kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

変われる企業だけが生き残る

2018-04-28 08:07:04 | 日記
何とか日経平均は2万2000円台中盤まで戻してきました。4月は
3か月ぶりに月間で1013円上昇とかなり健闘したのではないでし
ょうか。3月末の配当前後には2万円割れもと警戒していたこと
を考えればここまでよく戻したということでしょうか。

もっとも4月の1日当たり売買代金は2兆4400億円で前月よりも
8%少ない水準です。決算発表を受けて活発になった個別物色
で27日は久しぶりに3兆3,000億円弱と膨らみましたが、5月以
降も3兆円の水準を保てるかどうかが2万3000円回復の条件に
なりそうです。

4月の投資主体別売買動向によると個人投資家も含め国内投資
家はすべて売り越しを継続しています。自社株買いを発表す
る企業も増えてきましたから今後は事業法人の買いはある程度
期待できそうですが、やはりカギは海外投資家の買いが一段と
膨らむかがポイントになりそうです。

その海外投資家が重要視する為替相場は北朝鮮リスクの大幅な
後退や米中貿易戦争の鎮静化それに米国の長期金利の上昇で
109円台まで円安が現状では進みました。日本株に対しての悲
観的な見方からヘッジファンド勢による先物の売りの買戻しが
4月株高の大きな要因です。

もっとも先物の買戻しがある程度進めば割安感の後退もあり
次第に買戻しのペースは鈍くなるでしょう。海外投資家でも
長期資金を運用する投資家が市場に戻ってくるかどうかが
カギを握りそうです。海外投資家が注目する2019年3月期の
企業業績見通しは同じ業種の中でも明暗が出ています。

半導体製造装置業界では増益を予想する東京エレクトロンや
アドバンテストに対してディスコは減益予想です。また日本
を代表する建機ではコマツが増益予想、日立建機が減益予想
ロボット関連では安川電機は増益予想、ファナックはまさか
の二桁減益予想、電子部品銘柄でも村田製作所や京セラは
増益予想、アルプスなどは減益予想とまだら模様です。

特に半導体製造装置やロボットそれに電子部品業界は日本企
業の競争力が強くしかも高収益企業が多数あることから不安
は否めません。期初に渋めの会社予想を出す企業もあるよう
ですから悲観一色と言う訳ではありませんが、業績不振がス
マホ業界の成長鈍化という一時的な要因ではない企業もあり
ます。

一つの製品一つのサービスが未来永劫当該企業の業績を支え
る事はできません。爆発的に伸びた分野もいずれ成長鈍化や
衰退の道を歩むのはこれまでの歴史が証明しています。PC
全盛時には業界で巨人と言われたインテルとマイクロソフト
も成長鈍化とは無縁ではありませんでした。

しかしウィンテルと言われた2社もインテルはデータセンター
向けサーバー用CPUが収益の柱となって復活しています。
マイクロソフトもクラウドサービスで首位のアマゾンを急追
しています。新たな収益源を見つけられた企業は成長を取り
戻す一方、米国を代表する企業でもGEやIBMのようにもが
き続けている企業もあります。

一度は負け組となっても産業構造を変え復活する企業が1社で
も多く日本でも出てくれば自然と世界からマネーは集まって
来ます。いつまでも既存の事業にだけしがみ付いていてはい
ずれ市場からの評価を失います。

29、30日の更新はお休みします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明のヤマト、暗のプレナス

2018-04-26 06:20:40 | 日記
25日の東京市場でヤマトホールディングスが1月高値を3か月振り
に更新して年初来の高値を更新しました。過去数年は人気化しても
線香花火のように一時的な上昇で終わっていました。そんな株価に
変化が出てきたのが、年明け1月以降です。

キッカケはヤマトが10月から打ち出した宅急便料金の大幅な値上げ
です。値上げは個人向けだけでなく法人の大口取引の割引率を引き
下げる形で広範囲なものになりました。当初市場は値上げのニュー
スにも当初は株価の反応は芳しくありませんでした。

