kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

やっぱり波乱秋相場

2013-09-30 10:35:27 | 日記
シナリオ通りにいかないのが投資の難しさと奥の深さですかねえ追加緩和
見送りで一気にNYダウは年初来高値を更新したのも束の間のパラダイス
だったとはその後のNY市場は中旬までの力強い上昇が嘘のような展開に
なりました。東京市場も7月高値を目前に失速今日の東京市場は現在300円
近い下落です。結果的に配当落ち26日大幅上昇は昨年の3月と同じように
その後の波乱の幕開けでした。

未曽有の金融緩和局面から出口戦略は一筋縄ではいかないことを市場は
暗示しているのでしょうか。日本株に影響の大きな円相場も依然として円安
トレンドは続いているというのが大方の見方でしょうが当初のシナリオよりも
円安が進むペースは緩やかなようです。1ドル100円は近そうで意外と遠い
状況です。

やはり秋相場は波乱の連続と心得、リスクコントロールが欠かせません。
前にも述べたかもしれませんが、年の初めからの上昇相場は4月くらいまで
強気で臨んだ方が勝ちです。ところが前半が好調な時ほど10月以降の相場
は波乱になりやすい傾向があります。日々の値動きにとらわれず目線を少々
先に置いておかないと火傷します。常に秋相場は腹八分目が基本です。

重要イベント目白押しで9月相場には期待があまり持てないというところから
スタートしましたが、300円近い下落でも8月末に比べて1000円弱上昇してい
ます。結果的には上出来の相場だったのでしょう。反対に9月が良かっただ
けに10月は厳しい状況なのか、外部環境次第では5月高値の信用期日の
見切り売りが早めに出て下げに拍車がかかることもあり得るかもしれません。

予想外の大幅安で始まった今日の東京市場ですが引けにかけて月末のドレ
ッシングがあるのかないのか。ちなみに8月は完全に不発でしたがそのかわり
月替わりから3営業日で600円超の大幅上昇でした。その時と日経平均の水準
が違うので先月の再現は厳しそうですがどうでしょうか。

テクニカル的には先週現在騰落レシオが124と買われすぎの120を超えたこと
や25日移動平均線との乖離率が過熱の目安の5%を超えたこともあり何かキ
ッカケがあれば大幅下落することも考えられました。しばらく調整ということも
考えながら当面は相場を見ていく方が良さそうです。
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格差広がる

2013-09-28 09:36:02 | 日記
9月月間で見る限り株価上昇のばらつきが業種を問わず増えてきました。
業績不振が話題になった家電業界でも8月末時点を基準にするとパナソ
ニックが8%、ソニーが7%上昇しているのに対してシャープは5%下落です。
格差が広がった背景には業績の回復具合や財務内容の違いでしょうか。
財務内容の悪化で資本増強が避けられないシャープは本業でも会社再建
は大黒柱の液晶事業の建て直しが出来るかどうかがポイントです。危機から
脱出しつつあるパナソニックやソニーとまだ水面下で格闘しているシャープの
現状を考えるとこの差も致し方ないということでしょう。

また造船重機業界では業界一番手ではありませんが、川重の株価上昇が
目立ちます。株価は8月末以降25%の値上がりで年初来高値を大幅に更新
しています。ボーイング向け航空機部材の好調と2輪車部門の回復、油圧
機器も前期に比べれば若干落ち込みましがそれでも高水準の利益それに
早くから米国に工場進出し実績を重ねてきた鉄道車両部門で大型受注を
獲得したことが株価を刺激しました。

一方業界首位の三菱重工は子会社の小型ジェット機の引渡しが何度も延期
されて先行きに不安が出てきたことや米国原発事故の補償問題などが足を
引っ張っています。また稼ぎ頭の原動機部門が前期ほどの伸びを欠いている
のも影響しているようです。株価は8月末比7%上昇していますが5月高値765
円を24%下回っている状態です。

鉄鋼業界では何と言っても新日鉄住金の評価が高いようです。超大型株にも
拘わらず今月の上昇率は26%で5月の高値311円を大きく上回る352円で今週
の取引を終わりました。鉄鋼業界各社の株価はステンレスや特殊鋼も含めて
今月はかなり好パフォーマンスなのですがその筆頭格は間違いなく新日鉄住
金です。統合効果も有り合併新会社の今期業績の増額修正が期待できると
市場は見立てているようです。

