不味くもないが旨くはない

2013-06-11 16:33:13 | 食べる
私が子供のころから続く店です。
広島三越の裏、T。有名です。

前々から一応気にはなっていたけれど
どうも足が向きませんでした。

今回、ミシュランガイドで☆1

「やはり、まずまずだったんだ・・・
 一度くらい行ってみようか」

と言っても行けるのは、昼です。
夜は我々には行けそうもありません。

で、昼のお味ですが。

本当は夜に行ってモノ申すべきですが
ま、昼でもいくぶんかは分かるはずですね。


店がいけません。
1時前に入り、つめて頂いてカウンターへ
着席したは良いのですがカウンター板の継ぎ目が
ボロボロじゃ。

美味しい店の空気、流行っている盛り上がり感
もなく、かといって落ち着けるわけでもなく。

私が天丼で\2300-カミサンがひつむしで\2500-と
ある程度取る店にしては雰囲気はなかったですね。
(ひつむし、とは混ぜご飯ですね)

常連らしい爺が昼からカウンターでコップ酒片手に
煙草を呑んでるなんて、ね。

常連さんには愛想はよく、イチゲンにはまったく
サービス精神なしの女将でした。


小鉢、量は多めですが野菜の味がしません。
一つひとつが際立たないのですね。
カボチャも大根もみんな同じ味です。
旨み系が濃く、甘さがちょっと立ちすぎです。

(味を誤魔化すには甘味ですねえ)

浅蜊の赤だし、これは出汁が取れていません。
貝そのものは驚くほどデカいのですが
水っぽくて味が薄いのです。

これじゃ瀬戸内の魚介の評判が落ちるね。

漬物も同様です。
量を減らしてよいので浅漬でお茶を濁さず「本物」を!

カミサンの穴子をひとかけ食べてみました。
柔らかく仕上がっていますが穴子そのものの味が弱い。
今から旬だろ。
後から付けたダシ系の味が強くまとわりついていました。


ご飯の味がしない。
柔らかめで、噛んでも味が滲みださないのです。

味付けご飯だから質が悪いのか?

天丼の飯が粒だってないなんて。

小エビの天麩羅が8尾ほどです。
丼ツユも弱い気がしました。(好みですが)

チロリでツユを暖めておき、丼の上からかけ回し
(ご飯にだろ!と思うけど)
蓋をして出汁を回しています。

「あれ、揚げもん、だけど」
危惧したとおり折角さっくり揚がっていたであろう
海老天は「しっとり」としちゃってます。

小エビの味はまずまずでしたが
これなら家でカミサンに頼む方がましだね。

活きたエビが手に入ればの話ですが。


ちゅうことで、浅蜊と漬物は残しました。
私にしては珍しいことです。
(隣の御婦人はひつむしの鰻バージョンでしたが
 こちらも食い残しておられた)

どこが☆1つじゃ。

広島はレベルが低いね。

暗闇体験

2013-06-11 15:41:03 | 塾あれこれ
このところローカルTVで暗闇体験の紹介を
何度か見ました。

流行ってるのかな?
どこかで流行ったのが地方まで及んできたのかな?

悪いことではありませんね。

詩を書くのに、方言の力が下支えしてくれるように
人が生きるのには暗闇の感覚が必要なのです。
暗闇を知れば昔の人々と心を共有できますから。

私の子供のころはまだ夜が濃かったですね。

鼻を摘まれてもわからない暗闇もありました。

家の中が結構暗いのですから、外は暗かった。


上の写真は母が生まれ育った大三島の家です。

随分前に取り壊され、後に建った家もすでに古び初めて
いるそうです。

小学生の頃お祖母ちゃんチに行くと夜が暗かったですね。
土間と広い台所と囲炉裏の間と客間、これだけ合わせて
照明の電球が一つ、それも20W。。。

用がある部屋に電球を移動させて使っていました。

他の家もそうなのです。
電気の「配給」がそれ以上の灯りを許可しなかったのです。


話が飛びますが大学生の時、竹富島に民宿しました。
電気が夜8時になると消えるのです。
全島真っ暗。

用がある家は石油ランプを灯していましたね。


「夜道が光ってたら気をつけないと、水がある」
水たまりくらいでも驚きますがねえ。

もっと暗くなると道がうっすらと浮かんできます。
周りが暗すぎるのですね。(新月など)
瀬戸内の島では道に白い石がゴロゴロしています。
どこかからの淡い光をその石が微妙に反射するのですね。
じいっとしていると道筋が浮かぶ、ホッとしたものです。

それ以上に暗い時は本当に何にも見えません。

空がうっすらとでも明るく山の稜線が見えでもしたら
まだしも、何にも見えないと一歩が踏み出せません。
子供ですからねえ。

宇宙の中にいる孤独。

孤独すぎると世界が無音の静寂に包まれます。


暗闇体験も一人じゃなきゃ本物じゃないのですけれど。
そばに誰かいたら怖さも半減だよね。


暗闇が深いほど、お月さまの有り難さも身に沁みます。
いにしえの歌人の心が伺えますね。

夜、屋外のトイレに行くのに月でもなけりゃ、ああた。

水木さんならずとも妖怪に会えます。