kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

軽自動車市場を考える

2015-01-26 08:22:26 | 日記
25日付の経済紙の観測記事によるとダイハツ工業の4~12月期の連結営業
利益は前年同期比5割減の500億円強になったようだと伝えています。販促
費がかさんだことや新型車の開発費も重なり販売は好調でもコスト増加を吸
収できなかった伝えています。足元の販売好調もあり通期業績は据え置く見
通しであるとも伝えています。

今や国内自動車市場では販売の4割が軽自動車だと言われています。数年前
まではスズキとダイハツの2強がしのぎを削っていた時代からNシリーズでホン
ダが躍進して3強時代になりそして日産が三菱と組みそれまでのOEM販売から
本格的に軽自動車市場に参入して四つどもえの戦国市場になりました。市場と
いうパイは広がりましたが販売競争は激化して販売促進費の増大や開発費の
負担は以前に比べて大きな懸念材料となりました。

元々利幅の薄い軽自動車市場ではヒット車の有無が収益変動を大きくします。
魅力のある車を開発するためには開発費もかさみます。また激しい販売競争
に打ち勝つためには宣伝広告費も増やせざるえません。数量増でも収益が伸
び悩む可能性も出てきます。

日本独自の軽自動車規格はガラパゴス化で世界の潮流から取り残されガラケ
ーの二の舞になるとか、あるいはスズキがインド市場で軽自動車規格をモトに
した戦略で成功した例もあります。小型車が主戦場の新興国市場での躍進の
原動力に軽自動車で養った技術が役立つというプラス面の効果を指摘する見
方もあります。

自動車市場は国により好みが多様化している市場です。売れ行きにばらつき
が少ないテレビやスマホなどデジタル製品とは大きな違いがあります。ピック
アップトラックは米国とタイ以外では余りニーズはありません。新興国でもイン
ドは低燃費の小型車が主流です。インドネシアはミニバンが4割弱を占めてい
ます。

世界でもHVが売れているのは日本と米国だけです。欧州市場はディーゼル
車の割合が高くインド市場でもディーゼル車は人気です。反対に日本市場は
マツダのディーゼル車のヒットもありますが販売全体に占める割合はまだまだ
微々たるものです。米国市場ではガソリン安もありピックアップトラックなどの
大型車人気が再び潮流になっています。

酒税の違いから日本では発泡酒や第3のビール市場が活況を呈しました。何
やら税制の歪みから市場が拡大したのは軽自動車市場にも共通項がありま
す。しかし世界のビール市場で発泡酒や第3のビールが受け入れられることは
ないでしょう。軽自動車の税制面でのメリットが薄れる時に果たして市場はどの
ようになっているのでしょうか。
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決算発表本番

2015-01-24 08:26:11 | 日記
今週の東京市場は4週ぶりに上昇して終わりました。23日の終値(17511円)は
過去2週間の下落分を取戻し大納会(17450円)の終値を上回りました。1週間
前の安値からは920円戻した計算になります。ギリシャ選挙を波乱なく通過でき
れば市場の関心は個別企業の業績を元にした相場展開になるのでしょうか。

先陣を切った日本電産と安川電機では発表での市場の反応はまずまずでした。
市場予想以上の決算を発表した安川電機は84円高(5.66%)しました。通期業
績を上方修正した日本電産は純利益が市場予想に届かなかったことから一時
売り込まれる場面もありましたがその後は上昇して引けは49円高(0.61%)で
した。

もっとも安川電機は12月5日の1715円から16日には1417円まで下げ22日終値
も1485円と安値圏だったことも上げ幅が大きくなった背景にあります。日本電
産は12月8日高値8485円から今月14日の7709円安値の半値戻し8089円を上
回る8132円(2/22)まで好業績期待から上昇しました。引けにかけて上昇した
とはいえある程度の好業績は12月に高値を付ける過程で織り込んだ可能性が
高く当面は8000円前後の揉み合い相場になりそうです。

10月末から急激に進んだ円安で輸出型企業の業績改善期待は高まっています。
ハードルが高い分市場予想に僅かでも届かなければ一時的には売り込まれる
場面も出てきそうです。円はユーロに対しては既に日銀の追加緩和以前の水準
まで戻ってしまいました。ECBの金融政策の方針から弱い通貨順位はユーロ<
円<ドルが当面持続しそうです。ユーロ安から欧州での売り上げ比率の高い企業
には業績面の足かせになるかもしれず注意が必要です。

決算に絡んだこの時期特有の短期筋による激しい値動きには注意が必要です。
決算結果や市場の反応なんてその場にならなければ分かりません。トレンドフォ
ローのシストレでは上下に値幅が大きくなることは避けられません。事前に株価
水準や市場予想と会社予想の乖離などチェックしておく必要がありそうです。

好業績発表が株価上昇に繋がらないことも考えておくべきです。反対に市場の
期待が低い銘柄はたとえ減益でも予想ほど悪化せずポジティブサプライズで買
われる銘柄も出るでしょう。

明日の更新はお休みします。
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4カ月連続か

2015-01-23 08:01:55 | 日記
ECBのついに国債購入に踏み切りました。内容自体は事前に報道されていた
ものとそう変わらずサプライズを伴うものではないようでしたが22日時点では
材料出尽くしにならず欧米の株式市場は大幅に上昇して終わりました。今日
の東京市場も高くなりそうです。

1月第2週の投資主体別売買動向が昨日発表になりました。外国人投資家は
第1週の4349億円に続いて4504億円という大幅な売り越しでした。それに対し
て個人投資家や信託銀行、投信など国内勢が買い向かった構図は同じでし
た。日経平均が年明け以降下落しているのは外国人投資家の売りが背景に
ありそうです。

日本株を売った外国人投資家はECBの緩和期待から上昇している欧州市場
に流入しているのかもしれません。やはり日本株が上昇するためには外国人
投資家の支援が必要です。その意味では今後彼らの買いが復活するかどうか
がポイントです。

日経平均は昨年10月以降中旬に安値を付け月末にかけて上昇しています。
10月の安値は17日の14529円(終値14532円)月末は16413円。11月も17日が
安値16907円(終値16973円)月末は17459円。12月も17日が16672円(終値16
819円)月末17450円3か月とも17日安値というのはおそらく偶然の一致でしょう
がトレンドとして中旬に安値を付けるパターンの傾向は明らかです。

そして1月はここまで16日の16864円(終値16864円)が安値になっています。
後から振り返るとスイスフランショックで東京市場が一時500円安で節目の
16500円台まで下げたことでアク抜けして相場反転の転機だったのかもしれ
ません。

22日のECBや25日のリシャ選挙といったイベントを通過して今月も月末には
戻りを試すのでしょうか。その可能性は高くなってきたようです。もちろん個別
株では四半期決算という重要なイベントもあり逆行安する銘柄や低迷する銘
柄も出るでしょう。もちろん持ち株によっては明暗が分かれそうです。

しかし現在のように外部環境が不透明な状態で売買の判断に迷ったら一つの
材料として活用するもの有りかもしれません。今年は基本辛抱そして前半は円
安といった追い風で全体が大きく上昇する希望は持たないこと。もし市場関係
者の期待する2万円が仮にあっても年後半の可能性が高いことなど。強気見
通しが増えても18000円前後の壁は意外に厚いというのを基本として考え、ケ
ースバイケースで対応することが良いのかもしれません。初めから2万円あり
きで相場を考えてしまうと臨機応変な対策が打てません。

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成長性よりも安定性

2015-01-22 08:34:53 | 日記
「伊藤忠商事は20日、タイ最大財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと共同
で、中国最大の国有複合企業の中国中信集団(CITIC)の傘下企業に1兆
2040億円を折半資すると正式発表した」
21日付の日経電子版より引用

新聞紙上に関連記事が躍った21日も伊藤忠商事株は24円安と続落しました。
もっともPBRは0.96倍、配当利回りは3.88%と割安感のある水準です。しかし
資源安の影響もあり減配の可能性がゼロではありませんから配当利回りを
鵜呑みにはできませんが少々売られすぎの水準かもしれません。昨年来の
安値が1118円ですからその前後で下げ止まるかどうかです。