値上げの浸透を危ぶむ見方もあったのでしょうか。それとも値上げ
によるユーザー離れを心配したのでしょうか。流れが大きく変わっ
たのは1月中旬に2017年10~12月期は本業のもうけを示す連結営業
利益が前年同期比で8%増加し四半期決算では1年ぶりに営業黒字に
転換しました。このニュースが伝わると値上げの浸透が予想以上に
進んでいると好感して株価は上昇が本格化しました。

ネット通販の高成長でアマゾンやゾゾタウンの売り上げが大きく伸
びる一方、当初通販市場の成長が追い風とみられた宅急便最大手の
ヤマトの業績は低迷から抜け出せませんでした。宅急便の取り扱い
個数は伸びても人件費等の増加が圧迫して収益が低迷する豊作貧乏
状態だったのです。

値上げにより適正な価格が実現してようやくネット通販を支える黒
子の運送業にも恩恵が及ぶようになりました。空前の人手不足の状
況でドライバーの待遇改善を進めないと配送網の維持ができないこ
とがユーザー側の理解が深まったことが大きかったようです。

株価から判断すると値上げで企業価値が上がったヤマトが勝ち組な
ら値下げに追い込まれたプレナスは負け組ということなのでしょう
か。持ち帰り弁当の「ほっともっと」を展開するプレナスは主力商
品「のり弁当」の価格を5月から30~50円値下げし、300円で販売
すると発表しました。

人件費や原材料価格の上昇で本来は値上げしたいくらいなのでしょ
うが、中食市場は成長市場ですがコンビニなどとの競争激化から値
下げして顧客を引き留める方針に舵を切ったようです。値下げ以外
に有効な手段が見当たらないと市場から判断されたのでしょう。株
価はこのニュースが伝わってから低迷を続けています。

今後も高止まりする人件費それにコメや肉などの原材料費も下げる
可能性は余り期待できないかもしれません。本来は値下げでなく顧
客ニーズを取り入れて高くても買ってもらえる商品開発をしなけれ
ばなりません。企業側もその点は充分分かっているでしょう。値下
げという禁じ手を出さなければならないところに業界を取り巻く環
境の厳しさがあるのかもしれません。

※27日は用事のため一日不在です。
更新は28日にします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

円安だけでは不安

2018-04-25 06:19:23 | 日記
やはり円安は株価にとっては特効薬なのでしょうか。24日の東京
市場は108円台で推移した円安を好感して自動車や電機それに米
国の金利上昇で恩恵を受けるメガバンクや生・損保が牽引する形
での上昇でした。やはり主力銘柄の上昇は日経平均に大きなプラ
ス効果を与えるようです。

東京市場は3月26日に104円台に突入した円相場を嫌気して輸出関
連銘柄中心に主力銘柄は売り込まれました。このまま円高基調が
続けば2018年度の想定為替レートを100円或いは105円に設定する
輸出企業のガイダンスリスクが警戒されました。1か月前の相場の
先行きは不安いっぱいでした。

トランプ大統領からの円安誘導批判も心配された先週の日米首脳
会談が大きな波乱なく終わり、北朝鮮リスクも一段と後退しまし
た。そのタイミングで米国長期金利が3%目前まで上昇したことか
ら円相場は104円台を底にして108円台まで戻しました。不思議な
ことに円安への好材料が一つ出てくると次から次に支援材料が出
てきます。

堅調な展開だった24日の東京市場ですが、売買代金は値動きの割
に膨らみませんでした。2万2000円台中盤から後半にかけての累
積売買高はかなり厚いというのが以前から指摘されています。一
時2万2300円を越えた24日でも売買代金は2兆4000億円弱と膨ら
んでいる訳ではありません。

やはり売買代金が3兆円程度まで膨らまないと2万3000円は見えて
こないようです。今後の展開は先物の買戻しに加え長期投資家の
現物買いが加わるかどうかです。海外投資家は4月は買い越しに
転じたとはいえ買い越し額は低水準です。やはり先週から軟調な
展開を続けている米国株の動きも気になっているのでしょうか。

