kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

値嵩株で掉尾の一振

2020-12-30 07:14:55 | 日記
一時は諦めかけていた2万7000円をとうとう29日に更新しました。掉尾の
一振が実現した瞬間でした。しかも午後からは一段と上げ幅を広げ2万
7500円も超えました。市場参加者が限られる状況で値嵩株の多くが値を
飛ばしました。今年は最後まで驚かされる相場でした。一方今年ほど選ぶ
業種、選ぶ銘柄によって明暗が分かれた年があったでしょうか。

日経平均が2万7000円台の乗せたにも拘らず半分以上の銘柄は1~2月の高
値を更新できていません。コロナの影響をもろに受けた9000番台の陸運や
空運は最後まで人気の圏外でした。一方海運と陸運の一部はレジャーや旅
行消費がコロナ禍で制限されたことでモノへの消費増で恩恵を受けました。

機械株や電機株の6000番台は世界の工場である中国経済の回復と自動化関
連の市場が拡大するという期待から上昇する銘柄と重電3社や家電(パナソ
ニック)はコロナショックで急落する前の水準を回復できないまま終わり
そうです。

7000番台の自動車銘柄ではトヨタやホンダやスズキの3社だけがコロナショ
ック前の高値を更新しましたが、上昇率は指数を下回りました。自動車銘柄
全般に言えることはCASE の進展で100年に一度と言われる大きな変革期と
言われています。

特に電動化は世界的な流れが強まる状況でどこが勝ち組として残れるのか混
沌としています。完成車メーカーよりも電動化で大きな恩恵を受けると思わ
れているデンソーが今月大きく上昇したのはそんな背景があるからでしょう。

精密業界もDXの流れが強まることで複写機を本業としているところが軒並み
不振でした。11月以降は反発していますが、売られ過ぎたの揺り戻りの域を
出ないようです。医療分野に強いオリンパスや島津が堅調な動きを続けてい
るのとは正反対です。

電子部品大手と言われる京セラ株が低迷しているのも売り上げ規模の大きい
複写機事業の不振が影響しているのでしょうか。電子部品大手でも村田製作
TDK、太陽誘電が11月以降大きく上昇した一方アルプスアルパインは全く人
気の圏外です。電子部品銘柄と言っても銘柄によって明暗が大きく分かれま
した。

任天堂や化学の信越化学、精密のHOYA、電機のソニー、キーエンスなど1万
円を値嵩株が根強い人気を保ち続けたのも今年後半の特徴でした。なかなか
個人投資家の多くが手を出しにくい値嵩株ばかりです。おそらく今年の投資
成績が良かった投資家と不人気銘柄ばかり抱えていて全く蚊帳の外の投資家
がいたようです。流石に今日は前日の上げ幅が大きすぎたこととNYダウが
下げたこと、それにここ数ヶ月何故か月末の最終売買日には大きく下げをこ
とが続いていただけに注意が必要かもしれません。

年内の更新も今日で最後です。来年は多くの投資家が恩恵を受ける相場であ
りますように。
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もう一つのシナリオ

2020-12-29 07:32:43 | 日記
トランプ大統領が(約93兆円)の新型コロナウイルス対策法案に署名
したことが伝わった週明け28日の東京市場は反発し大引けでは2万6800円
台に乗せました。最も下落銘柄数は上昇銘柄数の2倍で売買代金は2兆円を
下回り盛り上がりにかける展開でした。一部の値嵩株が指数を押し上げた
格好です。

結局11月の大幅高、先週まで12月は揉みあいの相場だったようです。12月
の市場は成長株から景気敏感株に物色対象が移りました。コンテナ市況が
高騰した海運銘柄やこれまで人気の圏外だった重機3社の上昇も目立ちまし
た。

川重や三菱重工は水素関連という包装紙をまとい、またIHIは防衛予算増額
で防衛関連というこれまで何度も囃されたテーマで物色対象になりました。
もっとも川重とIHIは今期無配に転落、三菱重工も大幅減配予定です。確か
に業績は今期が底で来期には回復が期待できるでしょうが、成長期待が高
まったという判断はできません。出遅れ物色の流れに乗ったというのが本
当のところでしょうか。

出遅れと言えばパナソニックも12月相場では堅調な値動きです。同業のソ
ニーにかなり水を業績も株価も差をつけられました。テスラ向けなどのEV
用電池を手掛けていることからテーマに乗ったのでしょうが、残念ながら
会社や市場が期待したほど車載電池事業は業績に貢献していません。出遅
れ銘柄の水準訂正が12月相場では流れだったようです。