自動車業界では想定為替レートが90円で上方修正余地の大きなトヨタ、富士
重工、マツダ株価はかなり戻ってきました。5月高値の後一息と言うところです。
一方想定レートが95円のホンダや日産の戻りが良くないのは業績の上積みが
限定的だということでしょうか。

素材株のかなでも中堅化学株が何社も今月年初来高値を更新しているように
増額修正含みの業績の好調な銘柄は日経平均が5月高値から1000円下の水
準でも上昇基調が鮮明です。業績による選別が確実に進んでいることを裏付
けています。銘柄選別のキーポイントはこの辺にありそうです。

明日の更新はお休みします。



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女心と秋の空

2013-09-27 05:59:09 | 日記
秋の天気は変わり易いものです。台風の発生が多くその進路次第では数日先
の天気もあっという間に変わってしまうこともよくあります。女心が変わりやすい
と言うのは意見の分かれるところかもしれませんが、昨日の東京市場はそんな
ジェットコースターのような上下動の激しい一日でした。

午前の寄り付き直後は配当落ち分(およそ80円)を考慮すればほぼ前日と変わ
らずにで始まりましたが、その後先物に売りがかさみ10時前には一時220円ほど
下げ下値模索が11時頃まで続きそこから引けにかけて小幅プラスに浮上、午後
は小幅プラスで揉み合いが続き2時過ぎから先物主導で大引けにかけて見事な
右肩上がりで178円高の1万4799円の高値引けでした。

もっとも今日の大幅高を額面通りに受け取るのはやや危険です。日経平均の
2倍の値動きをするようなETFが人気を集めています。先物を使って指数の
倍の値動きをするようなETFは指数に連動させるために先物でレバレッジを
働かせています。買いが集中し下落時は反対に売りがかさみます。

レバレッジを効かせたETFが人気を集めれば集めるほど日経平均への影響は
大きくなります。高値引けや安値引けが目立つのも背景にはこのETFの存在が
あるという見方をするしじょうか市場関係者もいるようです。ですから配当落ち分
を埋めて178円上昇した昨日の東京市場はかなり高い下駄を履いた状態かもし
れません。

米国の債務上限問題やQEの縮小時期の不透明感から今後も山あり谷ありの
相場が続くと考えておいたほうが良さそうです。こんな時には投資の原点にかえ
り業績の裏づけのある銘柄の押し目を丹念に拾う作戦が有効です。投資の軸が
ぶれると先物主導の値動きに翻弄される場面が増えます。この相場を乗り切る
ためにはコントロールできるくらいのリスクを取りながらの投資が絶対必要です。

オバマ大統領がシリア問題やFRBの新議長問題で指導力に疑問がつく事例が
目立つのに対して安倍首相のリーダーシップをアピールしている場面が増えて
います。海外投資家にとっては久々に強いリーダーの登場に見えているようです。
NY市場が軟調なのに日本株が最近底堅いのはそんなところにも貢献している
のかもしれません。この上昇局面が取り敢えずどこまで続くのか注意深くみてい
きたいと思います。
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面より点で判断せよ(3)

2013-09-26 07:00:34 | 日記
今月のFOMCでFRBは小幅の金融緩和に踏み切り長期金利は3%台乗せ
日本はデフレ脱却が至上命題のためにしばらく緩和が続くので結果として日米
金利差が開きドル高円安が進むと言うのがメインシナリオでした。結果は多くの
市場関係者の予想が外れました。長期金利は2.9%から2.6%に下がり円相場
も99円を挟んで方向感のない展開が続いています。

今月18日緩和継続を好感して大幅上昇で年初来高値を更新したNY市場ですが
その後は5日連続安で合計404ドル下落しました。ダウ採用銘柄の入れ替えに伴
なう混乱を差し引いたとしてもこの下落幅は予想外でした。それに加えてFRBが
緩和縮小に踏み切るほど米国経済は復調していないと言う見方も株価下落を
助長しています。

以上の状況を踏まえると今後も株式市場はやはり波乱含みで推移すると考えて
おいたほうが良さそうです。上昇するにしても同じ業種の中での格差が広がりそ
うです。現在の株価の水準、PER、今期の業績見通しなど総合的に考えて銘柄
選びをする必要があります。

