kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

10月相場を振り返って

2015-10-31 08:20:52 | 日記
10月末の日経平均は1万9083円でした。9月末が1万7388円でしたから1695円
上昇したことになります。配当落ち後の9月末の急落で不安一杯の下期相場ス
タートでしたが結果的には予想以上に早く大きく上昇しました。米国の利上げ
への不透明感や中国をはじめ新興国景気の先行き不安、月末にはFOMCや
日銀の会合を控え見送り要因には事欠かない状況でした。これらの材料を消
化するのに時間がかかりしばらくは1万8000円前後での揉み合いとの見方もあ
ましたが見事に良い方向に転びました。

個別銘柄では機械や素材産業中心に業績の悪化懸念から底値模索も予想さ
れましたが日足チャートは9月末の急落でダメ押しが入り一転反発に転じたこ
とを示しています。中旬に一旦調整した後月末に向かって二段上げを演じまし
た。この銘柄群の復調が無ければ日経平均はここまで戻すことはなかったで
しょう。

もっとも決算発表が進むに従い通期見通しを下方修正する企業が機械や素材
産業だけでなく電機や自動車部品株にも広がり今週の市場では個別銘柄では
大きく下落するケースが続出しました。日本企業の大幅増益期待という当初の
シナリオの若干の書き直しは避けられません。

前年同期に比べて18円の円安がだった上期に比べて下期は現状の120円前後
の円相場が継続すると仮定すれば円安の糊代はほぼなくなります。中国やアジ
アなどの景気が持ち直さないと下期の状況は厳しさを増すかもしれません。
何しろ日本株は夏まで大幅増益シナリオの元で欧米株のモタツキをしり目に
上昇基調が鮮明だっただけに少しでもシナリオ変更の影響は無視できません。

また春以降は四半期決算発表後しばらくすると弱含むという傾向がみられま
す。5月の時には比較的押しが浅くその後の6月高値へに向かって上昇トレン
ドを直ぐに取り戻しましたが第一四半期決算後の8月は中国発の世界的な株
安の洗礼を受けました。今後の展開が5月のケースを辿るよりも8月ケースに
近い可能性も考えられます。

今回の世界的な株価持ち直しを先導した米国株の行方も気になるところです。
例年のトレンドよりも1ヶ月ほど早い周期で株価が動いています。このまま1万
8000ドルを超えて今年の高値に挑戦できるのでしょうか。今回の世界的な株
高のリード役は米国だっただけに米国株の変調には注意が必要です。

10月高の反動で11月に株価が弱含む可能性も考えられます。クリスマスラリー
があるとしてもその前に一旦下げ局面を迎える可能性もあります。10月の延長
が11月も続く可能性も捨てきれませんがその確率は余り高くないように思えま
す。さて11月相場の行方はどうなるのでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

裏の裏は表ということか

2015-10-30 15:13:14 | 日記
事前の予想では日銀が追加緩和に踏み切れば大幅上昇、見送れば下落(ただし
事前の期待値が低下していたため)下げ幅は限定的という予想でした。では結果
は?昼休み発表になったのは見送りと大方の予想通りでした。午後の取引は緩
和見送りを受け午前中よりも下げ幅を広げ一時160円近く下げましたが一転急上
昇、円安株高が同時に進みました。

急激な上昇は日銀の会合結果ではなく政府が3兆円規模の補正予算を編成する
というニュースが午後のより直後に伝わったことでした。おそらく『補正予算』とい
うキーワードにシストレが反応したのかもしれません。日中チャートを見ればとて
も人間の手作業でついてゆけるような動きではありません。

空中戦のおかげも有り2ヶ月ぶりの1万9200円を回復する場面もあった10月相場
は終わりました。出来すぎというくらい大幅に反発した10月相場を受けて果たして
11月相場はどんな展開になるのでしょうか。日本経済の現状を考えれば3兆円の
補正予算は株価の支援材料になります。しかし今日の動きが11月に繋がるかど
うかは分かりません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

決算プレイは諸悪の根源?

