kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

好調だった10月相場さて11月は

2017-10-31 07:18:09 | 日記
週明けの東京市場は2万2000円を挟んだ小動きでした。企業業績好調と
下げれば日銀ETFの買いが見込まれ売り込む動きは見られませんでした。
一方短期的な過熱感と月末接近、日銀金融政策決定会合の開催が30日
から31日に開かれることもあり上値を追う動きも乏しかったようです。結局
大引けは3円高と形の上では3日続伸で終わりました。

午前中下げたこともあり日銀は709億円ETFを買い付けました。しかし9月
の739億円から買い付け額は減少しています。10月の買い付けが先週ま
でゼロだったことからETFの買い付け枠はかなり余裕があります。増額す
ることはあっても減額することはないと見られていましたから意外感があり
ます。緩和縮小への布石なのでしょうか、市場の混乱を考えると現時点で
変更は考えられませんが気になる点です。

10月相場も一日を残すのみとなりましたが、30日までの上昇幅は1655円
でした。9月が710円の上昇でしたから合計2365円という大きな値動きに
なりました。米国株の連日の高値更新、当初懸念されていた総選挙での
苦戦が終わってみれば自・公の与党圧勝で安倍政権が続くことへの安心
感が海外投資家の買いを一段と引き寄せたことも大きかったようです。

世界景気の拡大が世界の景気敏感株という位置づけの日本株の見直し
に繋がりました。内閣支持率低下と北朝鮮リスクもあり円相場が高止まり
していたこともあり日本株は出遅れていました。海外投資家も日本よりも
欧州やアジア新興国市場への関心が高かったようです。年初から見れば
8月まで出遅れていたことが10月の16連騰を生んだのかもしれません。

製造業の競争力が強い日本企業は世界景気の拡大の波に乗り半導体
製造装置やロボット関連銘柄だけでなく化学や非鉄の素材株なども業績
好調を背景に上昇相場の立役者となりました。また7のつく年には10年周
期で大きな波乱が過去繰り返されたことで9月以降の相場に慎重姿勢だ
ったことも結果的に予想以上の上昇に繋がったのかもしれません。

9、10月と大きな下げもなかった東京市場ですが、ある意味11月は試練の
月になるかもしれません。上昇相場序盤戦をリードしたヘッジファンドが決
算を迎えます。ここまで買いポジションを積み上げてきただけに決算対策
で利益確定に動くかもしれません。確かに日銀ETF買いは安全弁になりえ
ますが、下げを緩やかにする効果はあっても日銀のETF買いだけでは株
価を一定水準に保つことは不可能です。買う時も売る時も一方通行の傾
向が強いヘッジファンドですから警戒は怠れません。

今年の4月の下げや過去の例からも一気に海外投資家が売りに動けば
やはり下落は避けられません。今は決算期待で相場が堅調に推移して
いますが、決算シーズンは11月初旬には終わりを迎えます。それでも相
場の上昇トレンドが崩れないかどうかはその時になってみなければ分か
りません。

上昇相場が今何合目に差し掛かっているのか分かれば苦労はないので
すが、実際は後からになってみなければあれが相場のピークだったと言
うことは分からないのが現実です。まあ余程市場が予想していない悪材
料が飛び出さない限り下値では日銀ETFの買い支えがあり大きな調整は
今のところないでしょうか。相場に鉄板はありませんから今まで以上に注
意深く流れを見極める必要がありそうです。
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メガバンクが鍵

2017-10-30 06:13:25 | 日記
日経平均は先週2万2000円に乗せました。数週間前は多くの市場関係
者が年末までの高値目標としていた数字です。直近の予想では年内2万
3000円と上値が切り上がったようです。10月27日まで日銀のETF買いは
一日もありませんでした。30、31日も午前中相場が下がらず買いが見送
られるようでしたら残り2ヶ月でおよそ1兆4300億円買い入れることになり
ます。日本企業の業績好調と日銀ETF買いで下値不安が後退してきた
ことは事実です。

日銀は9月まで月平均5000億円日銀はETFを買いつけました。6兆円の
目標を達成するためには1回あたりの購入額がこれまでの700億円弱か
ら4割増の1000億円という計算になります。このことから市場では日銀買
いで下値不安が乏しくなり強気に傾いています。もっとも日銀は6兆円を
目処と言ってもいますから必ずしも6兆円達成に拘っている訳ではないと
思います。

2016年は6兆円の目標に対して買い入れ実績は4兆6016億円に止まりま
した。期待が先行しすぎるとまた反動も気になります。「取らぬ狸の皮算
用」となるとも限りません。こうなると決め付けての行動は少なくともこの
水準では危険です。時には多くの人が手放しで強気の相場で波乱は起
こります。

今週日本株が2万2000円台で堅調な展開になる鍵を握っているのはメ
ガバンクなどの金融銘柄の動きと言われています。先週後半の金融銘
柄の強い動きは米国での金利上昇で利ざやが拡大して収益の拡大が
期待できると米国の大手金融株が上昇した影響です。

