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1週間分のゑもの(廃ゼットと前奏曲)

2017年03月18日 | クルマネタ
この1週間のうちに捕獲した獲物、いや、クルマネタを2点ほど。

先日開催された東北応援ライブの会場に向かう最中に…。おしゃかと化した廃ゼット、いや、ハイゼットに遭遇。


ダイハツの軽トラックのハイゼットですが、当該個体は4代目(1972年~81年)で、1974年にフロントマスクが変わり、ナンバープレートが現行の黄色の中判に変更されるなどのマイナーチェンジを実施されてからのモデルとなります。おしゃか物件の宿命か、フロントグリルなどの樹脂パーツは経年劣化で脱落してしまいますねえ。それにしても、周りの風景に違和感なく溶け込んでる様が、より哀愁を誘います。土に還ろうとするのはやはり鉱物の本能でしょうか。

なお、数日前にこの画像を某ジャズバーのオーナーに見せたら感動されてました!(爆)


もうひとつ掲載するのはナンバー付きの現役車両です。
違う日に、某所で白く角ばった物体が見えたので近づいてみたら…。
な、なんと、2代目のプレリュード(1982年~87年)がいるではありませんか!


プレリュードはホンダのスペシャリティカーですが、この2代目はリトラクタブルヘッドライトを採用し、フロントノーズを低く抑えた先進的で斬新なスタイリングは見ただけでも分かりやすいカッコよさがあり、当時はデートカーとして若者を中心に支持されたのでした。もちろんカタチだけでなく、低くなったゆえに空力特性が向上、ゆえに走行性能も向上。国産車初の4輪ABSが用意されるなど、機構面も著しい変化があったのでした。なお、この個体は売れ筋でもあり豪華仕様だった上級グレードのXXです。
ホンダの4輪車事業はシビックとアコードで地道に開拓されていき、このプレリュードでホンダのスメ[ツイメージ=ブランドイメージが大きく向上したといえるでしょう。



さいきんのゑもの(1~3月)

2017年03月08日 | クルマネタ

最近捕獲したクルマネタから少々掲載してみましょう。

マツダ車編、ファミリア系を3点ほど。

通算6代目となるBG系ファミリア(1989年~1994年)です。

これもかつては掃いてて捨てるほど普及してましたが、さすがに生産終了から20年以上経過すると見かける機会も限られてきます。この個体はセダンに設定された豪華仕様のサプリームです。バンパーが北米仕様と同じ大型タイプのため、他のグレード(インタープレーやクレールなど)とは見た目の印象が異なるのが特徴です。パワーシートが装備されるなど、快適装備も豪華でした。


次は、さらに一世代前のBF型ファミリア(1985年~89年)、と思いきや、姉妹車となるフォード版のレーザーです。

ファミリアをベースに、アジア/オセアニア地域向けのフォード車として開発された経緯がありますが、日本でもオートラマ系のディーラーから販売されてました。グレードはLX?GL-X?


そして、広島の旧車界では有名な存在といえるグランドファミリア(1971年~78年)!まだまだ現役で走り続けてましたよ!

名前はファミリアですが、位置付けとしてはファミリア以上カペラ未満といったところで両者の中間帯をカバーする役割を与えれてました。サバンナの姉妹車でしたが、ロータリーエンジンのサバンナに対してこちらはレシプロエンジン専用車でした。グレードはクーペの1600GFⅡ、1975年頃のモデルのようです。


次はダイハツ車を。
いきなり黄色の物体が見えたので何事かと思ったら…、タフト出現!

タフトは1974年~84年に販売されたコンパクトサイズのオフロード4WDで、後のラガーやテリオス、ビーゴの源流といえた存在でした。これは初期のモデルになるのかな?
参考までにタフトの後期型は下記を参照されたし。
http://happy.ap.teacup.com/indigo-liner/564.html

以前も同じような事を書きましたが、あえて今回も…。タントじゃないですよ!タフトですよ!タフト!



以下トヨタ編、3つほど。

久しぶりにカレンに遭遇しました。

これは6代目セリカ(ST200系)の姉妹車で、1994年~98年まで販売されてました。3ドアクーペのセリカに対してこちらは独立したトランクを持つ2ドアクーペというのが最大の違いでした。もともとセリカは海外向けに2ドアクーペが設定されており、それを日本国内向けにアレンジしたという成り立ちであります。スポーツ志向のセリカに対して、こちらは端正な雰囲気ファッショナブルなパーソナルカーという位置付けでしたが、しかし、特徴に欠けてたせいか一発屋で終わってしまったという…(汗)


見慣れないミニバンがやってきました。シエナです!

シエナはカムリ系のコンポーネントをベースに作られた北米市場向けのミニバンで、日本では未発売の車種です。並行輸入で購入されたのでしょう。北米向けということで大柄な車体ですが、日本で売られているアルファード/ヴェルファイアとは異なりあくまでもファミリーカーとしての位置付けで、見た目の印象もシンプルに仕立てられてます。国による文化の違いを実感してしまいますねえ。なお、シエナな現在3世代目ですが、画像の個体は現行モデルとなる3代目です。


最後は大ネタを。
真っ赤な物体が視界に入ったのでよく見たら…、2代目スターレット(KP60系)出現!

スターレットの2世代目のモデル(1978年~84年)は、コンパクトハッチでは稀少なFRの駆動方式もあって、走り重視のユーザーから人気を集めてますが、しかし、この真っ赤な個体はスポーティ路線とはまったく無縁といえる仕様で、なんと女性仕様の『リセ』だという!よくぞ残存してましたねえ。
なお、フロントノーズの形状から1982年以降の後期型となります。



トヨタ カローラ 50周年記念祭 FINAL

2017年03月01日 | クルマネタ

きのう、PART5を出題してますが、続けて一気に出して完結にします。
長々続いたカローラ50周年記念祭、これで最終回となります。10代目と現行モデルの11代目です。


10代目 NZE/ZRE140系 2006年10月~2012年6月


(アクシオ1.5X HIDリミテッド?、2009年~)


(アクシオ“GT”TRDターボ、2009年~)


(フィールダー1.5X Gエディション、2008年~)

カローラは日本国内だけにとどまらず、世界中で展開されています。かつては日本仕様を基準にして海外仕様を開発していましたが、各地域では嗜好や文化、法規などが当然異なるため、そのやり方は限界が生じてきました。そのため、当モデルから同じカローラの名称ながら、日本仕様と海外仕様を抜本的に分離する事になりました。
海外仕様はグローバルでCセグメントのボディサイズの拡大がトレンドになっているため、3ナンバーサイズ(海外では5ナンバー3ナンバーの区分はありませんが)に大型化。一方の日本仕様はジャストサイズだったカローラの美学を尊重し、日本の道路事情でも扱いやすい5ナンバーの小型車規格を踏襲されました。
日本国内仕様はセダンとワゴンの2ボディに集約。ここからセダン系はサブネーム付きの『カローラアクシオ』の名称となりました。ワゴンは引き続き『カローラフィールダー』でした。サブネームの付帯はセダンとワゴンのキャラクターをはっきりさせるという意味合いもあり、前者はラグジュアリー志向で高い年齢層に、後者はスポーティ志向で若年層にアピールし、幅広い世代に対応するという商品戦略でした。
なお、ハッチバックモデルのカローラランクスとアレックスは1代限りで消滅となりましたが、この系譜は海外仕様のカローラとコンメ[ネントを共有したオーリスへ発展されました(ただし、アレックスを扱っていたネッツ店のみでの販売)。
先代モデルとは基本構造の多くを共有し、正常進化のモデルチェンジといえました。外観の印象は先代よりもスメ[ティな雰囲気へ一新されました。
エンジンは1.5リッター(1NZ-FE)、1.8リッター(2ZR-FE)の2種で、後者は新開発ユニットでした。その1.8リッターは2010年にはバルブマチック(可変バルブ機構)採用の2ZR-FAEへ発展されました。当モデルでは小排気量の1.3リッターは廃止され、ヴィッツ派生スモールセダンのベルタが受け皿となりました。
ミッションは大きな変化があり、オートマ車はカローラ初となる無断変速機(スーパーCVT i)を採用されたのが注目でした(1.8リッターは7速シーケンシャルシフト)。そのほか3ペダルの5速MTも従来同様に設定。
装備の充実度も高くなり、プッシュ式エンジンスタートシステムの採用やアクシオでは全車にバックモニターが装備されました(後年、オプションに変更)。他には上級グレードにレーダークルーズコントロール(前者との車間距離を保つ)やプリクラッシュセーフティーシステム(衝撃被害低減ブレーキ)なども採用されました。
この時代になると燃費基準制度も始まり、達成度合によってエコカー減税の対象にもなり、その功罪はともかくユーザーにはメリットもあり販売活性化にも貢献するので、燃費改善のための改良が頻繁に実施されました。
カローラの取り扱いディーラーのカローラ店は、パブリカ店時代を含めて2011年に創立50周年を迎えられました。同年、その記念の特別仕様車(アクシオ1.5Gクラシコ/フィールダー1.5X"Light")が発売されました。
最後に変わりダネといえるモデルを紹介。TRDのコンプリートモデルとして『“GT”TRDターボ』が存在しました。これは1.5リッターの5速MTをベースにエンジンのターボ化やスポーツサスペンションの採用などを施した硬派のスポーツモデルでした。トヨタテクノクラフトの特装車として販売されました。


