kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

不確実性

2022-06-30 04:39:11 | 日記
平年よりも1ヶ月も早くなった梅雨明け宣言、6月としては記録的な猛暑。その
影響で電力需給が逼迫し東京電力管内では今日も需給逼迫注意報が出される予
定です。西日本ではダムの貯水量が低くこの夏は水不足が深刻になりそうです。

エネルギー価格の高止まりやサプライチェーンの混乱で自動車生産が停滞し円
安にも拘わらず輸出が伸びず巨額な貿易赤字は継続しています。日米の金融政
策の違いもあり投機筋は円売りに安心感があるのでしょうか。137円台まで円
安が進行しました。

4月からの2ヶ月で20円という大幅な円安です。2021年は年間の円の変動幅が11円
ほどでした。膠着相場の後は大きな変動が起こるということなのでしょうか。
日本株はかつて円安は株高という方程式がありました。

米国市場の調整ということを割り引いてもこれだけ進んだ円安でも株価の浮揚効果
が限定的なのは日本経済の構造変化がもたらした結果なのかもしれません。自動車
の国内生産でも上海の都市封鎖の影響で部品供給が停滞し工場が止まりました。

ひたすら経済効率化を追求して生産を世界に広げた結果、サプライチェーンの混乱
が繰り返されるようになりました。自動車生産のように多くの部品を必要とする産
業は生産面でのリスクが高まっているように感じます。

FRBは7月に0.75%の利上げに踏み切るのはほぼ確実です。9月が0.5%になるのかど
うかは今後のCPIや雇用統計次第です。高インフレがどこまで続くのか、米国経済は
減速で済むのか、それともリセッションは避けられないのか。夏相場はこの猛暑到来
と同じくらい予測不可能です。
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お騒がせ東芝

2022-06-29 05:52:05 | 日記
27日東芝の株主総会が開催されました。物言う株主であるファンドから2名の社外
取り締まりとして承認されました。ファンド勢の意向が経営に反映しやすくなり株
式の非公開化が大きく前進するのでしょうか。総会後に開かれた取締役会で社外取
締役の綿引氏が辞任するという混乱もありました。物言う株主から推薦された取締
役2名への反対意見を持っていましたから、けじめをつけた格好なのでしょうか。

株主から「個人的には諸悪の根源はゼイジ氏と綱川氏だと思っている」という意見
が出たようですが、私も同感です。債務超過で上場廃止の危機にありうるさ型の海
外ファンドから巨額な資金を受け入れたことが未だに東芝が迷走から抜け出せない
原因です。

当時の経営最高責任者(CEO)は綱川氏です。彼が緊急事態とは言え再びCEOに
返り咲いたことで東芝の人材難は深刻だという印象を受けました。三井住友FGの
OBである車谷氏の招聘にも綱川氏は一枚嚙んでいたのでしょうか。その車谷氏も
ファンドの軋轢が解消されず物言う株主の声を不正な方法で封じたことが明らかに
なり辞任に追い込まれました。

綱川氏の二度目の登板時で会社分割案が二転三転した末に退任に追い込まれました。
多額な役員報酬も問題視されています。株価が上昇したことで報酬額が膨らみまし
たが、株価上昇は業績が飛躍的に伸びたのではなく非公開化への思惑で上昇したと
いうのが真実です。業績が伸びたことでの株価上昇ではなく思惑による上昇で役員
報酬が膨らんだという結果には釈然としません。

3月に社長兼最高経営責任者(CEO)を退任した綱川智氏は5億2300万円という金額
を従業員や株主はどう受け止めればいいのでしょうか。この1年間を見れば上昇して
いますが、2013年の高値をやっと超えた程度です。その間の日経平均や同業各社の
株価と比較すれば決してこの間の経営陣に合格点を与えられるような結果ではありま
せん。

15代の西田氏から佐々木氏、田中氏、室町氏、綱川氏、車谷、綱川そして島田氏に
経営者は繋いできました。西田氏は一時は経団連会長候補と言われた人物でしたが
米原発大手のウェッチングハウス社(WH)の巨額買収は結果的に東芝凋落のキッカ
ケになりました。

佐々木氏は西田氏との軋轢が指摘されたこともありました。WH社やPC事業の不正
会計で辞任しました。田中氏、室町氏も会社を救うことが出来ず外部から招へいした
車谷氏も大株主である外資ファンド勢との対立が命取りになりました。歴代の経営者
に恵まれなかったことが東芝迷走の大きな要因です。



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リード役不在

2022-06-28 04:39:50 | 日記
27日の米国株高の支援を受け2万7000円手前の2万6871円まで上昇して終わりました。
大幅反発の背景にあるのは米長期金利は23日に一時3.00%程度まで低下したことで成
長株の高いバリュエーションが許容されやすくなるという期待です。急激な金融引き
締めで景気悪化懸念から債券も株も同時に売られる局面から投資資金が債券市場に戻
ってきたことがグロース株の反発に繋がりました。

もっとも7月のCPIが再び高い数字になる可能性もありその場合再び金利上昇→グロー
ス株売りといういつか来た道に戻ることも考えられます。一方的な株価下落にひとまず
歯止めがかかったこと喜ばしいことですが、まだ投資家は半信半疑です。