もっとも日本では金融緩和路線に今のところ変更の兆しはありません。
長期金利も低水準で張り付いたままです。マイナス金利の悪影響は
一段と収益の影を落とすと言われています。メガバンク3社の業績は
厳しさを増しています。29日付の経済紙が伝えているように支店の
業務見直しで窓口の大胆な人員削減は待ったなしのようです。

私たちが銀行を利用する場合現金の出し入れは既にATMで十分で
す。窓口が必要な場合は公共料金の支払いや振込みのケースが多
いと思います。どちらも銀行にすれば収益貢献しない業務です。近頃
ではネットバンキングで振込みもできます。現金主義の強い日本でも
買い物等でのキャッシュレスはじわりじわり進んでいます。

これまでの延長線上には銀行の未来は見えません。銀行業界の構造
改革は待ったなしです。こんな状況で国内投資家には銀行株に対して
強気の見方は多くないようです。先週の上昇も海外投資家中心のよう
です。株価が一段と上値を追う展開になるかどうかは海外投資家の買
いがどこまで続くかにかかっているようです。
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出遅れ物色の先は?

2017-10-27 05:24:37 | 日記
化学や機械など上方修正期待が高く9月以降上昇の目立った安川
電機やファナック、日本電産、三菱ケミカルHGなどは業績発表が好
材料出尽くしという判断され軒並み下落しました。26日の東京市場
は日経平均が小幅高で終わったのとは対照的に銘柄間の明暗がは
っきりした動きでした。

LINEは広告事業が収益源になってきた事や子会社売却で大幅増益
になったことを好感してストップ高となり1年ぶりの高値になりました。
ストップ高するほどの好材料だったかは疑問が残りますが、これも決
算シーズン特有の動きと割り切るしかないようです。また大和証券が
自社株買い発表もあり久しぶりに業界トップの野村證券を上回りまし
た。

これまで泣かず飛ばずだった銘柄が突然人気化するという現象が起
きています。メガバンクに加えて出遅れていた証券株の上昇が目立ち
市場の循環物色は出遅れ銘柄に向かっているようです。流石にこの
日経平均の水準を考えたら年初からの上昇が際立っている銘柄の上
値を追うよりも出遅れ銘柄を買うほうが下値不安が少ないと言うことで
しょうか。

16連騰中は日経平均への影響が大きい値嵩株などに人気が集まって
いました。26日現在の騰落レシオは日経平均採用銘柄で150%と買わ
れ過ぎの目処である120%を大きく越えています。一方東証1部全銘柄
では119%と高い水準ですがそれでも日経平均採用銘柄に比べてれば
落ち着いた水準です。

これは225先物主導で16連騰の記録が生まれたことを示しています。
ここ3週間は海外投資家の現物買いが目立ちましたが、それ以上に
先物主導の相場だったのかもしれません。個別銘柄でも225指数に
影響の大きな銘柄は売られる要因はあったのかもしれません。決算
発表で好材料出尽くしというキッカケになったのかもしれません。

別に珍しい現象ではなくこれまでも決算発表時には繰り返されたこと
です。先駆した銘柄を売って出遅れ銘柄を買う動きが上昇トレントの
一区切りになるのかそれとも小幅な調整はあっても再び好業績銘柄
に移るのか。どちらのシナリオで動くかで今後の投資作戦は違ってき
ます。

これまでのケースのように選挙期間中は買い選挙後は売りということ
ならしばらくは様子見です。一方21年ぶりの高値更新はこれまでと違
ったトレンドになると考えれば押し目は積極的に買いに動くべきです。
さあどちらに組するか難しい選択が待っています。

28、29日の更新はお休みします。
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アマゾン・プルーフ企業

2017-10-26 07:16:04 | 日記
ついに東京市場の連騰は16日で終止符を打ちました。24日の米国株高
円相場も113円後半と好材料を受けて17連騰も期待され寄り付き直後は
100円弱高い場面もありましたが節目の2万2000円に近づいたことやこの
ところの連騰で高値警戒感も高まり11時前には一時マイナス圏突入しま
した。午後は持ち直す場面もありましたが2時過ぎにマイナスに突入後は
下げ幅を広げました。

結局10月は最初の取引となった2日から24日まで値下がりした日が一日
もないという稀に見る状況でしたが、流石に記録的な連騰による高値警
戒感もありひとまず連騰には終止符が打たれました。もっとも市場関係者
の先高期待はまだ健在のようで年内上値余地はまだまだ残っていると言
う見方に変わりはないようです。

不祥事が発覚した日産自動車や神戸製鋼を除けば多くの銘柄がこの連
騰中上昇しました。しかしこの2銘柄以外でも上昇相場に乗り遅れた銘柄
がいくつかあります。その銘柄に共通する原因がとある企業の存在です。
今や飛ぶ鳥も落とす勢いであらゆる分野の小売業を駆逐する存在となっ
たアマゾンです。