11代目 NRE/NZE/NKE/ZRE160系 2012年5月~現在


(アクシオ1.5G、2012年~15年)


(アクシオ ハイブリッドG、2015年~)


(フィールダー1.5Gエアロツアラー、2012年~15年)


(フィールダー ハイブリッドG W×B、2015年~)

先代同様に5ナンバーサイズを踏襲した日本仕様とワイドボディが望まれる海外仕様が分離されました。ただし、ここでは便宜上日本仕様と書いてはいますが、当モデルでは香港やマカオなどの一部地域でも販売されることになりました。
引き続きセダンのアクシオ、ワゴンのフィールダーの2種のボディで構成。機能重視の質実剛健的といえる装いへ生まれ変わりました。
従来のMCプラットフォームも設計が古くなり、一方で海外仕様の新MCプラットフォームでは5ナンバーサイズに対応出来ないこともあり、ひとクラス下のヴィッツ系のBプラットフォームをベースに開発されました。コスト削減が大きな理由ですが、先代よりも車体の小型化をわずかながら実現、軽量化も行われるなど恩恵を受けました。
エンジンは1.5リッター(1NZ-FE)をメインにし、燃費改善からアイドリングストップシステムを新たに設定。そのほか1.8リッター(2NR-FAE)はフィールダーのみに搭載。久しぶりに1.3リッター(1NR-FE)が復活しアクシオに設定、廃止となったベルタの役割をカバーされました。ミッションは引き続き無断変速のスーパーCVTを採用しますが、数少なくなったマニュアルミッション需要に対応するために5速MTも引き続き用意されたのもカローラならではのこだわりでした。
安全面も重視され、エアバッグは運転席/助手席/サイドは当然、カーテンエアバッグも標準化された他、VSC(横滑り防止装置)も全車標準化されました。
上級グレードはそれなりに豪華なものの、コスト削減の影響もあり、全体的にシンプルに仕立てられ、高級路線から実用性や経済性重視へシフトされました。それゆえか、当初は地味な印象で販売は伸び悩み気味でした。
2013年8月、カローラシリーズ初のハイブリッドモデル(THS-Ⅱ)が登場しました。メカニズムはアクアと同じで1.5リッターエンジン(1NZ-FXE)+モーターの組み合わせ。信頼性が重視されるカローラゆえ投入が遅れていたのかと思われますが、ようやく機が熟したのでしょう。ハイブリッドの導入は功を奏し、当初は伸び悩みだったカローラシリーズの販売の底上げに貢献しました。これを機にタクシーでの導入事例が増えていきました。また、普通によく出来た真面目な実用車といえるカローラの存在を改めて見直されるキッカケにもなりました。
2015年4月、大掛かりなマイナーチェンジを実施、外観をスポーティな雰囲気に大幅に一新し、内装の質感を改善。メカニズムでは新開発のガソリン1.5リッター(2NR-FXE)を搭載。安全面ではトヨタセーフティセンスC(衝撃被害低減ブレーキ、車線逸脱防止警報、自動ハイビームの3点セット)を採用。中身の充実を図りました。
そして2016年、『ハイブリッドG"50リミテッド 』などの生誕50年記念特別仕様車を発売、2016年11月を以って日本国内でカローラ発売から50周年の節目を迎えました。