ゴールデンウィーク期間中は株高が続くというアノマリーが語ら
れた時期もありました。2017年は5月中旬まで堅調な展開でした。
反対に2016年はGW直前に高値を付け一気に調整ムードが強まり
ました。果たして2018年はどちらのケースになるのでしょうか。

今日の東京市場は米国株の大幅安から早速試練の時を迎えそうで
す。発表が本格化している米国企業の決算は総じて好調のようで
す。しかし事前の期待が高かったからでしょうか。決算発表を受
けての株価の反応は必ずしもいいものではありません。長期間に
わたる景気好調がそろそろ曲がり角に差し掛かるのではないのか
という漠然とした不安が底流にあるからでしょうか。

24日の米国市場では象徴するような動きがありました。世界最大
の建機メーカーであるキャタピラーの1~3月期決算は市場予想を
超える大幅な増益でした。しかしCEOが前期の四半期決算がピーク
との発言から株価は急落、市場全体も大きく下げました。キャタ
ピラーは景気敏感株の代名詞です。この動きは如何に市場は景気
の先行きに神経質になっている証かもしれません。

日本企業にとって円安は追い風ですが、世界の景気敏感株という
位置付けである日本株は世界の景気見通しが何よりも重要です。
多少円安に振れても世界景気が落ち込んでは数量減となり円安の
恩恵も打ち消されます。今後は円相場だけでなく米国株の動きも
最新の注意を払う必要がありそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーサイクルはどこへ

2018-04-24 06:30:26 | 日記
23日の東京市場は決算発表前の模様眺め気分が大きく閑散な相場
でした。20日のNY市場の下げはネガティブ材料、一方米国長期金
利が2.9%台の乗せたこともあり107円台後半の円安は好材料でし
たが、やや売り優勢で小幅に下落しました。

長期金利上昇でメガバンクや生・損保株が上昇した半面台湾の半
導体受託世界大手のTSMC決算の内容からiPhoneXの販
売低迷が改めて嫌気されアップル株の下落が東京市場の半導体関
連や電子部品銘柄の下落につながりました。

既にiPhoneXの販売不振は報道されていましたが、改めて
売り直されたことを考えると半導体関連銘柄や電子部品関連銘柄
の調整は長引くかもしれません。年初には半導体需要は数年で好
・不調の波を繰り返すサイクルから自動車分野やAI・Iot分
野の成長それに劇的に増えるデータ量からデータセンター需要も
加わり落ち込みは少ないという強気な見方も出ていました。

過剰な期待感から人気が沸騰しただけに僅かな悪材料にも敏感に
なっているようです。中長期でみれば尚も半導体関連業界の成長
は続くという見通しには変化はないようです。半導体関連銘柄は
景気敏感株という側面も持ち合わせていますから世界景気の行方
にも注意してみる必要はあります。一方日本の半導体ウエハや半
導体製造装置は国際競争力も強くいずれ需要のボトムがはっきり
すれば見直し買いは期待できます。

半導体産業の成長余地が大きいとすれば単なる景気敏感株よりも
有望な産業であることは明白です。投資家の期待がいったん後退
したところが案外買い場になるかもしれません。スーパーサイク
ルとは言えなくても自動運転の進展や今後も増え続けるデータ量
を処理するためには半導体は使われます。半導体産業が成熟産業
に陥った訳ではありません。

半導体市場が今後も成長するという見方に異論はないようです。
しかし見落としている重大な問題があるという指摘もあります。
それは中国の存在です。中国は産業の高度化を猛烈に進めてい
ます。これまでの労働集約的な産業から付加価値の高い高度な
技術を必要とする産業です。現在最も力を入れているのが半導体
産業です。