米国の家電やおもちゃなどの量販店の不振は既に日本にも伝えられて
いますが、先月には日本でも知名度の高いおもちゃチェーン店のトイザ
ラすが破綻しました。ベストバイなどの家電量販店や総合小売のシアー
ズの大量店舗閉鎖は日常的な出来事になりもはや大きなニュースになっ
ていまでんがその動きが様々な業種に今後波及しそうです。米国で起き
たことは日本でもタイムラグで起こるのがこれまでの流れです。

しかも日本では実店舗の小売業だけでなく日本で勝ち組とこれまで見ら
れていたEC企業にも危機は忍び寄っているようです。アマゾンの攻勢の
前に苦戦が予想されている主な企業の株価推移を見ればそれは分かり
ます。今月の2日から25日までの各社の株価パフォーマンスは次の通り
です。モノタロウ(プラス2%)、アスクル(マイナス4%)、スタートトゥデイ
(マイナス0.1%)、楽天(マイナス1%)

特にモノタロウとアスクルは既にアマゾンビジネスを開始すると言うニュ
ースで競争激化が懸念され9月に大きく下げていますから株主にはより
厳しい状況となっています。2社ともネットでのBtoBビジネスでは日本で
は数少ない勝ち組とこれまで市場では見られていました。スタートトゥデ
イはそれでも上場来高値近辺で踏ん張っているのは若者中心に知名度
の高いファッションのビジネスモデルを築き上げた優位性は流石のアマ
ゾンでも一朝一夕では追いつけないという判断なのしょうか。

楽天のモール型とアマゾンが自社で行うショッピング型との違いはあり
ますが楽天はアマゾンとまともに競合することで既に競争激化を市場は
織り込んで楽天の株価は2015年高値の半値まで下落しています。楽天
は自前のクレジットカード会員を増やし顧客の囲い込みでアマゾンに対
抗しようとしていますが、その戦略がどこまで通用するかです。

「全ての小売業者はアマゾンに駆逐される」と言う論調もあり米国では
多くの小売業がアマゾンの影に怯えています。そんな中でアマゾン・プ
ルーフ(耐性)企業が出てくる見込みはないのでしょうか。米国ではアス
レチック・フットウェア専門店のフット・ロッカーの健闘が光っているようで
す。高価なスニーカーはやはり触って履いてみて購入する顧客が多い
のでしょうか。リアル店舗もネット小売もアマゾンと差別化しなければ生
き残れないと言うことだけは確かなようです。
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決算プレイ本番

2017-10-25 06:48:34 | 日記
日経平均はついに16連騰で2万1800円台に乗せてきました。22日の
米国株は小幅安、円相場も113円前半と若干の円高、注目の総選挙
は自・公圧勝で前日は大幅高で15連騰達成しました。選挙後は下げ
る確率がこれまで高いという経験則とこれだけ条件が揃えば24日の
東京市場の連騰記録に黄色信号が点滅しても不思議ではありません
でした。

しかし一度勢いの付いた相場はなかなか下げないものです。海外投
資家の買いは依然続いていて24日には出遅れの目立つメガバンクや
商社株への買い注文が目立ったとの相場解説がありました。出遅れ
株にも買いが入ることにより相場の底上げが進み高値警戒感がある
にも拘わらず連騰記録を伸ばしています。

一方23日の決算を発表した安川電機は大幅増益だったにも拘わらず市
場の予想に届かなかったことと受注の先行きに懸念が出たことで150円
安(-3.6%)と下げ幅大きくなりました。省力化投資への需要は中長期
で見ても高まりそうですが、7月の決算発表からほとんど押し目なく上昇
してきた安川電機は決算発表が格好の利益確定売りを誘ったようです。
今後も先駆した銘柄には売り圧力が高まる一方出遅れ銘柄への循環
物色が続きそうです。

今後も好業績を先取りして大きく上昇した銘柄には市場予想を越えた
余程サプライズな決算でもない限り安川電機同様大幅増益でも下げる
銘柄は出てきそうです。決算発表で大きく値上がりする銘柄があるとし
たら株価が出遅れていて好業績を十分織り込んでいない銘柄か自社
株買いを発表するとか株主還元をする銘柄のどちらかです。

まあ業績予想よりも自社株買いを会社側が実施するかどうかを予想す
ることのほうが数段難しいことです。それだけに実際に自社株買いを発
表する銘柄は素直に大幅高する可能性は高いでしょう。自社株買い余
地が大きなキャッシュリッチな銘柄を事前に仕込むこともあるいは投資
作戦としてアリかも知れませんが、短期勝負としては余り賢い作戦では
ありません。

企業が内部留保を悪戯に溜め込みすぎることへの批判は政策当局から
の批判も強く余剰資金の使い道を明らかにしなければなりません。自社
株買いは短期的には株価へのインパクトは大きいものになります。海外
投資家の関心も高いキャッシュリッチの企業の投資妙味は続きそうです。
この先の高値を買える投資家は海外投資家以外見当たりません。彼ら
が買う銘柄に短期筋の提灯買いが加わりしばらくは堅調な展開が続く
かもしれません。
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