態以上に株価が人気化しているケースもありそうです。

市場は既にFOMCで6月と7月に0.5%の利上げを行うという材料を織り込み済みです。
7月の会合で利上げ幅がどのくらいになるのか。勿論インフレ率がそのカギを握って
います。既に住宅分野ではこれまでの引き締め効果で市況の悪化が表面化しています。

景気後退が本格化する前にインフレが鎮静化するのか。経済面でも金融市場も大き
な関心事です。相場の先行きは予想するのが難しいというのは今に始まったことで
はありません。円相場でも5月初旬には1ドル135円を目指して円安が進むというの
が、多くの専門家の予想でした。

しかし足元の円相場は126円台に突入しています。僅か3週間前の予想さえ外れるの
が相場です。予想するための前提条件は時間とともに変わる場合も多々あります。
徐々に変化するのであれば混乱は余り発生しませんが、急激な変化があれば多くの
予想と正反対のケースも出てきます。

円相場の大方の予想が外れた背景にあるのは長期金利の急激な低下です。長期金利
の低下は住宅などの経済データの悪化がいよいよ景気に警戒信号が灯ったことがあ
るようです。市場が長期金利の上昇や円安の継続が当面続くということが浸透した
段階で事態が予想外の方向に向いたのですから反動は避けられません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金利から景気へ

2022-05-25 06:19:32 | 日記
米長期金利の指標になる10年物国債利回りは9日につけた3.2%台をピークに上昇が
一服し、足元では2.8%台で推移するが先週時点まで8週連続の株安は続いていまし
た。週明け23日はNYダウ618ドル上げるなど3指数とも堅調でしたが、インフレ次
第で利上げペースの減速も加速もあり得る状況で市場も織り込みきれずにいます。

パウエル議長をはじめFRB高官は5月上旬のFOMC後、6、7月の会合でも0.5%の利
上げに動く方針を繰り返し述べました。金利先物市場は8~9割の確率でこれが実現
すると予想されます。大幅利上げを3回連続で実施することが既定路線になり、市
場はFRBの「口約束」が実行されるのを待っている状態です。

一方、9月以降の会合については、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁やシカゴ
連銀のエバンス総裁が通常の0.25%の利上げ幅に戻す可能性を示す一方、セントル
イス連銀のブラード総裁のように0.5%以上の利上げ継続を示唆するタカ派意見も
根強く残っています。インフレ次第で利上げペースの減速も加速もあり得る状況で
市場も織り込みきれずにいます。

このところの長期金利の低下は米景気が想定より早く減速し、政策金利の到達点が
下がる可能性も市場は見始めている」とみる市場関係者もいます。景気が冷え込ん
でもインフレが続くなら米国債への「質への逃避」は起きにくいと考えらえます。
だが、引き締め効果で強い需要と物価が早期に落ち着いてくるなら、国債を買い増
せると踏む投資家もいることが長期金利の低下に繋がったのでしょう。

FRBがインフレは十分に抑制されたと判断できるまで引き締めに動く姿勢である以
上、米国株には売り圧力がかかる状態が続きそうです。ただ金利上昇を伴うか否か
で、売りの矛先がハイテク株に向かうか、景気敏感株になるかは変わってきます。
金利はピークを打ったのか、再び上昇に向かうのかの見極めが銘柄選別で重みを増
しているようです。

SNS(交流サイト)のスナップが23日夕方、マクロ経済環境の悪化を理由に2022年
4~6月期の業績が会社予想を下回る見通しだと発表しました。インフレや景気減速
でインターネット広告が打撃を受けているとの見方が広がり同株は4割強下落しまし
た。連想からネット広告に収益を依存するメタやグーグルも大きく下げナスダック
指数は年初来安値を付けました。

反応の大きさは市場が景気後退懸念を強めているからのようです。10年物国債が3.1%
から2.7%台に低下しました。円相場も131円台から直近では126円台まで円高方向に
なっています。いずれも米国景気への懸念があります。米国景気の悪化でインフレの
低下に繋がるのか、それでもインフレが高いまま推移し景気悪化のスピードが勝るのか
いずれにしてもFRBの金融政策のサジ加減が注目されます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テンバガーの行方

2022-05-24 06:06:01 | 日記
このところ日経平均先物は海外市場よりも国内市場がアウトパフォームしていま
す。米株との関連性が強いシカゴ先物市場に比べて国内市場には自社株買いなど
国内の実需筋の動きが日経平均先物にも影響しているようです。日本株独自の好
材料が一定の下支えになっているようです。

円安による業績上振れ要因やこの時期としては多い自社株買いの発表、東京市場
は米国株に比べてグロース株が少なくバリュー株が多いことが現在の相場の流れ
に乗っていて優位なことなどがありそうです。今月は米国株のボラティリティが
高まっているのに対して日本株のボラティリティはそこまで高まっていないこと
も一定の安心感があるようです。

米国株を中心に2010年ごろから10年以上にわたって続いた強気相場は今その終焉
を迎えたのではないかという見方も出てきているようです。結果的にコロナによ
る経済へのダメージを和らげるために中央銀行が行った積極的な金融緩和が2020年
から2021年の相場の急騰で終わりが早まったということかもしれません。

コロナ相場で米株のPERが過去の平均の17倍から22倍まで切り上がりました。未
曽有の金融緩和と巣籠り消費で特定のセクターに吹いた追い風でグロース株と位置
付けられた銘柄が大きく上昇しました。代表例が米国ではGAFAMでした。日本の
投資家もこぞって米国株に投資先を移しました。

日本市場でもエムスリーやリクルートそれに半導体セクターでは東京エレクトロン
レーザーテックがテンバガーと呼ばれるような大化けを演じました。これらの銘柄
の保有者はこの間じっと持っているだけで大きな財産になりました。または途中で
買い増しをすればさらに資産は膨らみました。

しかし多くの銘柄は2020年から2021年にかけて上昇ピッチを速めましたがピークを
付けてから時々反発はあっても下値切り下がり相場を脱することは出来ないまま現
在に至っています。

勿論これらの銘柄はイノベーションを起こし劇的に収益を伸ばしたという共通項が
あります。この先も社会の問題を解決できるようなイノベーションを起こせる企業
は評価されるでしょう。ですから成長株は死なないというのもおそらく事実です。
しかし当面は現在の厳しい状況が大きく好転する可能性は少ないでしょう。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする