kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

マグニセントセブンでも明暗

2024-01-31 06:37:12 | 日記
30日の米国市場はダウが新高値を更新する一方ナスダック指数は0.76%の下落でした。SOX
指数も下落しました。ダウ銘柄では金融株が上昇する一方、マイクロソフトやアップルが下落
しました。半導体などグロース銘柄は年初から急上昇しました。

半導体ではエヌディディアやTSMの業績先行き見通しが明るかったことで物色は半導体銘柄
全体に広がりました。SOX指数が急上昇したことで高値警戒感も出ていたところにインテル
の決算発表がキッカケで同株が大きく下落したことで半導体銘柄なら何でも上昇するという
流れにブレーキがかかりました。

エヌディディア株は30日も上昇し高値を更新しました。TSMも高値圏で尚も堅調に推移して
います。半導体銘柄でも生成AIの普及で大きな恩恵を受ける銘柄とそうでない銘柄と明暗が
一段と分かれるのでしょうか。半導体の大口ユーザーであるスマホやPCそれにデータセンタ
ーがあります。スマホやPCは今年は回復が予想されますが、V字回復という訳ではないでし
ょう。一方データセンターは生成AIブームを背景に高性能な半導体需要は強いようです。

半導体物色の裾野が広がったのは日本も同様です。しかし米国企業同様に生成AIの恩恵の濃
淡があるのは日本企業も同じです。半導体銘柄でも成長性の違いから今後株価に差が出るこ
とが予想されます。今後勝ち組を探す動きがハッキリしそうです。マグニセントセブンでも
マイクソフトとグーグルでは決算に明暗が分かれました。

時間外取引では株価も決算を受けて対照的な動きだったようです。マグニセントセブン銘柄は
昨年米国市場の牽引役でした。背景には圧倒的な利益成長への期待があるからです。しかし
テスラはEV市場の競争激化から利益率が低下して株価は昨年比で2割下落しています。あたり
前ですが業績による選別はマグニセントセブンでも今年ははっきりしそうです。
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未来は変わる

2024-01-30 06:35:46 | 日記
「未来は変わる。」「予想もその通りとは限らない。」ということでしょうか。昨年末時点
での2024年の円相場は米利下げに伴い緩やかに円高が進む年明けにも140円突破はあるかも
しれまいという見通しでした。しかし実際の円相場は141円台から足元では148円台と7円も
円安が進みました。

多くの輸出企業では下期の想定為替レートを140円程度にしていましたから円高の進行で業績
の下方修正が懸念されました。ところが元日に発生した能登半島地震の影響で日銀のマイナス
金利撤廃が先送りになるという見方が広まり150円に向って円安に走り出しました。

それに加えて当初3月にも利下げ開始とみられていた米国で景気の堅調さなどの経済指標が長
期金利の上昇を引き起こし年初3%後半だった金利は4%半ばまで上昇し日米金利差の拡大が円
安に拍車をかけました。

年初からの日本株急騰は新NISAスタートによる個人マネーの流入期待と円安が背景にあったこ
とは間違いないようです。海外投資家が年初から大量に日本株を買ってきたことから受け皿と
して大型株、米国に連動しやすい半導体株が主導する形で急騰相場が演じられました。

特に半導体セクターはエヌディディアの業績見通しが好感されました。東京エレクやスクリーン
レーザーテックといった先駆した銘柄から大手では出遅れていたアドバンテスト。それに二番手
銘柄のコクサイエレクトロニクス、SUMCOなどに人気が広がりました。

エヌディディアは生成AI向けの最先端半導体の需要好調という好材料はありました。半導体市況
も底入れから回復に向かうという見通しもたしかでしょう。しかし半導体の大口ユーザーである
スマホやPCの需要がV字回復するということは現時点では考えられません。

市場ではWindows10のサポート終了での買い替え需要と生成AI搭載PCの需要に期待しているよう
ですが、サポート終了は2025年10月です。今年どの程度需要が回復するのかまだ確証は得られて
いません。

生成AIようの最先端品は需要が伸びるでしょうか、ウエハや半導体材料などは一般的な半導体製品
の需要が戻ってこなければ恩恵は余り大きくはありません。半導体銘柄でも出遅れていた銘柄には
それなりの理由がある訳です。半導体銘柄は総花的な人気から選別の場面に突入しそうです。