それは自動車業界も例外ではありません。円相場が100円を越えて103円の高値
を更新するほど円安がすぐに進めば別ですが、現状の円相場のボックス(97~99
円)が続けば今期業績の更なる上方修正が出来る銘柄は限られます。なかでも
最大の関心事はトヨタの今期営業利益がリーマン前の2兆2704億円にどこまで近
づくかそれとも更新できるかです。

トヨタの2012年の地域別販売台数をみると日本169万台、米国227万台アジア234
万台、欧州81万台、中近東68万台、中南米40万台、オセアニア25万台、アフリカ
24万だとなっています。2013年を考えれば日本はエコカー補助金終了に伴ない
若干の減少は仕方ないかもしれません。一方利幅の大きい大型車の比率の高
い米国事業は円安もあり台数、利益率も昨年をかなり上回りそうです。

ユーロ安が進んでいる欧州も何とか踏ん張れそうです。中国事業は引き続いて
足を引っ張りそうですが全世界の販売は前年を上回りそうです。それに加えて
トヨタお得意の原価低減効果も収益を支えそうです。業績の変化率の大きさな
ら富士重工でしょうが。個人投資家が手がけやすい低位株ではマツダも外せ
ないかも知れません。しかし安定性を取るならトヨタが筆頭です。

春までの強烈な上昇相場と違って今後の秋相場では企業業績をよく吟味しな
がら銘柄選びをしなければならないでしょう。
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面より点で判断せよ(2)

2013-09-25 06:41:44 | 日記
液晶テレビやデジカメ、太陽電池それに冷蔵庫、洗濯機、エアコンの白物家電
等々多様な製品を抱える家電業界と違って自動車業界は単品経営です。それだ
けに自動車の売れ行きが業績を左右します。国内市場は人口の頭打ちと自動車
離れで右肩上がりの成長は見込めません。成長の原動力はモータリゼーションの
始まったアジア諸国などの新興国と世界第1位の自動車大国になった中国と復調
してきた米国です。

自動車業界を語るときにもっとも大きなインパクトがあるのは為替です。円安は
多くのメーカーにメリットをもたらします。しかし収益源とする市場の違いや輸出
比率の違いで円安メリットを享受できる割合は各社様々です。たとえば軽自動
車販売首位のダイハツと2位のスズキは国内の軽自動車販売の行方が重要です。またダイハツは国内に次ぐ収益源のインドネシアの販売動向、スズキは全販売の
半分を占めるインドでの販売動向が株価を左右します。

2社に共通するのは日本市場独自の規格の軽自動車を主力としていることです。
また軽自動車は日本独自の規格ですから日本から軽自動車を輸出することはあ
りません。輸出しているのは小型車規格の車です。それも全体の販売数量から
みたら台数は僅かです。国内市場はホンダの新車攻勢や日産と三菱自動車の
共同開発の新車販売などで競争はこれからも激化する一方です。スズキとダイ
ハツの円安メリットは限定的です。

ではホンダや日産はどうでしょう。ホンダの稼ぎ頭は米国市場です。日本車は
米国市場の販売好調もあり米国販売は比較的交渉に推移しています。しかし
ホンダの月別の輸出台数は大手3社で断トツの少なさです。会社の方針はおそ
らく消費地に近い海外生産を強化して為替変動に影響を受けにくい生産体制を
目指しているようです。日産は収益を支えていた中国事業が日本製品不買運動
の影響から頭打ちになっていることがやはり影響を受けているのでしょうか。
株価は1000円を挟んだ小動きです。

株価が1年前から大きく値上がりした富士重工とマツダは輸出比率の高さと
新車のヒットで根強い人気があります。落とし穴があるとすれば富士重工は
米国事業一本足の収益構造で米国市場が変調をきたした時に他社よりも大
きな影響を受けることと中国での現地生産の目途が未だに立たないことです。
マツダは日本車メーカーでもっとも輸出比率が高く円安のメリットがもっとも
期待される企業です。スカイアクティブ技術を使ったCX-5のヒットもあり今期
業績の増額修正も期待できそうです。リスクは国内生産の8割を輸出しており
為替動向に株価が左右されそうです。

総合力と安定感ではやはりトヨタがトップです。トヨタについては明日詳しく
書きたいと思います。NY市場の小幅安、98円台後半の円相場から今日の
東京市場は1万4700円前後で推移しそうです。明日以降日経平均が上値を
試せるかどうかは外部環境次第でしょうか。
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