東京市場は梅雨明けか？

昨日の上げで指数の上では１万円を目指す方向でしょうか
売買代金が膨らまないとか先物中心の買戻しで上昇してい
る側面は確かにあるでしょう。またギリシャ問題にしても
見切り発車的要素も拭いきれません。また福島原発の復旧
作業もトラブル続出で決して順調とは言い切れません。

しかし株価は全体的に底上げ基調です。ここは株価の先見性
を信じるしかないのかもしれません。ただし現在のところ相
場を引っ張るような銘柄が出てきてないのは事実です。全般
底上げ相場なので持ち株の評価損が減少したり含み益に転じ
たりしている銘柄が多いのですが、個別銘柄で沢山利が乗っ
ている銘柄があるかというと余り無いと思います。

ここ数日の相場は幅広銘柄が少しずつ値を上げているそんな
状況です。７月は日米とも四半期決算のシーズンに突入しま
す。上旬まではマクロ指標の数字に一喜一憂するでしょうが
中旬以降は個別銘柄の決算内容で一喜一憂の展開になります。
東京市場は自動車株中心に慎重な通期見通しを既に発表して
いますが、このところのサプライチェーンの予想以上の回復
から増額修正を打ち出してくるところが増えると相場全般に
好影響を与えます。

今日の東京市場はＮＹ高もあり続伸して始まるでしょうが日
米とも今週は急騰していますので、７月相場が堅調に推移す
るとしてもスピード調整が近々起こる可能性も考えながら引
き続いて高値を追いかけずじっくり押し目を待つ姿勢でいき
ます。

政治の停滞は国益を害する

今日のテレビ報道によると韓国が国を挙げて今度は自然
エネルギー産業を主力輸出産業として育成する方針のよ
うです。国内で自然エネルギー普及に欠かせないスマー
トグリッドの実証試験を行っている様子を伝えています。

スマートグリッドの中核部分をなす機器がスマートメー
ターです。使用電力を細かく制御するためにはどうして
も欠かせない機器です。スマートメーターで世界的なス
イスのランディスギアを買収したのが東芝です。

福島の原発事故以来、原発に注力していた東芝には逆風
が吹いていましたが、自然エネルギーの普及に欠かせな
いスマートグリッドの中核機器の世界的なメーカーを手
に入れたことはいずれ大きく評価される日が来るのでは
ないでしょうか。

もちろん今の相場で将来がいくら有望であってもなりふ
り構わず高値を追いかけて買うことは賢明な投資ではあ
りません。突っ込む場面があれば拾うという投資方針が
大切です。またいくらテーマ株といえども業績の裏付け
は必要です。業績動向をチェックする必要はいつの場合
も銘柄選びでは必要です。

さて今日の東京市場は米国株高を好感して100円超上昇し
て9780円まで上昇しましたが、その後は戻り売りもあり
伸び悩んでいます。先週は信用買い残高が600億円ほど
減少したように個人投資家の大部分は上昇した局面では
戻り売りを優先しているようです。

9800円手前は強弱感の分かれるとこです。ヤレヤレの売
りも多いのではないかと思います。先週の安値から500円
近く戻した訳ですから当然でしょう。もっとも日経平均が
上昇した割には個別銘柄の値上がりはあまり大きくはあり
ません。これも先物中心の戻りだから仕方ないのかもしれ
ません。明日以降多少の押しが入ってもここは我慢して
状況を見極めたいと思います。

個別銘柄で勝負

６月相場も残すところ今日入れても３営業日です。
現在日経平均は9699円（10時27分現在）で推移して
います。5月が9693円でしたから日経平均の6月の推
移は米国株安などで9300円台まで下落しましたが93
00円は割らず先週の大幅反発で揉み合い水準の9500
円から9600円の価格帯まで戻した格好になりました。

余程のアクシデントがない限り17日の9318円（終値）
を割ることは今月はないでしょう。前にも指摘しま
したが急落がないと買い出動ができないという思い
はまだあります。個人的には9100円くらいまでの下
げがあればチャンスかなと思い積極的に行動できた
でしょう。

不思議なもので一段安を恐れて静観していた銘柄に
限ってあっという間に戻しました。ホンダ、富士重
工、川崎重工とたたかれた銘柄ほどこの1週間で大き
く上昇しています。しかし日経平均の一段安を警戒し
ていたため安値圏で拾うことは出来ませんでした。

大手鉄鋼株にしてもチャート上は鍋底から反発局面
入りを示唆しているような形になっています。ギリ
シャ問題や世界的な景気動向の不透明感からなかな
か積極的に買いづらい状況が続いていますがひょっ
としたら7月上旬にかけて中間反騰があるのではな
いかと期待して昨日の引けにかけて下げ幅を広げた
トヨタなど数銘柄を拾いました。

信用買い残高の高水準なことや月初に発表される米
国の経済指標を見極めたいという気持はありますが
ここは多少リスクを取って臨みたいと思います。

特長を掴むのも大事

先週の東京市場の相場を引っ張った業種の代表は
自動車及び部品株です。しかし詳細に見ていくと
自動車株にも先行して買われる銘柄と最後に買わ
れる銘柄があります。

前者の銘柄は富士重工や日産が代表です。後者の
代表はトヨタです。昨年からトヨタが賑わうとこ
のグループは天井を打ちます。イメージ的には富
士重工や日産の株価が大きく上昇します。この時
点でトヨタの株価は連れ高の範疇です。そして先
行グループの株価が高値揉み合いになりトヨタ株
の急上昇が始まります。

ですからトヨタが本格上昇を始めたらもう新規で
富士重工や日産を買っても上値は知れています。
この時点ではもうトヨタしかありません。今回も
同じパターンが当てはまる確証はありませんが
無視できない法則です。

ですから先行グループの上昇の流れに乗れなかっ
たら頭を切り替えてトヨタの押し目を早いうちに
仕込むのも方法かと思います。これが過去１年半
自動車株をウオッチしている私の感想です。

今週の見通し

先週の大幅高の反動で今週はある程度の下げはあるで
しょう。２７日の東京市場はＮＹ市場安（１１５ドル）
もあり下落して始まりそうですが、既に大幅に値幅調
整をしていて安値圏にあり収益内容などが良好な銘柄
の下げは限定的なのでしょう。

外部環境のことを考えるとなかなか買い出動が出来な
い相場ですが、来期以降の見通しが明るい銘柄であれ
ば既に３割前後の安値圏にある銘柄はそれほど下値を
気にしないで済むのかもしれません。

不思議なもので押し目買いと取り上げた銘柄で実際に
買いそびれた銘柄ほどその後良く上昇します。反対に
これしかないと思って上値まで買いあがった銘柄に限
ってその後苦労する結果に終わる時が多いように思い
ます。

これからも安値を拾うという位の感じで買えばいいの
かもしれません。今週は銘柄を絞って下げる場面があ
れば少し買い増そうかと考えています。