kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

好調だった9月相場

2017-09-29 14:47:43 | 日記
9月相場も終わってみれば月間で3.6%上昇と予想外の好結果でした。
しかも配当落ち分130円があった訳ですから出来過ぎといえるほどの
9月の成績でした。北朝鮮の相次ぐミサイル発射で緊張感が高まりオ
マケにトランプ大統領と北朝鮮外相との過激な発言の応酬で事態が
さらに悪化するとの懸念も一時高まりました。日本のマスコミも連日ニ
ュース番組でミサイル発射の映像が流れました。

地政学リスクの高まりから円相場が107円台に突入した8日には日経平
均も1万9274円まで下落し週明けには一段と円高・株安が進むと警戒さ
れました。しかし結果的には8日が円相場も株式市場も陰の極だったよう
でその後は110円台から一段と円安が進んだことが安心材料となり東京
市場は2万円を軽々越えて2015年6月の高値更新まで期待できる水準ま
で上昇して10月相場に期待を繋ぎました。

10月相場は22日の総選挙投票日、その後には四半期決算が始まります。
円相場が現状の112円台で推移しているのであれば輸出企業中心に通
期業績の上方修正ラッシュも期待できます。10月の共産党大会後に失速
不安も指摘された中国景気ですが、現在の見立ては今後の好調は続くと
いう見方に変わってきました。日本企業には中国景気に左右される企業
が少なくないだけにこれは朗報です。

もっとも9月相場が好調だっただけに好材料を先取りして上昇していると
いうも方もできます。好決算を先取りするように今後も上昇が続くと決算
発表前に息切れする懸念も出てきます。3月決算企業を占う意味では2月
決算企業の発表と株価の反応が参考になりそうです。

主なところでニトリは3~8月期の営業減益が嫌気されて28日には6.6%と
大きく下落しました。29日の今日も2%下落と下げ止まりせんでした。28日
に発表になったハイデイ日高は税引き利益が7%増加しましたが、通期業
績を据え置いたこと好材料出つくしとの見方から6.8%と大きな下げでした。
事前に好業績期待で株価が高い水準にある銘柄は失望売りや材料出つ
くしで大きく売られるケースが多いようです。

来月から始まる3月期決算企業でも同様のケースが出てくるのではないで
しょうか。好業績を先取りするように既に大きく上昇した銘柄には注意が必
要のようです。9月相場が予想以上に健闘し2015年の高値が意識される水
準まで上昇したことで10月相場は高値波乱もあるかも知れません。ここは
腹八分目での利益確定も場合によっては必要でしょう。「二日新甫は荒れ
る」とは古くから兜町に伝わるアノマリーですがさてどうなりますか。

30日、1日の更新はお休みします。
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小池劇場は小泉劇場の再現?

2017-09-29 06:01:34 | 日記
政界は総選挙ムード一色になってきました。ここへきて小池新党(希望の
党)に民進党が合流するなんてウルトラCが出てきて無風気味だった総選
挙も何やら自民VS希望とガチンコ勝負が濃厚になってきました。前原民進
党代表が英断だったのか暴挙だったのかいずれ答えは出るでしょう。また
今回の動きは25年前の日本新党が誕生して2ヵ月後の総選挙で勝利して
連立政権が誕生したことを彷彿させるとの見方もあるようです。

小池希望の党代表と前原民進党党首が日本新党で同じ釜の飯を食った
自民VS希望とガチンコ勝負間柄だったことが電撃的な合流話に繋がった
との観測も出ています。今週の一連の動きで永田町は騒がしくなったこと
だけは確かなようです。国民が安倍自民党政権の継続を選択するのか
あるいは大きな変革を希望するのか現時点では分かりません。

戦後自民党が下野したことは過去2回ありました。一度目は1992年の日本
新党を中心にした政権が誕生した時、そして二度目は2009年7月の衆議院
選挙で圧勝した民主党が政権を取った時です。

連立内閣を発足させた細川首相は国民福祉税構想の頓挫以降急速に求
心力を失い僅か8ヶ月という短命でした。日本新党も1992年の誕生から2年
半で解散という運命を辿ります。旧民主党が政権を担った3年間は時の首
相が3人も入れ替わるという迷走を演じた後、総選挙で安倍自民党に完敗
して歴史の幕を閉じました。過去二回の政権交代は国民が期待した結果
を出せることなくこともなく再び政権を自民党に奪取されました。

