kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

シャープ生き残りは時間との闘い

2015-11-30 07:45:07 | 日記
今週は週明けの火曜日からいよいよ師走相場がスタートです。1年は本当に
早いと最近はつくづく感じます。昨年の今頃は10月末のハロウィン緩和で東京
市場は暴騰中でした。それに加え12月の総選挙で自民圧勝の予想が大勢を
占めて12月8日には1万8030円という2014年の高値を付けました。

異次元の緩和で大幅に円安が進み自動車や電機といった輸出関連銘柄は再
び息を吹き返し相場のリード役として賑わいました。それからちょうど1年後の
現在は円相場が当時から1円弱円安の122円台後半ですが輸出主力銘柄に当
時の熱気はありません。株価が1年前よりも下落している銘柄もかなりあります。

今週の見通しでも円相場はECBの追加緩和や米国の利上げ予想から6月高値
125円86銭を試す展開との見方です。また株式市場も海外市場の堅調な展開を
支えに2万円回復を試す展開との見方がメインシナリオのようです。もっともこの
シナリオ通りの展開にならなかった時の反動にも備えは必要です。

個別銘柄に目を移すと大手電機の中でも極度の株価不振に陥っているのがシャ
ープと東芝です。両社にはアベノミクス効果も見られず会社設立以来の危機との
指摘もあります。特にシャープの場合この1、2年が会社存続の瀬戸際になるかも
しれません。ある記事によるとシャープの最近の状況は同じ関西家電大手で業績
が急激に悪化して解体吸収合併で消えた三洋電機の二の舞になるのではないか
と伝えています。

先週シャープ株は空売りの急増で日証金が貸借取引で売りの申し込み停止で
火が付き官民ファンドの産業革新機構が出資の条件として主力取引2行に債権
放棄を要請するとのニュースが伝わり24日には180円の高値を付けましたが市
場の見方は債権放棄には高いハードルが待ち構えていると指摘しているようで
す。短期筋が材料に飛びついたというのが急騰の背景のようです。その証拠に
アップルが2018年発売のスマホに液晶に代わり有機ELを採用するとのニュース
が伝わったこともありその後3営業日続落しました。結局実態面での厳しさには
勝てなかったということかもしれません。

実際にどこまで有機ELが液晶に置き換わるかはコストや耐久面での課題を克服
する必要があります。現時点ではアップルも解決すべき問題が多く全面的な切り
替えまでは表明していません。しかしJディスプレイやシャープにとって業界の標
準規格を事実上握ってきたアップルの方針転換は軽視できません。対抗上有機
ELの量産化の道筋を急ぐ必要があります。

シャープの経営再建のカギを握っているのは液晶事業だというのは共通認識で
す。しかし韓国勢にリードを許し中国企業の台頭という局面で経営再建中のシャ
ープに自力での研究開発投資がどこまで続けられるのでしょう。もうその体力は
シャープには残っていないかもしれません。最終的には中小型液晶事業も本体
から切り離して外部の資本を入れるしかシャープには選択肢が残ってないので
はないかもしれません。

シャープというブランドを残すには巨額な費用のかかる液晶事業から一刻でも
早く撤退しなければ本当に三洋電気のような末路を迎えるかもしれません。も
うそんなに残された時間はありません。今後は時間との戦いになりそうです。


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ソニー安の背景は?

2015-11-28 08:40:27 | 日記
最近の調査によると日本の機関投資家が今後組み入れ比率を引き上げたい
業種に自動車と電機が入りました。しかし期待とは裏腹に外需銘柄全体の値
動きは2万円近くまで日経平均が上昇しているのと比べてぱっとしません。

電子部品では出遅れ銘柄の太陽誘電や東光が今週高値を更新しましたがパ
ナソニックやソニーそれに日立製作所など主力銘柄の動きはぱっとしません。
このところ市場は主力の輸出関連銘柄を避け内需銘柄に人気が集まっていま
す。売買代金が2兆円弱の状態では大型株は敬遠されがちです。

特に海外投資に人気があるソニー株は日経平均がじりじり上昇しているにも拘
わらず10月26日の3568円の高値を付けて以来値下がりして今週は3264円で取
引を終えました。海外株高や円安で高く寄り付きますがその後伸びきれず売りが
増えるという展開が週後半には続きました。26日にはPS4が歴代最速の2年で
累計販売台数が3000万台を突破したとのニュースが伝わったにも拘らず好感し
た買いは続きませんでした。