2015-10-30 07:37:54 | 日記
相変わらず決算発表を材料に個別企業の株価乱高下が続いています。29日の
市場ではファナック株が減益幅を小幅に修正するという報道に続き翌日の決算
説明会で稲葉社長がアップル関連の受注が下期に期待できるという見通しを
受けて前日に続いて続伸しました。またコマツは同業の日立建機の利益半減
を受けて業績下方修正懸念がありましたが会社側が通期見通しを据え置いた
ことで安心感が広がり見直し買いで上昇しました。

一方14%と大幅下落だったのがスタンレー電気でした。スタンレーは第一四半
期決算発表時点では中国など新興国不振は北米市場の好調でカバーできると
会社側が発表していました。中国の自動車市場は減速が目立ちましたがスタン
レーの取引先の日系メーカーの販売は堅調を保ちしかも北米市場の好調は続
いていました。市場でもまさか通期業績を下方修正するとは14%という急落が
市場のネガティブサプライズの大きさを表しています。

また航空電子は9月中間決算は会社計画は通りでしたが市場予想を下回った
ことから売り物殺到で257円安まで売られました。もっともその後は売られ過ぎ
という見方から買い戻され下げ幅は64円まで縮小しました。ここまでの決算へ
の反応を俯瞰すると市場が警戒していた銘柄よりも下方修正への警戒感が少
ないと安心した銘柄の下げ幅が相対的に大きくなっているようです。

単純に増益だから買いとか減益だから売りというより図式ではなく市場予想に
比べて上か下かで株価の明暗が大きく分かれるようです。サプライズがあった
か否かで株価の反応が天と地ほど違ってきているようです。同じ好業績でも内
需系銘柄の反応は良く外需銘柄には先行き不安に焦点があたり好業績を好感
して素直に上昇する銘柄は僅かです。

そこには企業の将来性やROEの高さなどは度返しされます。決算という蓋を開
けてみなければ分からない事柄に一喜一憂する相場は本来の姿なのでしょうか。
決算プレイが盛んなこの時期は憂鬱な気持ちになることが多いのは私だけでし
ょうか。

9月下旬から始まった世界的な株価反発のリード役は米国株です。既に中国発
の世界的な下落が始まる前の8月初旬の水準を軽く超えています。東京市場は
8月初旬の水準を1600円ほど下回ったままです。そのリード役の米国株も節目
の1万8000ドルが目前です。PERは既に19倍を超えて割高な水準です。このまま
節目をすんなり越えられるのでしょうか。現状の日米の株式市場は米国が風邪
を引けば日本は肺炎を起こす状況です。

今日の東京市場は日銀が追加緩和に踏み切るかどうかその一点でしょうか。
市場予想は今回は見送りが大多数のようですが一部には昨年のハロウィン
緩和のインパクトが強く残りひょっとしたらという雰囲気も感じられます。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

這えば立て立てば歩めの親心

2015-10-29 07:11:07 | 日記
タイトルの諺の意味は
「生まれた子供が這うようになれば、親は早く立たないかと思い、立つように
なれば早く歩くようにならないかと思う。どんな親でも子供の成長を楽しみに
待ちかねているということから。」です。

想い越せば12年11月からスタートした上昇相場はもう少しで足掛け丸3年を
迎えます。当時日経平均2万円といったら遠い遠い夢のような世界でした。
ギリシャ問題や米国のQEの打ち切り、ロシアのウクライナ進行など海外か
らの株安要因もこの間いくつかありました。

それでも東京市場は6月に2万円を越えるまで振り返れば強気相場が続きま
した。100円を越えた円相場とともに自動車や電機銘柄など輸出関連銘柄が
大人気なりました。もっとも円相場は6月に125円台まで円安が進みましたが
2万円相場の主役はどちらかというと円安がデメリットと取られる食品や小売
銘柄でした。