年初には安倍1強体制と言われ高い内閣支持率を背景に政権基盤は磐
石だと言われた安倍政権でしたが巨大与党の奢りなのか森友学園や加
計学園問題を巡って安倍首相との不透明な関係や現役官僚や自民党議
員の不祥事も重なり内閣支持率は急落しました。安倍政権の陰りがこの
政局に繋がったようです。

今度の選挙で国民が政権交代まで望んでいるのか、それとも安倍政権に
少しお灸をすえる程度なのか現時点では市場も消化難のようです。過去
二回の政権交代は旨くいかなかったこともあり今回はその経験から政権
交代まで望まない国民の意思が自民党の辛勝で止めるのかあるいは三
度目の政権交代を巻き起こすのかが注目されます。前原民進党代表が
「安倍政権を終わらせる」と発言はその後の受け皿をきちんと用意してい
るのでしょうか。旧民主党が政権を担った3年間の混乱をまだ国民とは忘
れてはいいないでしょう。
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ダイソンまで参入

2017-09-28 06:18:21 | 日記
日本でもすっかり有名になった英家電大手のダイソンがEV事業に参入
するというニュースが飛び込んできました。ダイソンといえば成熟商品で
低価格が進んでいた掃除機や扇風機で独自の機能とユニークなデザイ
ンで高品質・高価格の商品に変身させ売り上げを大きく伸ばした家電業
界の革命児です。

創業者のジェームズ・ダイソン氏がEV参入に向けバッテリーと車体の
設計・開発にそれぞれ10億ポンド(約1500億円)を投じるロンドン市内
で日本経済新などに明らかにしたそうです。早ければ2020年に初代モ
デルを投入することを目標としているようです。ダイソン氏はこれまで
養ってきたモーターやバッテリー技術がEVに活かせると考えているよ
うです。ヒットを連発してきたダイソンの次の商品が注目されましたが
まさかEVに参入するとは予想外の出来事です。

動力源がガソリンやディーゼル車などの内燃機関からモーターとバッテ
リーのEVになることにより部品点数は3万点から4割減少するとも言わ
れています。内燃機関のようにすりあわせ作業が不要になることに加え
部品点数の大幅な減少でサプライチェーンがコンパクトになり参入障壁
は格段に低下します。ひょっとしたら現在のパソコンやスマホのように水
平分業が大きく進むかもしれません。

水平分業が進めば完成車メーカーを頂点として多数の部品メーカーか
らなるピラミッド構造がよりフラットになることにより開発力や技術力の
ある部品企業の存在感は一段と高まるかもしれません。いずれにして
もバッテリーとモーターの組み合わせと言うシンプルな構造のEV開発
の壁は格段に低くなり今後も異業種からの参入は増えそうです。

一方すり合わせ技術がものを言う内燃機関から電動化すると既存の完
成車メーカーの優位性は低下するとも言われています。新規参入が多
ければ競争も激化します。現在の利益率を保つことも難しくなるとの指摘
もあります。既存の完成車メーカーには新たな競争の舞台に対応する
必要があり現在の勢力図が劇的に変わる可能性もありそうです。

また重いバッテリーを乗せることから航続距離に難点のあるEV車は今
よりも一層車体の軽量化が必要だという見方が多いようです。鉄からア
ルミや炭素繊維や樹脂など軽量化に伴ない素材企業の競争も激化しそ
うです。案外素材メーカーの中に大きな恩恵を受ける企業が出てきそう
です。

もっとも家電製品と違って車は命を乗せています。動力源は変わっても
安全機能をないがしろにできる訳ではありません。既存の自動車メーカ
ーには安全面でまだまだ一日の長があります。自動車業界を巡って今
後勢力図に大きな変革が起こるでしょうが勝ち残れるのは老舗メーカー
か新規参入組みか答えが出るのは今しばらく後になりそうです。
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オールドエコノミー銘柄賞味期限は?

2017-09-27 06:44:33 | 日記
配当権利付き最終日にあたる26日の東京市場は海外市場で進んだ
円高株安の影響で終日水面下の展開でした。もっとも大引けの日経
平均は67円安と前日の上昇分(101円)に比べて小幅な下げに止まり
ました。市場では配当落ち分を埋めるための再投資を先回りする短期
筋の買いが小幅な下落に止まった要因との指摘があるようです。

機関投資家は一般的には「配当再投資」に伴いまず先に先物を買い
建て実際に配当金が入金されたら先物を売って現物を買いつける取
引を行うようです。もっとも権利落ち分の再投資は数日で終わってしま
うためにその先の相場の行方はやはり企業業績や外部環境次第とい
うことになります。

