kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日本株に春の訪れは何時?

2017-02-28 08:22:54 | 日記
週明け27日の東京市場は終日軟調な展開でした。28日にトランプ
大統領の議会演説を控えていることもありリスク回避が鮮明だった
ようです。しかも先週から米国で金利低下が進み当面円安基調に
は戻らないとの見方も浮上し株価の重石になりました。

メガバンクや機械銘柄の下げが目立ち期待先行で買われたトラン
プ銘柄への手じまい売りも目立ちました。経済紙が伝えているよう
に日本経済を取り巻く環境は明るさを取り戻し悲観するような状況
ではありません。それでも海外マネーは日本株をスルーしています。

頼みの海外投資家は2月第2週に4週ぶりに1371億円の買い越しに
転じましたが、第3週には早くも763億円の売り越しを記録しました。
第4週の結果はまだ分かりませんが、先週の日経平均の軟調な展
開から考えると売り越しが続いた可能性が高そうです。年明け以降
円安の勢いが弱まると海外投資家は買い越しから売り越しに転じま
した。

2017年相場がスタートした時点では世界景気の回復を背景に日本
株に対する強気な見方も多く聞かれました。四半期決算を見る限り
日本企業の収益力は強くなっているとの見方でした。また投資尺度
で見る限り割高感の強くなった米国株、3月以降オランダ、フランスと
政治イベントが多く先行き不安な欧州市場に比べて安倍政権の安定
度も日本株の押し上げ要因になるとの見方も出ていました。

今月は米国株が連日高値更新を続ける中で出遅れが指摘される日
本株ですが、年明け以降海外投資家のスタンスは売買動向から推
察する限り割安感を手がかりとしての積極的に買ってきている気配
は感じられません。それは四半期決算の発表で日本企業の業績好
調が明らかになっても変わらなかったようです。彼らのがいをためら
う要因はどこにあるのでしょうか。

「米国第一」を掲げ法人税、所得税減税と規制緩和それにインフラ
投資の拡大を掲げるトランプ政策でもっともメリットを受ける対象は
米国企業であるという発想から米国株は割高と言われながら上昇
が続いています。米国経済がさらに良くなれば日本企業にも恩恵が
及ぶはずですが、保護主義を強めるトランプ政権の政策がプラス面
を打ち消しています。

中長期ではともかく短期的にはマネーは勢いのある市場に流れてい
きます。現状ではマネーは好調な米国株に集まり日本株に循環して
いません。皮肉な言い方になりますが、日本株が浮上するとすれば
米国株が下落して調整局面になり何かのキッカケで日本株の見直し
が起きることです。まだ東京市場に本格的な春の訪れは感じられま
せん。



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トランプ大統領議会演説

2017-02-27 07:48:47 | 日記
今週の注目点は何と言っても28日に行われるトランプ大統領の
議会演説でしょうか。NY市場の11連騰の始まりはトランプ大統
領が9日に「今後2、3週間で税に関して驚くべき発表がある」
という発言で大幅減税に対する期待が市場で高まったからです。

28日の議会演説でどんな内容になるのか市場の関心が高いの
も頷けます。内容次第では材料出尽くし、あるいは期待はずれ
というネガティブな反応になり期待感で大きく上昇していたNY市
場が一気に調整局面入りするということも考えられます。

勿論本当に市場がびっくりするような内容でさらに一段高する可
能性も否定できません。しかしダウ平均は11連騰と30年ぶりの
記録を伸ばし11日連続で史上最高値を更新し続けている訳で
すから好材料をかなり織り込んでいる可能性が高く発表後一段
高するというハードルは相当高いと考えるべきです。

NY市場が調整すれば東京市場もこれまでの1万9000円前半で
の膠着状態から下抜けて1万9000円割れという可能性が高くな
ります。頼みの為替相場の円安トレンド再開はまだ見通しがつ
かず3月決算末を控えて国内の法人からの決算対策売りは3月
上旬まで続き低迷が長引くことも考えられます。

下値では日銀のETFや年金や個人投資家の押し目買いが期待
できるでしょうが、短期的には下値を支えることは難しいかもしれ
ません。もっとも相場はリズムです。調整後には多くの場合新ら
しい上昇相場がスタートするケースが多かったようです。米国株
に向かっていたマネーが分散することで日本株にも良い結果が
出るかもしれません。