既に市場は来年の相場見通しに関心が向いています。ワクチン接種が広が
り経済正常化が進み景気が本格回復する期待が高まっています。企業業績
の大幅回復もあり2021年の市場は一段高という予想が多いようです。もっ
とも市場は水物です。ワクチンの重大な副作用が顕在化することや変異し
たウィルスには効果が半減するなどのリスクがないとは言えません。

また日本ではコロナ終息に見込めず東京オリンピックが中止に追い込まれる。
またこれに関連して菅政権の内閣支持率が20%台まで低下して辞職に追い込
まれるという可能性もあるかもしれません。いずれも現状では確率の低いこ
とばかりですが多くの市場関係者が来年も上昇すると強気の見方が揃えば裏
目を考えたくなります。

結局相場はアマノジャクです。人が考えているとおりにはなかなか動いてく
れない。理屈では割り切れない、いわゆる「理外の理」で動くものであり、そ
れが「相場は生きもの」と言われる所以です。シナリオ通りなら誰も損するこ
とはありません。要するに予想はあくまで予想であり多くの投資家が強気に
なる時には冷静に市場の声をよく聞くことが大事になります。

年内に限ってはまだ音楽がなり続けているようですから株高は崩れそうもあ
りません。28日の米国市場は3指数揃って高値を更新しました。久しぶりに
GAFA銘柄が賑わったようです。東京市場でも値嵩株中心に買いが期待でき
明日の大納会までに2万7000円の大台乗せも期待できそうです。目先は順張り
しかし相場の変調が感じられたらいつでも降りる準備は忘れずにということ
のようです。
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メインシナリオは

2020-12-27 07:44:00 | 日記
激動の年だった2020年の取引もあと3日を残すのみとなりました。東京
市場は今月のメジャーSQ後は売買高も次第に減少に転じ先週は2兆円を
割り込む日もありました。週前半の21日、22日には午前中下げ幅を広げ
る場面があり日銀が2営業日連続で701億円ETFを買いました。

週後半は売りも一巡したのでしょうか。盛り返して週間ベースでは107円
の下落に止まりました。今月の物色の流れはそれまでの半導体関連や電子
部品などのハイテク銘柄の上値が重くなり変わって海運や造船重機銘柄な
どが賑わいました。もっともこれらの銘柄群が相場を引っ張る力はなく
個別株物色の域を出ませんでした。

さて年末年始の相場はどうなるのでしょうか。市場筋ではVIX指数が20台
前半で落ち着いていることから大きな波乱は考えづらいという見方が主流
のようです。もっとも市場が織り込んでいない悪材料が飛び出せば話は
別です。VIX指数が急上昇することでリスクオフが加速しさらにリスク資産
の売りが続く連鎖の発生もあり得ます。

特に大統領選挙を通過した後に世界の市場は金融緩和の長期化、財政支出
の拡大、コロナワクチンの実用化で急騰しただけに何かのキッカケで反動
安が起こりやすい状況です。ワクチンの接種拡大で経済の正常化が進む
しかし当面は世界の中央銀行は緩和姿勢を続けるといういいとこ取りの
シナリオで上昇しただけに僅かでもシナリオに狂いが生じると調整が入り
やすい状況です。

これだけ世界でコロナ感染者の拡大が止まらない状況でも市場が落ち着い
てここまで高値を維持してきただけで一抹の不安はあります。基本的には
年明け以降も相場の上昇が続くというのがメインシナリオですが、筋書き
のないドラマと言われる市場ですから何が起きても慌てない心構えは必要
です。

次回の更新は12月29日を予定しています。


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アリババvs中国政府

2020-12-25 07:59:39 | 日記
ハイテク株が物色されたと思ったら次の日には景気敏感株が上昇しハイ
テク株は下げるなど物色動向が定まらない年末相場になっています。
これだけコロナ感染者が世界中で増加しています。再びロックダウンに
追い込まれた欧州では10~12月期のGDP予想がプラス10%からマイナ
ス10%へと大きく低下しました。

それでも市場が比較的冷静なのは既にワクチン接種が始まっているから
です。感染力の強いウィルスが英国などで見つかったことで市場は一時
浮足立ちましたが、ウィルスが変異することはよくあることでおそらく
ワクチンの効果には問題がないというのが現時点での答えのようです。

21日、22日と日銀は701億円のETFを買い入れました。11月18日に買い
入れを実施して以来1ヶ月ほど買い入れはありませんでしたが今週2日続
けて買い入れたことは市場の現状を物語っています。海外投資のクリス
マス休暇入りで東京市場の売買代金も先週までの2兆円後半から2日連続
で2兆円割れしています。