国の手厚い支援を支えに中国の半導体企業は巨額な設備投資を
進めています。生産能力の矯激な拡大で需給バランスが崩れて
半導体市場の悪化を不安視する見方も多いようです。太陽電池
や液晶パネルは既に中国メーカーの台頭で供給過剰に陥るケー
スも出ています。半導体産業のその二の舞になるという懸念を
払拭できるのかどうか。投資家は注意深く見守っているようで
す。

今日の東京市場は108円台まで進んだ円安と3%目前まで進んだ
米国の長期金利を好感して輸出関連銘柄や23日も上昇が目立っ
たメガバンクや生・損保株が物色されそうです。輸出関連や金
融銘柄は2月以降下げ続けていましたから投資環境の改善から
空売りの買戻しも期待できそうです。先週末から顕著になって
いるディフェンシブ売りの景気敏感株買いが続きそうです。
あり
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

気になるモルガンレポート

2018-04-23 05:54:08 | 日記
20日の東京市場は6連騰にはなりませんでしたが、下げも限定的
でした。先週の動きは注目の日米首脳会談で懸念していたほど悪
いニュースが出なかったことから先物中心に買戻しの動きが鮮明
になりました。このところの市場の動きを見る限り2、3月のよ
うな暗いムードは消えました。

需給面では海外投資家が4月第2週まで3週連続の買い越しにな
り例年通り市場に海外投資家の買いが戻ってきたことが市場に安
心感をもたらしたようです。もっとも3週間の合計額は2447億円
です。海外投資家が売り越しに転じた1月第4週以降の売り越し合
計額は2兆8000億円弱ですから買い戻したのは1割にも達してい
ません。

第3週は連日株価が上昇したことからももう少し額が膨らんでい
る可能性はありますが、戻り売り圧力が強まる2万2000円台から
が正念場になりそうです。先週から東京市場の戻りが加速したの
は海外投資家が1月第4週以降売り越した5兆3492億円の先物の買
戻しに拍車がかかったのが大きかったのかもしれません。

買戻しが終わった後、海外投資家がどう出るのかその時の経済状
況や国際情勢次第では一転買い越し基調を続けるかもしれません。
或いは再び売り姿勢を強めるかもしれません。海外投資家の先物
売買は現物売買と違って一旦方向性が出てくると大きくポジショ
ンを取ってきます。現物株の売買が低調でも短期的には先物売買
のさじ加減で方向性が出てくることもあります。

米大手証券のモルガン・スタンレーのレポートのように「米国の
景気サイクルの始まりよりは終わりに近いと分析している。」と
いう論調に従えば景気の半年先を読むとも言われている株式市場
の1月からの変調は一過性ではなく予兆だったという見方も成り
立ちます。

レポート通りに景気ピークアウトが近いとなれば景気敏感銘柄な
どは少なくとも押し目買いではなく戻り売りという投資行動が正
当化されます。大幅減税で成長率のかさ上げが期待される米国経
済ですがそれでも景気ピークアウトは確実に近づいているのでし
ょうか。

日米株とも2月以降の調整で割高感は後退しましたが、果たして
景気後退は杞憂に終わりまだまだ相場は上値を目指すのでしょう
か。現状ではモルガンのような悲観的な見解はまだ多くないよう
ですが。

しかし今年のこれまでの動きをみると予想外のことも多かったよ
うです。1強と言われた安倍政権の支持率が森友・加計問題、自
衛隊の日報問題などが重なり急落、9月の3選にも黄色信号が灯
りました。政局の安定は海外投資家が重要視する問題です。トラ
ンプ大統領がここまで強引に保護主義に突き進んだというのも
予想外です。

また北朝鮮が平昌オリンピック前から急激に対話路線に舵を切っ
て来たこととミサイル発射や核実験凍結を言い出したのも想定外
でした。相場見通しは現在考えられる材料を吟味して出します。
今年のように想定条件が大きく変わってくるようだと結論は全く
違ったものとなります。少数意見にも注意を払う必要は例年以上
に大きくなりそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする