日立子会社の日立物流と佐川急便を翼下に持つSGホールディングスは
30日正式に資本・業務提携を発表しました。内容は既に経済紙が伝えた
ように日立グループが保有する日立物流株29%をSG側に売却する一方
日立物流が佐川郵便株の2割を引き受けて3年以内に日立物流と佐川急
便の経営統合を目指すというものです。日立物流は日立の連結子会社か
ら外れ持分適用会社となります。
日立は今年2月に東原敏昭社長が4月1日付でCEOに就任すると発表しま
した。東原体制の目玉は顧客に合わせて既存の事業を12のビジネスユニ
ットに再編するとです。具体的な内容は電力・エネルギー分野で「原子力、電
力、エネルギーソリューション」産業・水分野で「産業・流通、水」アーバン分野
で「ビルシステム、鉄道、アーバンソリューション、ディフェンシブ」金融・公共
ヘルスケア分野で「金融・公共・ヘルスケア」と定めビッグデータやAIを駆使し
顧客対応型のビジネス体制に改めるというものです。
日立の強みは本体や上場子会社を通じて幅広い事業を抱えていることで安
定した収益をあげられることです。しかし強みは弱点と背中合わせでもあり
ます。幅広事業を抱えていますが、売上高でトップ3にランクされている事業
はありません。ライバルである米国のGEや独シーメンスが航空機エンジンや
医療機器、鉄道分野でトップ事業を抱えています。日本を代表する重電大手
でありながら海外投資家の評価が低いのは選択と集中が不十分で業績を牽
引する主力事業が見当たらないからとの見方もあります。
日立は数年前にIT事業を展開している上場有力子会社を本体に取り込みま
した。しかし日立本体と相乗効果の薄い企業や効果を十分発揮できていない
上場子会社はまだ多くそれが市場評価が低い状態で放置されている原因で
す。投資家やアナリストからはHDDドライブ事業の売却や上場IT子会社を
本体に取り込むなど選択と集中が進んだ数年前と違って業績回復で最近は
改革が停滞気味だという指摘もあったようです。それが顕著に表れたのは
PBR1倍割れ(30日時点で0.86倍)という株価でした。
解散価値である1倍割れというのは市況産業ならともかくITを駆使するビジネ
スモデルを標榜する企業としては市場から経営陣に不信任を突き付けられた
にも等しいことです。この危機感が再び日立の背中を押し選択と集中を加速
させるのでしょうか。日立が標榜するITを駆使した社会イノベーションとは直
接関係の薄い上場子会社はまだあります。他社との統合や売却などを通じて
本体を相乗効果の薄い事業を切り離すなど再び「選択と集中」が今年進むの
か日立物流の案件が単発なら劇的な再評価は期待できません。しかし選択と
集中の初めの第一歩なら期待が出来そうです。日立にとって正念場の1年に
なるかもしれません。
30日正式に資本・業務提携を発表しました。内容は既に経済紙が伝えた
ように日立グループが保有する日立物流株29%をSG側に売却する一方
日立物流が佐川郵便株の2割を引き受けて3年以内に日立物流と佐川急
便の経営統合を目指すというものです。日立物流は日立の連結子会社か
ら外れ持分適用会社となります。
日立は今年2月に東原敏昭社長が4月1日付でCEOに就任すると発表しま
した。東原体制の目玉は顧客に合わせて既存の事業を12のビジネスユニ
ットに再編するとです。具体的な内容は電力・エネルギー分野で「原子力、電
力、エネルギーソリューション」産業・水分野で「産業・流通、水」アーバン分野
で「ビルシステム、鉄道、アーバンソリューション、ディフェンシブ」金融・公共
ヘルスケア分野で「金融・公共・ヘルスケア」と定めビッグデータやAIを駆使し
顧客対応型のビジネス体制に改めるというものです。
日立の強みは本体や上場子会社を通じて幅広い事業を抱えていることで安
定した収益をあげられることです。しかし強みは弱点と背中合わせでもあり
ます。幅広事業を抱えていますが、売上高でトップ3にランクされている事業
はありません。ライバルである米国のGEや独シーメンスが航空機エンジンや
医療機器、鉄道分野でトップ事業を抱えています。日本を代表する重電大手
でありながら海外投資家の評価が低いのは選択と集中が不十分で業績を牽
引する主力事業が見当たらないからとの見方もあります。
日立は数年前にIT事業を展開している上場有力子会社を本体に取り込みま
した。しかし日立本体と相乗効果の薄い企業や効果を十分発揮できていない
上場子会社はまだ多くそれが市場評価が低い状態で放置されている原因で
す。投資家やアナリストからはHDDドライブ事業の売却や上場IT子会社を
本体に取り込むなど選択と集中が進んだ数年前と違って業績回復で最近は
改革が停滞気味だという指摘もあったようです。それが顕著に表れたのは
PBR1倍割れ(30日時点で0.86倍)という株価でした。
解散価値である1倍割れというのは市況産業ならともかくITを駆使するビジネ
スモデルを標榜する企業としては市場から経営陣に不信任を突き付けられた
にも等しいことです。この危機感が再び日立の背中を押し選択と集中を加速
させるのでしょうか。日立が標榜するITを駆使した社会イノベーションとは直
接関係の薄い上場子会社はまだあります。他社との統合や売却などを通じて
本体を相乗効果の薄い事業を切り離すなど再び「選択と集中」が今年進むの
か日立物流の案件が単発なら劇的な再評価は期待できません。しかし選択と
集中の初めの第一歩なら期待が出来そうです。日立にとって正念場の1年に
なるかもしれません。