人気離散の背景はどこにあるのでしょうか。該当する記事が出ている訳では
無いので想像の域を出ませんがこのところのユーロ安も原因なのかもしれま
せん。ECBの追加緩和が12月にも実施されそうなので為替市場では今週1ユ
ーロが130円を割り込む場面もありました。米国の利上げで1ドル1ユーロという
可能性も近い将来出てきました。

ユーロ円もそれに引っ張られて円がユーロに対して高くなり輸出採算が悪化
するとの観測も出てくるでしょう。ソニーは欧州での売上比率が2割を超えてい
ます。円高ユーロ安で輸出採算の悪化懸念が株価の足を引っ張っているので
しょうか。

東京市場は2万円目前と言っても一向に売買代金は膨らまず現物株の商いは
盛り上がりません。この上昇を支えているのが先物主導での短期マネーでは
2万台での厚い売買ゾーンを抜けるのは容易ではありません。個別銘柄では
日清紡のように中間決算発表から1ヶ月足らずで通期予想を大幅下方修正す
るなんて決算の信頼性に欠けるニュースも出て一時118円安の1441円まで売
り込まれました。

こんな短期間に大幅な業績下方修正をするというのは決算予想の信憑性を
疑われても仕方ありません。投資家は会社発表の何を信じて投資判断すれ
ばいいのでしょうか。「なんだかな!」先ごろ急死した阿藤さんのようなボヤキ
が聞こえてきます。

明日の更新はお休みします。



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中国に振り回された1年だった

2015-11-27 07:44:01 | 日記
昨日の記事によると大納会の鐘を鳴らすのは指揮者の佐渡裕氏に決まった
そうです。もうそんな話題が出る時期なのですね。今年も早いもので立ち合い
もあと1ヶ月を残すのみとなりました。2万円台で大納会を迎えるかどうかは見
方の分かれるところですが、中国ショックによる8月から9月にかけての下げか
ら考えればよくぞここまで回復したと考えるべきなのでしょう。

思い越せば1年を通じて株価の追い風になったのは訪日中国人観光客の爆買
いに象徴されるインバウンド消費が食品や化粧品や日用雑貨企業や百貨店や
ドラッグストアなどの小売り企業それに電鉄や空運、ホテルやレジャー産業の
銘柄です。今年の相場を語る上でインバウンド関連も含めた内需株の存在は欠
かせません。

インバウンド関連銘柄は上海市場の株式バブル崩壊や株安に端を発した中国
景気減速で訪日中国人観光客が減少するのでと一時懸念が広がりましたがそ
の後も勢いは衰えず懸念は杞憂に終わりました。訪日観光客数は2014年より
も500万人強増え1900万前後まで数字を伸ばしそうです。来年も伸び率は若干
今年よりも減少しそうですが引き続いて中国やアジア各国の所得水準の向上で
二桁の増加は期できそうです。

一方株価激震の発端となった中国経済の減速懸念はなかなか払拭できないよう
です。鉄鉱石スポット価格は今週安値を更新、非鉄の代表格で経済のバロメータ
である銅価格も底打ち反転には時間がかかりそうです。スポットコンテナ運賃も
前年同期比べて6割安といずれも明るい材料はありません。

訪日中国人観光客の爆買いが関連銘柄を押し上げ中国景気減速が中国関連
銘柄も含めて市場の足を引っ張っぱる構図は今年の相場の流れした。インバウ
ンド銘柄の予想以上の業績好調と外部環境の不透明感からマネーが内需銘柄
に集まったのは必然だったのかもしれません。この動きは来年も続くのでしょうか。

懸念を挙げるとすれば内需銘柄への業績への期待値が既にかなり高くなってい
ることです。PERが20倍台後半から30倍台前半の銘柄も多く中には40倍近い銘
柄もあります。市場平均が17倍近い水準から考えればそれだけ成長期待が大き
いのでしょう。それだけに8月のように何がしらかのショックが起これば大きく下落
する懸念はつきまといます。

インバウンド消費も結局のところ数の上では圧倒的に中国人観光客が主役の訳
で良くも悪くも今後も中国情勢からは目の離せない展開は続きそうです。化粧品
でも中国人観光客に人気の高い資生堂やコーセーは大きく売り上げを伸ばして
いる一方資生堂と化粧品市場でライバルだったカネボウの売り上げは低迷して
いるようです。口コミでの影響の大きい中国人の消費行動は指名買いで特定の
商品に集中する傾向があるようです。中国人受けしない商品は爆買いの対象か
ら外れてしまうようです。来年も中国景気や爆買いが新聞紙面を飾ることは変わ
らないようです。
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クリスマス休暇前の手仕舞い?