市場は業績拡大期待よりも巨額出資による財務負担の大きさを懸念した売り
が多かったようです。減速の続く中国での事業拡大に今一つ市場の期待が高
まらないのも背景にあるようです。もっとも13億人といった大きな市場を抱える
中国市場でのビジネスチャンスは大きいと思われます。この組み合わせが上手
くいけば現在総合商社3位の伊藤忠は上位2社を脅かすことも可能になります。
壮大な賭けに出た岡藤社長の手腕が問われます。

年明け以降の原油急落による先行き不安やスイスフランショックによりマネーは
安全資産である国債市場に退避しています。株式市場でも高値が目立つ業種は
ディフェンブ銘柄ばかりです。リスクを取って果敢に事業拡大を目指す企業への
追い風は現在吹いていません。

通信キャリア業界でも1年前は巨額買収で米国市場に打って出るソフトバンクが
人気でした。国内首位のドコモは成長力を失い時価総額でもソフトバンクに抜き
去られました。ところが1年後は全く違う風景が広がっています。Tモバイル買収
で強い第3勢力を作り米国市場で成長するというシナリオが当局の反対で暗礁
に乗り上げ業界3位のスプリントの先行きは不透明になりソフトバンク株も低迷
を続けています。

反対にドコモは大規模な自社株買いや配当利回りの高さもあり株価は21日も
一時昨年来高値を更新しました。時価総額も再びソフトバンクを逆転して3位に
浮上しました。現在の東京市場が将来の成長期待よりも安定性や株主還元の
有無といった材料に反応しています。武田やエーザイなどの薬品株人気も外部
環境に影響を受けにくい点が背景にあります。市場は将来の成長よりも目先の
安定に傾いているようです。もっとも人気銘柄は循環します。いずれ反対の動き
が出ることも考えておくべきでしょう。


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インバウンド

2015-01-21 09:06:37 | 日記
相変わらず大手証券の関係者はバラ色の相場展開を予想(期待)しています。
米国が早ければ6月遅くとも9月には利上げに踏み切り年後半にかけて一段
と円安が進み日本企業の業績に追い風が吹くという理屈です。円相場も円安
も125円から130円くらいまで進むというのが現状では市場のコンセサスのよう
です。

もっとも米国の長期金利は1年前の3%から現在は1.8%台に低下しました。
年末時点の2%からさらに低下した原因は原油相場の一段安やECBの緩和
観測、スイスフランショックなどが重なり流動性も高く安全資産の筆頭格の米
国債に世界のマネーが流れ込んだことです。日本の長期金利も日銀の追加
緩和で国債市場が品薄になりもはや今までの経験では考えられないくらいの
利回り(0.215%)と過去最低の水準を連日更新しています。

しかも原油価格低迷は続きそうであり世界でおきている異次元の低金利状態
は長引く可能性が高くなりそうです。この状態で果たしてFOMCが利上げに動
くのか。大方の今年の利上げシナリオにもし変更があれば金融市場もある程
度の混乱は避けられないかもしれません。

これまでの原油価格の下げやスイスの為替介入断念なんて半年前には誰が
予想したでしょうか。現在考えられる条件でのシナリオは予想外の出来事がい
ったん発生すれば軌道修正も必要です。状況次第では混乱も避けられません
。今年は投資作戦を考えるにあたってはメインシナリオとは別のシナリオも用意
しておく必要はありそうです。常にサプライズがあることを前提にしなければなら
ないでしょう。

机上の計算だけでは今年の相場は乗り切れないと考えるべきです。本来安定
感はあっても成長性に乏しいディフェンシブ銘柄という位置づけです。業績の
変化率も低いというのが投資の教科書では指摘しています。そのディフェンシ
ブ銘柄の代表格である食品銘柄のPERが成長株のように市場平均を大幅に
上回る水準まで買い進まれています。いくら業績変動の少ないディフェンシブ
銘柄といえども債券のように満期があり元本で帰ってくることはありません。

食品だけでなく電鉄、陸運、日用品などディフェンシブ銘柄はリスクオフの時に
マネーの逃げ込むジャンルといった従来の姿から東京市場では新たな成長株
になったような株価の推移です。この現象がリスク過敏症がもたらしたものな
のかあるいはインバウンド消費で成長銘柄になる兆候なのか現時点では判断
が難しい事柄です。インバウンド銘柄は今年も主要なテーマになるのでしょうか。
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