kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

トリプルメリット相場はどこへ行った

2015-01-14 07:39:49 | 日記
年明け12日まではまるで1年前の1月相場の再現のような展開です。昨年
1月相場は連日200円以上の値幅を伴った上昇、下落を繰り返しながら2月
4日に14008円安値を付けるまで1ヶ月間下落相場が続きました。前年の大
納会の16291円から2283円も下落しました。もっともこの14000円どころは年
間を通じて下値の目途にもなりました。この時の相場の下落要因は地政学
リスクの高まりによる円高でした。

昨年12月中旬に市場を震撼させた原油急落は年明け以降再燃して世界の
株式市場に混乱をもたらしています。市場が懸念しているのは原油輸出に
依存しているロシア経済です。ウクライナ問題で西欧諸国から経済制裁受け
苦境に陥っている経済にさらなる打撃になるからです。ロシア経済の失速は
経済的に結びつきの高いドイツなどユーロ圏経済に影響します。

また原油急落はここへきてシェール企業の経営破たんの広がりが警戒され
ます。シュール企業が発行したハイイールド債のデフォルト懸念や銀行融資
の焦げ付き、またエネルギー産業の設備投資削減は関連企業の業績下押し
に繋がります。長期的には原油安は世界経済にプラスでも短期的には金融
市場の混乱からリスク回避に繋がりやすくなります。

リスク回避から円相場も年初の120円台から117円台へと円高方向に振れて
います。円高イコール株安の連想が働きやすい東京市場はGPIFや日銀ETF
の買いが期待でき現状では大幅な下値不安がないとしても上値も望めない
状況です。昨年と下落要因は違っても外部環境の変化に弱い東京市場の課
題は依然解消されていません。目先は原油下落がどこで止まるかが市場を
左右しそうです。

東京市場の高値は12月8日のザラバ18030円でした。調整期間としては正月
休みを挟んで1ヶ月です。大納会が高値だった1年前よりは早めに高値を付け
ただけに調整完了も早めに終わる可能性もあります。もっとも昨年10月17日
安値から3500円上昇したことやサプライズ緩和で16000円台を僅か6営業日
で通過して17000円台へと駆け上がった反動などもありもう少し調整が長引く
可能性もありそうです。

原油急落はほとんどを輸入に頼っている日本経済に取ってはメリットが大きい
というのが一般的な見方です。米国経済好調と円安に加えたトリプルメリットを
享受する日本株には大きな追い風が吹きそれが日経平均2万円説の根拠でし
た。しかし現実はそんな単純には事が運ばないことをやはり今回も証明しまし
た。世界の投資家にリスク回避心理が強い間はマネーは上手く流れていきま
せん。当面は40ドル台という原油価格によるデメリットを先に株式市場が消化
する展開になりそうです。


コメント
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