日本株が浮上するにはあくまでトランプ大統領の政策でこれ以上
混乱が広がらないという条件がつきます。旨く事が運べばGWに
向かっての株高も夢ではありません。もっとも米国大統領の支持
率はこの時期としては異例の低さです。大統領が支持率回復の
ために移民政策や国境調整税などで現実路線に転じれば最良の
結果になるでしょうが、あくまでも自説を曲げず強硬路線を突っ走
れば様々な負の影響が避けられません。

トランプ政策期待で高揚している米国市場がどんな結末を見せる
のかアベノミクス相場絶頂期と違って日本株に際立った強さが見
られない日本株に取っては米国株の影響は無視できません。今
週からメジャーSQのある3月10日にかけて緊張感が高まる相場に
なるかも知れません。議会演説は当面の相場を占うポイントにな
りそうです。
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食品業界の再編は始まったばかり

2017-02-24 16:44:36 | 日記
24日の東京市場合併観測が伝わった森永製菓と森永乳業や業績
好調が伝わったLINEが売買を伴い上昇する一方、米国でのインフ
ラ投資の恩恵が後ずれすることを嫌気したコマツや日立建機や太
平洋セメントや住友鉱山や三菱マテリアルなどの機械・素材関連
銘柄の下げが目立ちました。

森永乳業やLINEの上昇率が高かったのは二銘柄とも年初の高値
から下げ続け安値圏に株価が低迷したことが大きかったようです。
一方機械や非鉄金属銘柄などはトランプ大統領の大規模なインフ
ラ投資で恩恵を受けると期待感から11月以降大きく上昇し足元の
株価も比較的高値圏にあったことから売りが出やすかったようです。

森永製菓と森永乳業は兄弟会社でもともと一つの会社でした。多く
の業界で再編が起きるなかで食品業界の大型再編は同業の明治
製菓と明治乳業が2009年に経営統合して以来無風状態でした。
2016年に久しぶりにハム大手の伊藤ハムと米久が経営統合しまし
たが海の向こうの米国では何兆円規模という大型再編が食品業界
でも起きています。

食品業界でも再編のうねりは確実に起きているようです。乳業業界
ではここ数年機能性ヨーグルトがヒットし各社の業績は好調でした。
製菓業界でもチョコレートやアイスクリームなどの消費が伸び同じく
好業績を挙げています。しかし国内市場は人口減少から今後売り上
げを伸ばしていくのは至難の技です。

ヨーグルトやアイス、チョコの売り上げが当面は好調でも将来的に
右肩上がりで伸び続けるとは思えません。やはり新興国などの海
外に成長を求めるのは経営者なら当然の考えです。森永製菓。乳
業の経営統合は必然でありむしろ遅すぎたくらいです。統合報道で
両社の株価は値上がりしましたが、実際に統合に進めば統合比率
などで株価はまた少し違った動きになるかも知れません。国内産業
の代表だった食品業界もグローバル化は待ったなしのようです。

25日26日の更新はお休みします。
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経験則は春の株高というが

2017-02-24 08:23:49 | 日記
順調に高値を更新するNY市場を横目に東京市場は膠着状態から
なかなか脱出できません。2部市場やジャスダック指数が連日高値
を更新して活況なのも1部市場の主力銘柄の値動きが鈍いからです。
2部市場や新興市場に上場している銘柄は内需銘柄が多く為替相
場に左右され難く業績の裏づけもありエネルギー不足の現在の市
場では有利なのは確かなようです。

国内機関投資家は決算期末を迎え売り越し基調を続けています。
個人投資家も目先の利く投資家は主力銘柄を避け少ない資金で
値幅が取り易い新興市場に関心を持つのは当然です。個人投資
家の売買比率が高い新興市場が活況で1部市場が膠着状態を抜
け出せないのも海外投資家の動きが鈍いからです。

年明け以降東京市場は下値1万8800円、上値1万9500円のレンジ
相場を続けています。経験則からはいずれ上か下に揉み合いを
放れることになります。揉み合いで溜まったエネルギーが上に放
れれば2万円を越える可能性は高くなります。一方下方向だと1万
8000円近辺までの下げも想定されます。

2万円乗せの鍵を握っているのはやはりトランプ大統領の言動で
しょうか。今ひとつ日本株が波に乗れないのは大統領の円安批
判や貿易不均衡を問題視する行方がどう決着するか不明だから
です。上場企業に占める輸出割合の高い東京市場はどうしても
為替や通商問題を避けることは出来ません。

輸入税を巡っては米国企業の対応は小売業中心に反対が多く
製造業は輸出促進に繋がることから賛成が多数を占めています。
決して米国の産業界が一枚岩になっている訳ではありません。
本当に輸入税が導入されれば輸入品の値上がりを引き起こし
困るのは米国の消費者だという見方があります。

また輸入税をかけられた相手国は対抗上米国製品に関税を引き
上げることもあるでしょう。そもそも米国が輸入している繊維製品
やおもちゃなどの雑貨類は米国でほとんど生産していません。人
件費の高い米国で付加価値の低い商品の米国生産が現実問題
として出来るのか疑問です。

輸入税をかけても米国の雇用は増えず製品だけが値上がりすれ
ば米国経済に取っても米国民に取っても良いことは一つもありま
せん。Made in America政策も行き過ぎれば弊害が多くなります。
それでも異端なトランプ大統領の思考回路を変えるのは容易い
ことではないようです。

米国第一主義を推し進める限り米国株独歩高の構図に変化は
出てこないのかも知れません。現在は順番待ちの日本株ですが
何時その時は来るのでしょうか。経験則からは春の株高を指摘
する市場関係者もいますが、今ひとつ確信が持てないというの
が投資家の本音かもしれません。
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楽天三木谷社長に物申す

2017-02-23 07:54:06 | 日記
22日の東京市場で楽天株は大きく上昇しました。21日に上限1000億円
1200万株の自社株買いを発表したことを好感した買いが上昇の要因で
す。取得株式数の上限は自社株を除く発行済み株式数の8.4%に相当
する額になりかなり大規模な株主還元になります。

三木谷社長は「足元の株価は割安で、我々の想定する企業価値と大き
な開きがある」と発言しているようです。確かに楽天株は2015年4月の
高値2395円に対して大規模な自社株買いを好感して上昇した22日の終
値は1129円と高値時の半分以下の水準まで下げ市況環境によっては
1000円割れの可能性さえありました。

もっともここまで楽天株が下げ続けたのは前期まで2期連続で大幅な
減益に陥りました。今後もEC業界はアマゾン、ヤフーなどとの競争激
化が予想されます。これまで国内のEC市場を牽引し高い成長を続け
ていた楽天への成長期待がこのところ薄れてきているようです。

楽天はアベノミクス相場に乗り株価が高値圏で推移していた2015年6月
に総額1800億円弱の公募増資に踏み切りました。大規模な資金調達で
高成長を期待されました。ところが増資に踏み切った年から2期連続で
減益という結果でしたから投資家からの信頼を失うことになりました。

当時の公募価格は1905円でした。公募を引き受けた投資家はまだ保
有しているとすれば22日現在でおよそ4割程度の値下がりになってい
ます。公募を引き受けた投資家の中には2000円程度まで上昇する場
面があり旨く逃げ切った人達もいたでしょうが、塩漬けになっている投
資家もかなりいるのではないでしょうか。

株価が割安と言っていますが2期連続で減益決算になり市場から失望
を招いた三木谷社長の責任です。そもそも今1000億円もの大規模な自
社株買いに踏み切れるなら2年前の増資が本当に必要だったのかとい
う疑問も浮かび上がります。今日付けの経済紙も資本政策に対するち
ぐはぐさを指摘しています。

結果的に株価が高いところで増資、公募価格から4割超も下げた時点
で大規模な自社株買いをするというのは投資家からすれば食い逃げと
いわれても仕方ありません。とても積極的な株主還元という評価を下す
ケースではありません。

今回の大規模な自社株買発表も今期業績回復見通しを発表後も一向
に下げ止まらない株価に危機感を持ったからでしょうか。楽天はここ数
年巨額な海外M&Aを立て続けに行ってきました。211年に電子書籍の
Koboを236億円で買収したのを皮切りに14年には無料対話アプリのバ
イバーを900億円、会員制モールのベーツを1000億円で買収しました。

15年には電子図書館プラットフォームの世界最大手オーバードライブを
500億円で買収と矢継ぎ早に買収を繰り返しました。数年前三木谷社長
は海外売上高比率を現状の10%代半ばから50%に引き上げたいとイン
タビューで答えていました。勿論国内市場だけに拘っていればいずれ
成長は止まります。方向性は正しいのでしょうが本業のEC事業と買収
した数々の事業とどれ程相乗効果があったのでしょうか。結果が出てい
ないので目論見通り進んでいないようです。

株価を上げるためにはやはり本業を中心とした成長を数字で示すこと
です。成長企業ならいくら株価が割安であってもやるべきことは資金を
成長投資に振り向けることです。決して1000億円もの巨額な資金を自
社株買いに振り向けることではありません。22日も株価が伸び悩んだ
のは今期は大幅に回復するという会社見通しが額面どおり受け取れな
いという市場の不安を示しているようです。
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