年初からの日本株急騰劇では時価総額の大きい銘柄や半導体株などの銘柄が大きく上昇しました。
横への広がりには欠けました。決算次第ですが、まだ業績が株価に十分織り込まれていない銘柄に
広がるかどうかがポイントになります。
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外せない米国市場

2024-01-28 06:52:27 | 日記
先週の東京市場はまさかの3万6000円割れで終わりました。火曜日までは高値追いを続けま
したが、3万7000円目前で跳ね返されました。新NISAスタートで期待の個人マネーは流入し
ていますが、逆張り志向の個人投資家は利益確定に動きました。これまでの個人投資家の投
資行動としては売りで対処するのは不思議ではありません。

新NISAは長期投資家のための仕組みです。投資行動としては値上がりしても直ぐに利益確定
売りする商品ではありません。時間の経過とともに安定した買い主体として認識されることが
長い目で見れば理解されるでしょう。比較的短期間で売買を繰り返すこれまでの個人投資家マ
ネーとは一線を画します。

また新NISA資金が海外市場(主に米国市場)に向うことも当然です。長期・分散が基本である
資産形成では円資金だけに投資するのは賢明ではありません。2023年と2024年のここまでの
パフォーマンスは日本株有利でしたが、過去10年を見ればブレの大きな日本株そして回復の
早い米国株という動きが見て取れます。

マグニフィセント・セブンに代表されるように米国企業は世界で稼ぐ企業です。また生成AI分野
でも先頭を走っている企業群です。配当だけでなく長期的な企業の成長を期待ての投資先として
は残念ながら米国市場に軍配が上がります。通貨分散にもなることから米国市場に向かう個人投
資家の行動は理にかなっています。

JPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)だって日本株と海外株の投資比率は半分半分です。
結果的に当初100兆円程だった運用資産は200兆円を超えました。このところ期待に反して個人
投資家の売り越しが話題になっていますが、今月売り越しているのは個人投資家だけでなく銀行
や生保、投資信託もみな売り越しです。

自社株買いが続いている事業法人だけが買い越しを続けています。この資金は相場環境に拘わらず
企業が株主還元の拡大や資産効率の向上を図るために買っている訳です。一方既に日本株を保有
している投資家は年初から3000円も上昇すれば利益買う低売りに走ります。GPIFだってリバラン
スの為に日本株の割合が上昇すれば売りを出します。

GPIFはこれまでよりも機動的に資金の配分の見直しをする話しています。今月売りを増やした可
能性は高いでしょう。投資信託だって運用成績が上がり解約が増えれば売り越しになります。持ち
合い解消売りも株価上昇で加速した可能性もあります。

新NISAの個人投資家も急騰劇はあまり歓迎できません。長期投資なた適度な調整を挟みながらの
右肩上がりが理想的です。今年バブル後高値を越えてもその反動で来年以降停滞するシナリオは
好ましくありません。今年急騰して喜ぶのは既に十分株を保有している投資家です。この点を考
えれば見事な右肩上がりの米国市場は投資先として最適です。

次回更新は30日を予定しています。
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いずれ選別される時が来る

2024-01-26 06:06:49 | 日記
25日の市場ではSOX高を材料に半導体銘柄が引き続き上昇しました。オランダの半導体製造
装置大手、ASMLホールディングが24日に増益決算を発表したことがSOX高の一因です。ASML
は最先端半導体の量産に必要となるEUV露光装置を独占的に生産できる企業です。

生成AIに欠かせない最先端の半導体は引き合いが続いているようです。日本企業ではEUV露光
に対応した検査装置で圧倒的な市場シェアを持つレーザーテックが買われるのは自然な流れの
ようです。現在78倍のPERをどう判断するかの問題なのかもしれません。

一方時価総額で半導体銘柄のトップの東京エレクは流石に高値警戒感が広がってきたのでしょう
か。このところ日足チャートで陰線を引く日が多くなりました。いち早く決算を発表した製造装
置大手のディスコは市場予想に届かなかった決算を嫌気して下落しました。この1年で株価は3倍
を超える上昇でした。

25日は先駆した半導体銘柄から出遅れ気味の銘柄に物色が広がっているようです。TOWAやコク
サイエレクトロニクスが値を飛ばしました。半導体市況は底を打ち今年回復予想ですが、最先端
製品以外は緩やかな回復になる可能性も考えられます。出遅れ銘柄にはそれなりの背景がある訳
です。出遅れ銘柄の深追いは気を付けた方が良さそうです。

僅かな悪材料でも売りが出やすいのかもしれません。ここまで指数を牽引してきた半導体銘柄も
決算をキッカケに一旦は踊り場になるのでしょうか。市場では生成AI搭載パソコンの登場や来年
Windows10のサポートが終了するのでPCの買い替え需要が見込めるという見方もあります。
もっともサポート終了は2025年10月です。本格的な買い替えの動きが出てくるのは秋以降になる
かもしれません。余り期待だけが膨らむと反動が気になります。

受託生産世界最大手の台湾TSMCや生成AIに欠かせない最先端半導体大手のエヌビディアとASML
は生成AIには欠かせないハード分野での有力企業です。半導体は様々な用途に使われていますが
今後最も成長するのはAI分野です。

ソフト分野を担う本命がマイクロソフト、対抗がグーグルやメタアマゾンでしょうか。今は総花的
に半導体銘柄が人気化していますが、成長力の差がいずれ株価にも現れるでしょう。見極めが大切
です。
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ネックは中国関連

2024-01-25 06:38:13 | 日記
流石にスピード違反だったのでしょうか。24日の東京市場は米株安もあり終始マイナス圏で
推移しました。ダウよりも下げ幅が大きかったのは年初からの大幅上昇の反動もあったよう
です。

工業製品・事務用品のスリーエムが23日に発表した業績見通しが市場予想に届かず、同社株
の大幅安が指数の重荷となりました。米国市場ではスリーエムは中国での売り上げが大きい
ことから中国関連という位置づけです。

24日決算を発表したニデックは2度目の下方修正に追い込まれました。ニデックも中国関連と
いう位置づけです。中国での景気回復の遅れとデフレによる物価下押し圧力が企業業績に影を
落としているのでしょうか。ニデックは昨年も自動車関連事業の多額の減損を計上して大幅
下方修正した過去があります。ニデックの業績見通しに今後市場は懐疑的な見方をするように
なるかもしれません。

ニデックのイーアクセルは10~12月期まで100億円前後で推移していた事業売り上げが24年
1~3月期には45億円と半減する見込みだそうです。同事業は市場の拡大を見越して同業他社
も赤字覚悟での受注競争が激化していると背景を永守会長は語っています。同社は担当役員
の交代で人事を一新するそうです。

しかし問題は永守会長にあるのではないでしょうか。同社はコストが2割削減できる第2世代の
イーアクスル投入で数量と利益を伴った成長が期待できるとみていました。永守会長はEVでは
水平分業が進むとみていました。EV市場の創成期から成長期にかけていち早く量産体制を整え
コスト競争力を磨き先行逃げ切りの勝ちパターンをイーアクスルで計画していました。HDD用
の精密モーターで成功した方程式でした。

しかし現在のEV市場の上位2社であるBYDやテスラはイーアクスルを内製しています。トヨタ
など既存のガソリン車大手もEVではメガサプライヤーから調達しています。ニデックの受注先
は中国の下位メーカーであることから市場の成長を十分取り込めてないことが想像できます。
水平分業が進み専業メーカーが台頭するという見立てが現状では上手くいっていないことも
計画倒れの原因です。ハードワークで乗り切るという前時代的な方針で果たして市場からの
評価が得られるのか。

昨年市場のテーマは生成AI関連とEV関連でした。生成AI関連がエヌビディアの強気の見通しに
表されているように高成長が続いているのに対してEVは今年伸び率の鈍化が予想されています。
テスラが再び値下げに踏み切ったようです。成長鈍化もあり価格競争激化でEV各社の利益率低
下が懸念されています。

日経平均は年初から急上昇しました。決算発表が本格化する中で業績による選別は一段と進み
そうです。上方修正と下方修正企業との明暗減益でも市場予想を越えたか越えなかったか「森
を見ずに木を見る」相場に突入しそうです。
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