著者は、文献史学の二つの方法論として、「十九世紀的文献批判学の方法」と「仮説検証的方法」に分けて提示する。著者の言葉を私の責任において要約すると、前者は、伝統的なそれであり、史的資料として信用できるかどうかを検証することを主眼とするものであり、信用できないと判断される場合は、それらがまとまって存在している意図を考えるものである、一方の後者は、史的真実についてなにがしかの仮説を設け、その仮説に関係する複数の資料に当たり、仮説の内容と資料の言うところが矛盾するか否かを検証し、矛盾しない場合はその仮説が実証されたと見なすものだ。第1章「新しい文献学」とくに同書101-103頁。
私は、むろん前者を否定するものではないが、以前より後者の側に与する者である。
(勉誠出版 2005年7月)
私は、むろん前者を否定するものではないが、以前より後者の側に与する者である。
(勉誠出版 2005年7月)