その後東京市場は8月初旬まで2万円台をキープして堅調な展開を続けました
が大手電子部品メーカーや自動車銘柄の上値は重くなり既に旬を過ぎてしまい
内需系の出遅れ好業績銘柄をとっかえひっかえ物色されました。

勿論訪日中国人観光客に代表される爆買いのインパクトが大きかったのかもし
れませんが少なくとも円安頼みの輸出関連銘柄をポートフォリオの中心にすえ
た投資家の成績は芳しくなかったようです。相場を見る上で企業業績以上に流
れがどの業種に向いているのかがより重要なことだと今年ほど痛切に感じたこ
とはありませんでした。

ここ数年多くの銘柄が短期間に急激な値上がりをしたために個人投資家レベル
でも目先の利益を追う短期志向が強くなったようです。ETFでも指数に2倍連動
するようなレバレッジETFが個人投資家の人気を集めしばしば東証売買代金で
1位になることが珍しくなくなったことからも短期志向が強くなったと判断できるよ
うです。

本来なら時間の制約のない個人投資家レベルならタイトルの諺のように投資を
向き合うべきなのでしょうが短期志向が蔓延しているのはヘッジファンドや四半
期決算での短期勝負が定着した弊害なのかもしれません。短期志向の資金も
市場の潤滑油ですから全てを否定している訳ではありません。しかし短期資金
による乱高下が日常化すると良質な長期資金から敬遠され結局長期的には市
場の多様性を奪います。

タイトルのように株式投資は企業の将来性を買い成長を楽しみに中長期保有
という投資の原点です。本来の姿に立ち戻るような環境を作ることが大事です。
短期間に大量の株式を売買するようなシストレが市場を左右するよな市場は本
末転倒です。通期見通しを少し下方修正しただけで一日で1割前後も下げる相
場はやはり行き過ぎのように感じます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サードポイントに騙されるな

2015-10-28 10:41:10 | 日記
午前10時半現在の東京市場は前日比100円程上昇して1万8800円半ばで推移
しています。NY市場引け後に発表されたアップルの好決算で時間外で同社株
が上昇今日のNY市場上昇を先取る格好で日本株にも先回り買いが入っている
ようです。個別でも決算を受けファナックやソフトバンクなど指数に寄与度の高い
値嵩銘柄の一部が上昇しています。

一方業績下方修正を嫌気して日立金属や日立建機、日立化成などは日立グル
ープ各社やオムロンも値下がり上位に名を連ねています。主力銘柄ではキャノン
の値下がりも目立ちます。安川電機の決算が市場予想を上回り過度の中国景気
不安が後退したとの報道も先週末にはありましたが上記の銘柄の市場の反応を
みる限り決して中国景気の停滞を軽く見てはいけないとのいうことでしょう。

今日付けの経済に米ファンドのサードポイントが保有していたIHIとソフトバンク
を売却したことが明らかになりました。夏以降スズキやセブン&アイの保有が明
らかになり市場の追随買いで値上がりするケースが目立ちますが以前サード
ポイントが保有を明らかにした銘柄の多くは直後こそ上昇しますがいずれもその
後大きく下げています。

IHIやソフトバンクだけでなくファナックも結局提灯買いで値上がりしたところで
サード・ポイントに売り抜けられた格好です。物言う株主と知られるサード・ポイ
ントは企業との対話を通じて長期的な成長を企業に迫るというよりは値上がり
したらさっさと売り抜ける鞘取り投資家ではないでしょうか。短期間での銘柄の
売り買いがそれを物語っています。

同じ物言う株主としての旧村上ファンドの方が腰を据えた投資家のように感じ
ます。最近保有が明らかになったスズキもセブン&アイも物言う株主が登場
するほど経営が迷走している訳でもありません。サード・ポイントの保有判明
で上値を買い進んだ提灯筋が貧乏くじを引いたことになります。余程注意しな
いと踊らされてババを引くことになります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする