kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

犬笑う

2017-12-29 08:33:48 | 日記
2017年の取引も大納会の今日一日だけになりました。相場の格言で
は「申酉騒ぐ」と言って申年と酉年は株価の上下が激しく値動きの荒
い年になるということを意味しています。2016年は6月にEU離脱を問
う英国の国民投票でまさかの離脱が決まり一時金融市場は大きく動
揺しました。

2016年は英国がEUから離脱すると言う造語のブレクジットは一躍有
名な言葉になりました。11月には米国の大統領選挙で本命にクリント
ン候補が破れ泡沫候補といわれたトランプ氏が勝利しました。

いずれも番狂わせで金融市場が動揺しても不思議ではなかったのに
実際は二つとも世界的な株高に繋がりました。番狂わせな結果で株安
と言う予想外の結果だったにも拘わらず株価が上昇したことのほうが
サプライズでした。

2017年の北朝鮮の核・ミサイル問題で8月までぱっとしない相場でした
が実現は難しいと言われた大幅減税法案が成立しました。割高だと言
われながら米国株は独歩高しました。また東京市場も9月から10月に
かけて16連騰を記録しましたが、26年ぶりの連騰記録更新と言うおま
けがつきました。

振り返ってみれば2016年と2017年は格言通りの展開だったようです。
2018年の干支は犬です。過去5年の戌年の株式市場は4勝1敗で上昇
確率は高かったようです。犬笑うと言う格言は無視できないようです。
もっとも何時もいつも格言通りに相場が展開すれば毎日の動きに一喜
一憂しなくても済みますが、格言には科学的な根拠がある訳ではあり
ません。

予想によれば来年の世界経済も緩やかな回復基調が続くと言うのが
大多数のようです。9月以降の日本株の急上昇も世界経済の回復が
背景にありました。世界の景気敏感株と言われる日本株にとっては
2018年も追い風が吹きそうです。

しかし今日の経済紙記載されているように2018年は日銀の金融政策
に注目が集まりそうです。米国に続き欧州でも緩和路線の転換が目前
です。残された日本も世界経済の回復で脱デフレがまた一歩進むと
正常化への議論は俎上に上がります。緩和と違って引き締めにはサプ
ライズよりも丁寧な市場との会話が必要です。

黒田バズーカと言われたサプライズ緩和では総裁の手腕が発揮できま
したが、市場との会話路線では総裁の力量は未知数です。その前に総
裁の任期切れが待ち受けています。安倍首相は黒田総裁の実績を高く
評価しているようで続投の可能性は高そうです。現在の東京市場のより
どころの日銀ETF買いをいつまでも続けていく訳にはいきません。

秋の連騰記録も市場には下げれば日銀が買ってくれると言う安心感が
あったから更新できたのかもしれません。このところ日銀依存度が高く
なってきたことは気になります。脱デフレは日本経済の悲願ですがその
過程で市場に混乱を起こさないような正常化を進めると言う難事業が
待っています。次期総裁が誰になろうが緩和よりも引き締めははるかに
難しい政策です。

1年間御購読有難うございました。
良いお年をお迎えください。
新年もまたよろしくお願いします。

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掉尾の一振よりも来年

2017-12-28 05:56:53 | 日記
27日の東京市場は前日終値を挟んで狭い値幅でした。欧州市場は
26日も休場でまだクリスマス休暇が明けない海外投資家の動きは
鈍かったようです。日経平均こそ年初来高値近辺で推移しています
が相場のリード役が見当たりません。

27日の売買代金も1兆7000円と低調でした。25日が1兆5458億円
26日が1兆6542億円でしたから3日連続2兆円を下回りました。流
石にこのエネルギーじゃ1部市場の大型銘柄を買い上げる訳にも
いきません。それでも27日も年初来高値銘柄は176出ていました。
25、26日も100銘柄を越えていました。中小型銘柄中心に幅広い
業種で出ていることから相場の先行きは明るいと言う見方もある
ようです。

直近IPO銘柄中心に新興市場は個人投資家の資金が流入して活況
だったようです。個人中心の値幅取りはこの時期特有の風物詩のよ
うなものです。投資家の本心は既に掉尾の一振よりも来年の相場の
行方に移っているのではないでしょうか。日経平均の水準も重要で
すがどんな業種、どんな銘柄に投資妙味があるのか正直それが一番
の関心事です。

2017年の訪日客は2800万人台になりそうです。早くも2018年は3000
万人突破が期待されています。東日本大震災のあった2011年までは
1000万人弱で推移していた訪日客は7年で3倍増になる勢いです。
2016年訪日客の消費がモノからコトへと変わり爆買いという言葉はす
っかり聞かれなくなりましたが、今年は化粧品などの日用品だけでなく
高額商品にも消費が戻ってきたようです。

27日好業績が伝えられたJフロントや高島屋は年初来高値を更新しま
した。小売業でもしまむらやニトリが売られる一方ファーストリテイリン
グやドンキホーテやファミマが年初来高値圏を維持しているなど企業間
で明暗が分かれていますが、国内消費に力強さがないと言われている
状況でも頑張っている小売銘柄もあります。

来年の有望銘柄にAIやIot、人手不足からロボットやFA関連、EV関連
などを挙げていますが、既に秋以降かなり人気化しました。株価水準も
ここ数年で5倍前後に上昇した銘柄も多いようです。大きな調整はなくと
も高値揉み合いの可能性もあります。9月以降もっとも上昇が目立った
のは市場でもノーマークだった資源エネルギー関連銘柄の石油や商社
などでした。来年の注目銘柄ではない隠れた銘柄に妙味があるのかも
しれません。
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どうした野村證券

2017-12-27 06:36:36 | 日記
今日からクリスマス休暇が明けた海外勢が少しずつ市場に戻って
きます。彼らの日本株に対する当面のスタンスはまだ売り継続なの
でしょうか。それとも既に12月の決算対策が終わり再び日本株を買
い始めるのでしょうか。順張りの海外投資家が買い越しに転じれば
年末2万3000円を越えてくるでしょう。反対に売り越し基調を続ける
ようだったら上値の重い相場から抜け出すことは出来ません。

12月相場の主役は半導体関連ではなくロボット・省力化関連でもな
くメガバンクや保険などの金融銘柄と石油や非鉄、商社の資源エネ
ルギーでした。俗に言う低PBRの割安株というグループでした。その
中でまったく蚊帳の外だったのが証券業界のガリバーである野村證
券です。PBRは僅か0.84倍と言う低評価です。

26日の株価は11月末の670円よりも10円安い660円でした。年初来
高値774円に比べて15%安い水準です。三菱UFJや三井住友FGが
このところ相次いで高値を更新していることをみれば証券界トップ企
業としては株価不振が際立っています。

同業の大和が年初来高値からおよそ0.8%の下落に止まっているこ
とで野村證券の人気離散振りが際立っています。昨年12月のトラン
プでは三菱や三井住友と遜色のない上昇を演じていただけに今回
ここまで人気が離散している要因はどこにあるのでしょう。

野村證券の現状の株価水準は評価不足で絶好の買場なのでしょう
か。日経平均が来年2万5000円とか目指すのであれば業界のトップ
企業のPBR1倍割れは長続きせずいずれ見直しの買いが期待でき
ると期待できるのでしょうか。

日本国民はリスク投資に前向きではないという記事をよく見かけま
す。この指摘は正解でもあり不正解でもあります。今年大きなニュー
スになったビットコインは取引の4割は日本だと言われています。FX
取引も日本の個人投資家はミセスワタナベとして為替市場では世界
的に有名です。

結論は大きなリスクも果敢に取る投資家が存在する一方、多くの国
民とリスク資産を敬遠しているという二極化が今の日本の姿です。
株式の長期投資を促すミドルリスク、ミドルリターンと言った投資家を
増やすことが長年の日本の課題です。リスク資産を取り扱うプロとし
て業界盟主の野村證券が国民の十分なニーズにを取り込めない現
状が野村株の要因にもなっているのかもしれません。
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ニトリお前もか

2017-12-26 05:17:08 | 日記
25日の東京市場は海外投資家の不在で売買代金は1兆5458億円と
閑散な一日でした。もっとも格言の通り「閑散に売り無し」で日経平均
は午前中14円安、午後は日銀買い出動期待から寄付きから小幅プ
ラスで始まり大引けは36円の2万2939円と2週間ぶりに高値を更新し
ましたが、売買代金が示すように感動なき高値更新でした。

今日も25日に主要な海外市場(ロンドン、ニューヨーク、香港、シンガ
ポール)が休場することから低調な市場は続きそうです。それでも25日
の相場が示すように日本株を取り巻く環境は良好なのかもしれません。
国内には株価を下押しするような材料は見つからず大きく動くとしたら
それは海外発の材料かもしれません。

一部には減税法案成立期待で大きく上昇したNY市場が材料で尽くし
から年末年始に利益確定売りが増えて下落するという不安を指摘す
る市場関係者もいるようです。9月中旬にNYダウは節目の2万2000ド
ルを越えてからほぼ休みなく上昇しました。この間の上昇率は12%弱
でした。一方的な株高が進んだ後だけに一時的に利益確定売りで下
げても何ら不思議ではありません。

25日の閑散相場で一際目立ったのは増益率鈍化が嫌気されたニトリ
の大幅下落でした。値下がりランキング3位で6.5%下落し11月中旬以
降の値上がりを帳消しにしました。一時は小売業の勝ち組と言われた
しまむらも既に業績悪化で株価が低迷してします。ニトリは良品計画と
並んで今年も上昇トレンドを維持してきた数少ない企業でした。かつて
小売業界の高成長セクターだったコンビニ各社の株価も目立った動き
はありません。

今月は内需系銘柄に次々と試練が出ています。ゼネコン大手にはリニ
ア中央新幹線の建設工事の談合疑惑で東京地検特捜部の捜査が入り
ゼネコン各社は軒並み下落しました。通信業界では楽天の新規参入で
競争激化から携帯事業を手がける3社が下落しました。個別銘柄では
22日にエーザイが新薬開発の躓きから大幅に値を下げました。

ゼネコンも通信3社もここ数年好業績を支えに内需銘柄の中心的な存在
でした。株価も過去最高値で推移していました。それだけに予期しなかっ
た悪材料が出ると下げ幅が大きくなりました。日本経済が好循環を続け
るには賃上げを背景にGDPの6割を占める消費が活発になることが必要
です。株式市場に取っても2万4000円、5000円と上を目指すには内需銘
柄の復調は必要です。勝ち組の一番手だったニトリの躓きは一時的なの
かそれとも成長の限界なのか今後が注目されます。
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楽天の挑戦は英断か?

2017-12-25 06:12:13 | 日記
今週2017年の相場も幕を閉じます。9月以降上昇相場が続き2015年
6月に記録した高値は単なる通過点でした。このところ2万3000円が
壁となりややもたつく場面もありますが、金融や資源関連銘柄の石油
や非鉄、商社の低PBR銘柄が人気となっています。

見方によっては半導体関連やFA関連など一部の銘柄だけ上昇する
偏った相場よりは底上げが進むことで安心感が出てくるかもしれませ
ん。この時期にあれだけ不人気だった金融銘柄が師走相場の主役の
一角を担うとは予想外でした。東京市場の売買の7割近くを占める海
外投資家の動きは例年クリスマスに近づくと低調になり時価総額の大
きな金融銘柄にはエネルギーが足りず上昇には懐疑的な見方もあり
ましたが、見事に外れました。

一方11月相場では半導体業界はこれまでのように数年で好不況を繰
り返す状況からスーパーサイクルが訪れてまだまだ業績も株価も上昇
し続けるとの見方も出ていましたが、このところ雲行きが怪しくなってし
ます。果たしてスーパーサイクルは幻だったのか、それとも単なる小休
止なのか年明け相場ではその真価が問われます。

この欄で度々取り上げる日立ですが、先週の動きは一変しました。下
げ幅の8割を取り戻し11月1日の高値908円も狙えるところまで上昇し
ました。21日付の経済紙に取り上げられた内容は既に中間決算時に
も分かっていたことです。日立高も割安株物色の一環なのでしょうか。
18日付で割りとネガティブな内容で取り上げましたが、その日から3連
騰しました。事業の集中と選択にはまだ改善の余地があるでしょうが
既存事業には大きなリスクはないので来年も期待できるのでしょうか。

また今月携帯事業3社の予想外の株価下落にはびっくりしました。楽
天の携帯事業参入は噂にもなっていませんでしたからそれだけ衝撃
も大きかったようです。楽天はその前に格安携帯事業のフリーテルの
買収を発表したばかりでした。それだけにまさか3社の寡占状態の携
帯事業に殴り込みをかけるとは3社には晴天の霹靂だったでしょう。

もっとも既に勢力図も固まり大きな成長が期待できない国内市場です。
この時点での新規参入には巨額な投資が必要な事業であることもあり
楽天の決断は大きな賭けです。通信分野は国内ではNTT、海外通信
ではKDDが独占していましたが規制緩和で事業会社や商社など多く
の企業が参入しましたが、その後合併などを繰り返し結局KDDIとソフ
トバンクが買収した日本テレコムが生き残りNTTを含めた3社体制にな
りました。

最後は資本力が生き残りの条件だったようです。巨額なインフラ投資
が必要な通信事業にはそれに見合う資本が必要です。楽天の新規参
入で携帯事業を手がけている3社の株は大きく値下がりしましたが実
際楽天が3社の牙城を簡単に崩せるとは思えません。楽天がゲーム
チェンジャーになるには大きな壁があるようです。
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