成長戦略ですか

2013-06-03 18:40:52 | 塾あれこれ
成長戦略、上手く行くとよろしいのですが。


私が子供のころは、松茸も河豚も安かった。
貧しい家庭でしたが、それでも年に何度かは頂きました。

今だと考えられないですね。

オコゼも高級魚とは思いませんでしたし
ナマコなど海岸を覗きこめば沢山いました。

日本中に似た話があるでしょうね。
「ノドグロが高級魚かい」なんてね。

あちこちの人が知り、販路が確定すると
地元の人の口に入りづらくなります。

日本人や中国人がワインを飲むとヨーロッパの人が
困るようなものです。

キャビアだってつい最近まで地元の人は
がばがば食べられていたようです。


アベノミクスでの三本目の矢「成長戦略」に
農業活性化があります。

自民党だから農民票を大切に、と言うだけでなく
日本のために、という発想ですね。

今のままでは日本の農業が壊滅する、
国家の安全保障にもかかわるから何とかしないと・・

少なくとも30年、遅かった改革です。
ヨーロッパでは半世紀前から手をうっていました。
それでも苦しいのが農業なんです。

米作ばかりに目を向けていた時代が終わろうとしていた
あのころに、始めていなければならなかった!

国際的に通用する農業を目指すのは正しい。
収入が安定し、農業も活性化するように。

(零細農家は自然消滅でよいのか、という問題と
 国際的に通用するものだけを残せばよいのか、と
 大きな問題は残りますが)

国際化の一環として、日本食を外国にもっと浸透させ
その方向から、農産物や食品の輸出を増やそう、という
作戦も新しい。
(ちゅーか、遅すぎなんですが)

ともあれ、正しいことです。

このままでは衰退してしまうであろう日本の農業を
救うことは全国民(いや地球人)にとって大切ですから。


日本食の海外普及は、日本観光への呼び水にもなり
また、日本文化や日本国のイメージアップにも
つながります。

また、国内で和食の消費が減っていますから、産業が
衰退すれば結局は国民が困ることにもなりますしね。


・・と、良いことづくめのようなのですが
冒頭に書いたように、我々の食が高騰し品薄になり
「身近の消費だけで良かったのに」という事態は
来ないと言えるでしょうか?

生産者の方には申し訳ない面もあるのですが
高値安定は貧乏人には酷だし、
品薄になっては結局和食文化が衰退します。

鰹節、昆布、海苔、ワサビ・・・
これらのない和食って考えられますか?

地球環境の変化で特に海産物を中心に
和食のピンチなのです。
十年後は悲惨かもしれない。・・・

養殖や増産では対応できないものも多いのです。

「まともな和食は中国やNYで食べる」時代って。。。

お気楽に「海外に和食文化」と煽ってだけで良いのかなあ。