米国ではアイフォーン8の販売の出足が鈍いと言う観測からアップル株
が高値から10%下落する場面もありました。今後も売りが続くのかそれ
とも調整局面は終盤戦なのか。アップルだけでなく日本や台湾のアイフ
ォーン向け部品を手がけている企業の下落も目立ちます。これらの銘柄
は年初から2~3割上昇した銘柄も多かったために利益確定売りが出や
すかったのかもしれません。いずれにしてもアイフォーンの売れ行きが
どうなるのか関連銘柄の今後の株価を左右しそうです。

アップルだけでなくフェースブックやグーグルの親会社のABCやアマゾン
などの大型ハイテク銘柄は8月までの活況が嘘のような今月の動きです。
大型ハイテク銘柄は高成長期待から軒並み高PER銘柄がほとんどです。
FRBが資産縮小を決め実際に資産縮小が始まるとそれまで金余りの環
境で株価上昇が目立った大型ハイテク銘柄から資金が流出するとの不
安が根底にあるようです。

今月の米国株の上昇の立役者は資源エネルギーや金融銘柄といった所
謂オールドエコノミー銘柄です。東京市場もやはり米国株の写真相場とい
う側面は健在のようで、このところ値上がりの目立つ業種は石油や商社そ
れにメガバンクやトヨタなどの自動車銘柄です。夏場のハイテク人気の影
で不人気だった業種です。

人気銘柄は猫の目のように目まぐるしく入れ替わっています。ということは
現在の人気銘柄の上昇がこの先も続くとは限らないことを示しているのか
もしれません。商社や石油それに自動車などは配当利回りの高い銘柄が
多いのですが、それも今日の配当落ちで妙味は薄れてしまいます。ひょっ
としたら今日の配当落ちでこれらの銘柄の人気も一服するかもしれません。
10月も相場が上昇するとしても主役はまだ違う業種や銘柄になるかもしれ
ません。
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静かに幕を下ろす東芝劇場

2017-09-26 06:37:12 | 日記
東京市場は27日の配当権利落ちから実質的に10月相場に突入します。
今日は配当権利つき売買の最終日となります。NY市場は反落し円相
場は111円台へ東京市場に対しては外部環境は逆風ですが、配当権利
つき狙いの買いは一定の下支え要因となりそうです。市場推計では配当
落ち分は140円程度と推計されています。昨日までの11営業日で1100円
の棒上げだっただけに当日配当分を埋めての上昇は流石に荷が重いよ
うに思えます。配当落ちを境にスピード調整だって考えておくべきです。

これまで不人気だった自動車銘柄が戻す一方、化粧品銘柄やネット通販
の勝ち組と見られていたモノタロウやアスクルが大きく値を下げるなどこ
の上昇相場でも光と影の銘柄が目につきました。指数が上昇しているか
らといって蚊帳の外の銘柄を保有している投資家に取っては嬉しくも何と
もありません。2万円大台回復したからこそ銘柄によっては泣き笑いが大
きくなりそうです。

今年9月まで多くのメディアが取り上げたNo1銘柄は何と言っても東芝で
しょう。半導体子会社売却交渉がここまで長引くとは市場も予想外だった
でしょう。東芝は20日に取締役会を開催して半導体子会社東芝メモリの
売却先として「日米韓連合陣営」と契約を結ぶことを決めました。二転三
転した売却交渉はこれで決着がつくのでしょうか。

しかしWDが起こしている訴訟の行方は依然どんな結論が出るのか不明
なままです。WDがこのまま引き下がるとは思えません。訴訟とは別に新
たな対抗策に打って出ることも十分考えられます。また東芝の思惑通り来
年3月までに各国の独禁法審査が終わり債務超過を解消できるのか当初
の予定から大幅に売却交渉が遅れたために時間との戦いになりそうです。

もっとも株価は20日の売却先決定から冴えない展開が続き25日の終値は
20日に比べて4%弱値下がりしています。週足チャートを見てみると6月12
日の344円が一番天井、9月11日の338円が2番天井を形成しているように
見えます。今後単発的には賑わう場面もあるでしょうが、東芝劇場は幕を
下ろしそうです。

そういえば日曜日夜9時からTBSで放送されていたドラマは冠スポンサー
が東芝で東芝日曜劇場とネーミングされていました。不正会計問題で単独
スポンサーを降りた東芝でしたが株式市場でも主役の座を降りる日が近い
のかもしれません。上場維持を前提に考えると今後の東芝の株価は利益
のほとんどを稼いでいた半導体子会社が抜けた後の収益力がポイントにな
りそうです。
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