kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

イオンの苦境

2015-01-15 08:30:29 | 日記
決算結果に失望する形で小売り各社の株価が急落するケースが出てきました。
小売業界の勝ち組とみられていた良品計画は7日に一時下げ幅が10%を越え
ました。終値も9%安でした。その後も下落は続いています。業績は好調でした
が市場予想を下回ったことや国内市場の不振が嫌気されたようです。また高値
圏にあった株価も下げ幅を大きくした背景にあるようです。もっとも今後の成長
の推進役とみられる海外での売り上げは伸びている訳ですから良品計画株は
下げ止まればいずれ見直し買いが期待できる可能性は高そうです。

もっとも深刻な小売り株はイオンかもしれません。イオンの屋台骨である総合
スーパー事業の不振は根の深い問題のようです。ライバルであるセブン&アイ
は総合スーパーの不振を好調なコンビニ事業が補っている反面、イオンのコン
ビニ事業は売り上げ規模も小さく利益貢献は余り期待できません。現状では金
融事業が下支えになっていますがこの分野に大きな期待をする訳にはいきませ
ん。またアジア各国で展開している海外事業規模はスーパー事業を展開してい
る日本企業では断トツですが現状では全体の収益を牽引するまでにはなってい
ません。

小売り業界は地方スーパーの頑張り、ドラッグストアの躍進で競争が年々激しく
なっています。イオンやヨーカ堂、ユニーなど全国展開する大手の収益は低迷か
らなかなか抜け出せません。イオンが力を入れているPB商品など低価格を訴求
するビジネスモデルも安さだけでは消費者を引き付けられなくなっています。品
質と価格のバランスをどのように図るのか試行錯誤の状況は続きそうです。

このまま国内の総合スーパー事業が低迷から脱せないとイオンの苦境に拍車が
かかりそうです。イオンは積極的なM&Aや海外進出で有名です。しかし収益を生
まない事業拡大は何やらダイエーとダブル要素が少なくないという印象を受けま
す。少子高齢化と消費の多様性が今後ますます進むと考えられている国内市場
で果たしてイオンはどんな戦略でこの苦境を乗り切ろうとしているのでしょうか。

ファーストリテイリングやニトリそれにABCマートなど有力な専門店が勢力を伸ば
す日本の個人消費市場でイオンに残された時間はそんなに多くないことだけは
確かなようです。このまま国内スーパー事業の収益改善が遅れれば最悪の場合
ダイエーが辿った凋落の二の舞にもなりかねません。ここ1、2年がイオンの正念
場かもしれません。

東京市場のボラの高い状態は今に始まったことではありませんが、昨年12月か
らNYダウのボラも高い状態が続いています。上昇幅も下落幅も今や三桁が当
たり前になっています。モメンタブ株のナスダック市場並みになっています。
まあそれだけ年央に予想される利上げや急激な原油安など市場心理が大きく
揺れ動きていることが背景にあります。NY市場の激しい値動きはもうしばらく
続きそうです。 

コメント
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