信用買い残高は先週時点で2兆5032億円と今年の最高水準です。売買代
金が3兆円近くに膨らまなければ消化するのは難しいところです。今週
は日足チャートで陰線が多くなっているのは戻り売りを消化できなくて
下げ幅を広げる日や上げ幅が縮まる日が続いているからです。

人気化する銘柄も余り質の良くない銘柄が増えていることは手詰まり感
の象徴かもしれません。ここ2週間は米国株に比べて日本株の上値の重さ
が目立ちます。やはり海外投資家の買いが細っているのでしょうか。

Facebookやグーグルへの風当たりが強くなっていますがこのところ中国
当局からアリババへの締め付けが強まっています。政府のさじ加減が民
間企業の命運を握っている中国では時として政治の動きが大きなリスク
となります。

ネット通販で中国の個人消費市場を制覇したアリババはリアルのスーパー
や小口金融などに業容を広げ成長してきました。中国を代表するテック
企業になったアリババへの締め付けは今後も続くのでしょうか。アリバ
バの金融子会社アントグループは香港での上場が中国当局の意向で突然
延期に追い込まれました。

当局が民間金融分野への警戒心を高めていることは間違いないようです。
アリババの成長期待が大きく低下する懸念も市場では囁かれています。
24日の香港市場でアリババ株は8%の急落に見舞われました。事態の進展
次第で大株主でもありSBGの財務の柱でもあるアリババと政府の摩擦は
今後のSBGのビジネスへの影響が出る可能性もあります。

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中国が仕掛けるEV競争

2020-12-24 07:59:35 | 日記
どうやら2万7000円乗せは来年の宿題になりそうな雲行きです。むしろ
年末年始の状況は2万6000円割れから一段安も考えられます。それでも
調整一巡後はワクチン普及やその後の経済回復期待から高値更新は現時
点では変える必要はないかもしれません。

今年の物色の特徴はコロナ禍で巣籠り関連やDX関連それに中国景気の
回復から自動化関連銘柄それに環境関連でEV関連銘柄が主に人気化し
ました。もっとも一部の銘柄が集中的に買われたことで割高感も強く
なりました。数年先どころか5年先までの業績を織り込む銘柄もあった
のではないでしょうか。

2021年も折に触れて物色されることはあるでしょうが、高値を更新す
る銘柄は今年に比べ大きく減少しそうです。一過性のブームではなく
コロナ後も利益を大きく伸ばすことのできる企業は引き続いて人気化
しそうです。中には山高ければ谷深しというように調整幅の大きくな
る銘柄もあるでしょう。値惚れ買いには注意が必要です。

ワクチン接種が順調に進めば経済正常化を材料に景気敏感株中心に値
を戻すセクターも多くなるでしょう。しかしコロナ後も小売りはECの
比率はまだ増加するでしょう。一方エンタメなどオンラインではリア
ルのワクワク感が出せない分野では大きな回復が期待できるかもそれ
ません。いずれにしても2021年はまだウィズコロナ禍であり一本調子
で回復が持続することはないでしょう。関連銘柄の賞味期限には注意
が必要です。

コロナの前でも後でも潮流に変化のないのは車の電動化です。むしろ
2021年はEVを中心に電動化の波が政府の後押しもあり一層加速しそう
です。しかし課題は多く車両価格の高さがネックの一つです。補助金
目当ての販売増には限りがありどれだけコストダウンが進みガソリン
車の価格に近付けるかが課題です。

EV市場は引っ張ってきたのはここまでテスラを筆頭にEVベンチャー
でした。しかし世界の大手自動車メーカーは続々とEV市場に参入して
います。特に欧州や中国では厳しい燃費規制などもあり国策として国
を挙げて電動化を進めています。中国や欧州市場で販売を維持してい
くためには電動化比率を引き上げなければなりません。

既存のEV専業メーカーに大手メーカーが競争に加わることでEV市場は
多くなるでしょうが、優勝劣敗もはっきりするでしょう。中国がEV化
に大きく舵を切ったのは既存のガソリン車では現地メーカーは外資に
追いつけないという背景がありました。おそらく環境保護は後からの
付け足しです。

もし中国が環境重視の政策に大きく舵を取ったのなら発電分野や鉄鋼
など素材産業分野で脱化石燃料を進める筈です。しかし急な方向転換
は産業の競争力を低下させるという負の側面もありなかなか踏み切れ
ません。

外資メーカーが主導権を握ってきたガソリン車市場だからこそ自国の
メーカーへの影響も少なくまたEVで巻き返しが期待できるという発想
もあり大きく政策を変えたのです。コロナ後の中国自動車市場で大き
く販売を伸ばしたのは日本メーカーやVWだったことが何よりの証拠
です。
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