金利上昇は峠を越えたのか、米国景気は大丈夫なのかが市場の先行きを決める大きな
材料です。今は落ち着いている中国のコロナ感染者が再び増加してロックダウンがまた
行われることがあるのか。株価がある程度回復して市場に安心ムードが出た時が一番
注意しなければならない時です。

まだ市場には警戒感を持つ投資家は多く、すぐに崩れることはないかもしれません。
もっとも市場の物色の流れは猫の目のように目まぐるしいようです。昨日はグロース
株上昇が目立った半面、経済再開銘柄の動きは芳しくありませんでした。

今月大きく崩れた海運、商社、エネルギー、重機株、半導体銘柄の27日反発しました
が、これまでの下落に比べれば戻りは鈍いままです。まだ売られ過ぎの反動での戻り
に過ぎないようです。本格回復に戻るには1か月後の決算発表で業績に陰りが無いこ
とを証明しなければなりません。今の相場はリード役が見当たらないところが戻りの
限界になりそうです。
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戻り相場どこまで

2022-06-27 05:37:17 | 日記
週末の米株の大幅高を受けて今日の東京市場は2万6800円前後で始まりそうです。
米10年債利回りは先々週に3.5%に迫る場面があったが、24日はおおむね3.1%台
前半で推移したことで長期金利が低下すると買われやすいハイテク株が大幅上昇
しました。

消費者の期待インフレ率の低下を示す米経済指標の発表もあり過度な金融引き締
めへの警戒感が後退しました。もっとも現状では7月の利上げは0.75%がメインシ
ナリオです。その後もインフレはピークを付けたとしても高止まりするという見方
もあり9月以降も引き締めへの警戒感は再び市場を揺らすことには注意が必要です。

解説にもありますが、大幅安の後の一時的な戻りというのが市場の声です。どこま
で戻りが続くのか期待半分、不安半分のいうところでしょうか。そもそもダウが3万
3000ドル前後の揉み合いを下放れ3万ドルを一時割り込んだ背景にはインフレを抑え
込む前に景気後退が起こるというスタグレーションへの恐怖でした。

今回のインフレの背景はエネルギーや穀物などの価格高騰が原因の一つです。需要
面ではなく供給面が原因ですから金融引き締めがどこまで効果を発揮できるかは不
明です。景気悪化の懸念から金利が下がり今回は大幅高に繋がりました。しかし株
安は景気悪化への懸念です。

今回の大幅調整は主にハイテクセクターの大幅下落でした。コロナ禍で大きく上昇
しただけに下げ幅も大きくなりました。ハイテク銘柄の値動き次第で今後も相場変
動が大きくなるというです。

東京市場では先々週の大幅下落過程で個人投資家の押し目買いが相場を支えた面も
あります。もっとも今度は戻り相場では個人の売りが上値を抑えることにもなりま
す。本格回復が早期には期待できないとすれば個人の行動は少しでも利益が出れば
確定売りが出てくるでしょう。
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景気悪化

2022-06-24 06:21:11 | 日記
高い収益力、良好な財務内容、積極投資と株主還元の両立を実現している信越化学は
化学業界の勝ち組であり、海外投資家からの評価も高いという見方に賛同する投資家
は多いでしょう。外国人持ち株比率が4割近い39%(2021年3月期時点)という数字も
業界では突出しています。

以前より収益力の高さには定評がありました。投資にも前向きでした。しかし数年前
までは株主還元には消極的でした。しかし2019年から配当性向が3割台に引き上げら
れ業績の拡大と相まって増配したことで年間配当は2018年の140円から前期には400円
まで増加しました。

また4月には1000億円の自社株買いも発表済みです。内容の良い銘柄であることは疑
いようがなく6月初旬まで値持ちの良い状態が続きました。しかし13日から8営業日の
下落率は2割に達しました。

東京エレクトロンやスクリーンそれにアドテストも同期間の下落率は2割を越えてい
ます。コロナ禍で人気だった成長株は業績の伴わない赤字銘柄が真っ先に下落に転じ
次にコロナ禍でバリエーションが過去に比べ大きく高くなった成長株(エムスリーや
リクルート)が次に売られました。

半導体銘柄は業績好調が続くと予想されたことやバリエーションはそれ程高くなく割
高感は余り警戒されなかったことで6月初めまでは値持ちの良い状態でした。それが
メジャーSQを通過した途端大きく崩れました。何らかの因果関係があるのかは分か
りません。

コンテナ市況の高騰を受けて大化けした海運銘柄や原油高で人気化したINPEXや商社
銘柄も同様の動きをしています。市場はインフレ警戒から一歩先にある景気後退リス
クを織り込む動きに変化したのかもしれません。

海運セクターも資源セクターもそしてシリコンサイクルがある半導体セクターも景気
に業績が左右されます。市場の目がインフレやそれに伴う利上げでいずれ景気が悪化
するという連想が働きコロナ禍で物色された銘柄で景気連動性が高いセクターに売り
の波が発生したのかもしれません。
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