自費出版

2013-06-29 10:26:38 | 塾あれこれ
私が塾業界の仕事を続けられたのも
小学校でのT先生の教育が大きいですね。

もちろん随分と後になって気付いたことです。

尾道では小学校がキツすぎたのが
小5の一学期途中に広島市に転校し
明るい校風、何よりT先生とウマがあった、
これが大きかった。
勉強が進むようになり少し自信も持てました。

「良いところに気付きましたね」
「おや、宮沢賢治の詩集、岩波文庫だね。
 すごいもの持ってるね。」

良い気分にさせて子供をノセましたね。
間違えても「君、岩波文庫難しくないかい」
とは言われません。

(実際は難しくて、ただ持っているだけだった・・)

で私立の一貫校に進み、大学卒、サラリーマン←コケて
あえなく転身

塾に身を置くようになって、疎遠になってたT先生を
思いだしたのです。

(教育とはああいう風にあるべきではないか)

(その子の持ち味が育つようにしたい)

もちろん、私は口ばかりで実行できてはいませんが。


T先生のクラス会があって一度出席しました。

その席でW氏という学校の教員をしているのが
聞えよがしに「じゅく、へっ」

で、「あんなのが教育者?」

以後クラス会には出なくなりましたが
代わりにT先生に手紙を差し上げることにしたのです。
(先生は塾でもきちんと教育すればよいと言われました)

仕事の話はそれほど出来ませんから、色々と
書いているうちに、小学生への宿題で私が出来なかった
俳句のことになり、遅まきに少しヒネリ始めたのです。
自分でヒネれない者は小学生にでも教えられませんから。
自分によく分からないことを教えるわけにはいきません。

それまでド素人ですからとんでもない駄作ばかりでしたが
送ると、そんなものでも誉めて下さる。
調子に乗ってまた送る。

送られた方も困られたでしょうねえ。

しかし添削されたり、これは良いとマルをつけたりされ
・・ご返事を頂く私はすっかり小学生に戻って。

『暮れかかる沖へ ひたすら飛ぶ雀』

先生は「句集にまとめなさい」

さすがに恥ずかしくてそれは出来ませんでした。
まさか自費出版するほどツラが厚くはないしね。
(お金もケチった。。。)

大枚叩いて本を造り、知り合いに押し付ける
たまにそんな方がおられますが
貰った方が困る、捨てるわけにいかないしねえ。

T先生の教えに背きますが、こればかりは
できませんでした。
ちょっとだけ今も気がかりですが、まあ覚えては
おられない筈だ、と思うようにしています。


私も来年誕生日が来れば、死亡者予備軍の年金生活者と
なります。

だからではありませんが、死ぬまでに出来れば
多少は満足できる句をヒネりたい気分があります。


詐欺師の皆さん、今がチャンスかもしれません。
「せんせ、本出されませんか?」って言ってこられます?

録音させて頂きますのでヨロシク。

◎追記

先生が句集と仰って下さったのは、自分で自作を見直し
選別することで作句の力を上げなさい、ということです。

・・断言できます。

改めて見直せばOKを出せるものなんてありませんから
やはり句集は無理でしたね。