2015-11-26 08:09:33 | 日記
25日の東京市場は6営業日ぶりに下落しました。NY市場は小幅高でしたが円
相場がトルコによるロシア機撃墜でリスク回避の円高が進みこのところの上昇
で過熱感の強かった東京市場で売りが優勢でした。雇用統計の結果が予想外
の大幅改善で123円台後半まで進んだ円相場も122円台前半まで円高方向に
なり雇用統計発表前に戻ってしまいました。

大方の為替専門家の見方は12月の米国の利上げ決定で緩やかに円安が進む
とみているようです。もっともECBが12月にも追加緩和に踏み切るという見方か
ら円売りよりもユーロ売りの方が妙味があるという見方から短期筋中心に円へ
の関心は今のところ低いようです。一段とユーロ安が進んだ場合円も連れて安
くなるというおこぼれはあるかもしれません。

金融市場は12月利上げをほぼ織り込んだようですがFRBが金融政策の舵を
緩和から引き締めに変えることで今後市場にどんな影響が出てくるかはハッ
キリ言ってその時になってみないと分からいというのが真実でしょう。利上げ
でドル資金が米国に回帰するという大きな流れの中で変動の大きな新興国
経済への影響は果たして軽微なのかどうか。

2万円を目前にしても東京市場の一向に売買代金は膨らみません。この上昇を
支えているのは海外短期筋の先物買いというのは市場関係者の共通認識です。
2万円目前に迫った株価にも高揚感はみられません。それは売買代金が一向に
膨らまないからです。売買代金が低迷しているために物色対象も大型株を避け
て内需系の中小型銘柄が中心です。ファンドによる先物主導の相場だけに彼ら
が買いポジションを手じまう時に大きく下落する懸念はつきまといます。

その変化の時がメジャーSQの11日以前かそれとも16日、17日のFOMC前なの
かあるいはもう少し先まで続くのか。いずれにしても一旦クリスマス休暇前に何
らかの動きがありそうです。テクニカル指標からはいつ本格調整に突入しても不
思議ではありません。年内の日本株はファンド筋の行動が鍵を握っています。
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村上元代表強制調査

2015-11-26 07:30:55 | 日記
やはり出る杭は打たれる運命なのでしょうか。25日夕方に飛び込んできたニュ
ースにそんな感想を抱きました。旧村上ファンド代表の村上彰氏に株価操作の
疑いが強まり金融商品取引法違反の容疑で家宅捜査が入りました。記事による
と2014年に大手アパレル企業のTISホールデンング株を大量に空売りして株価
を下落させ利益を得た行為が株価操作の疑いにあたるというものです。

このニュースを聞いた時には海外のヘッジファンドは日常的に同様の取引を行っ
ているのではないかというものです。大量の空売りがどの程度を示しているのか
分かりませんが海外のヘッジファンドの取引もこの論理で言えば限りなくグレー
ゾーンの取引に思えますが海外投資家には甘い日本の当局なのかもしれません。
やはり物言う株主として昨年から行動を活発にしていた旧村上ファンドへ政官界
から圧力がかかったという穿った見方も出来ます。

不思議なのは過去に執行猶予つきの有罪判決を受けた村上氏がなぜ当局に目
を付けられるような空売り取引に手を染めたかです。これまで物言う株主として
名をはせた村上氏が空売り取引を行っていたという記事を見たことはありません。
その点は今後の捜査の進展で真相が分かるかもしれませんが。

先日も1980年代に兜町の風雲児として仕手集団の誠備グループ を率いた加藤
が相場操縦の容疑で逮捕されたばかりです。派手な活動は命取りになります。
旧村上ファンド勢による黒田電気に対する社外取締役選任要求などはライオン
の尻尾を踏んでしまったようです。黒田電気や三信電気、エクセル株など旧村上
ファンド銘柄には売りが殺到しそうです。
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