以上、6回に渡ってカローラ特集を行いました。最初はもう少しコンパクトな記事にするつもりが、バリエーションが多彩かつ経歴も複雑なクルマゆえに、長編企画となってしまいました。それだけ歴史の重みのあるクルマという事でもあるでしょう。分かりにくい表現、適切でない表現、間違いや誤り等もあるかもしれませんが、御容赦願います。
50年に渡る歴史を改めて観察してみると、評価の高かった世代もあれば逆に評価が低かった世代もあり、時代の変化が追い風になったり迄Mされたり、道のりは平坦でなかった事でしょう。それでも、幅広い世代、幅広い客層から大いに支持されました。また、日本国内だけでなく世界中でも親しまれました。
カローラの登場は開発・生産・販売するトヨタ自身にとっても、日本の自動車界の成長にも、自動車を所有し利用する消費者にも大いに貢献されました。
決して派手な存在じゃないけれど、偉大な存在であることには間違いはありません。今後もカローラというブランドの末永い存続、発展を願いながら、この特集を締めくくりにしたいと思います。

ご拝読ありがとうございました。



トヨタ カローラ 50周年記念祭 PART5

2017年02月28日 | クルマネタ

カローラ50周年記念祭、本当なら3回くらいで終了するつもりでしたが、バリエーションが多彩なクルマゆえにどうしても長文になってしまうのが避けられないところであります。まだダラダラ続きます。8代目と9代目です。

8代目 EE/AE/CE110系 1995年5月~2000年8月


(セダン1500SEサルーン、1995年~96年頃)


(セダン1500SEサルーン Lセレクション、1997年~)


(レビン1600BZ-G?、1997年~)

モデルチェンジ毎に高級化を進めていったカローラですが、バブル崩壊による経済の冷え込みにより、上級志向を目指した思想が残念ながら通用しなくなり、また、環境問題や安全性など自動車をとりまく課題が一段と厳しくなってきました。不況で自動車そのものの需要が冷え込む中、メーカーとしても採算性改善の要求が強まってきました。そのような状況下で登場した8代目は、徹底的にコストダウンが図られ、経済性や実用性を重点にしたコンセプトで登場、常に上級志向を目指していたカローラにとっては大きな路線変更となりました。モデルチェンジされたのはセダンとレビンのみで、バン/ワゴン、セレスは先代を継続(セレスは後年廃止)、FXは廃止されました(海外向けのハッチバックは存続)。

【セダン】
基本構造やメカニズムは先代を概ね踏襲してましたが、コストダウンのため豪華装備は割愛され、バンパー上半分やサイドプロテクトモールの無塗装ブラック化、ダッシュボードのソフトパッドをプラスチックに変更など、内外装は至ってシンプルになりました。車体は衝突安全性を高めながらも軽量化が進んだのが特徴でした。
エンジンはガソリンがハイメカツインカムの1.3リッター(4E-FE)、1.5リッター(5A-FE)、1.6リッター(4A-FE)。ディーゼルの2リッター(2C)。スメ[ツツインカムの1.6リッター(4A-GE)は廃止されました。
しかしながら、コストダウンの影響による質感の低下は市場では受け入れがたかったようでした。先代からの変化が乏しくて新鮮味が欠けていたのも否めないところでした。
そのため1996年5月の改良で、無塗装ブラックだったバンパー上半分とサイドプロテクトモールの着色化、フロントグリルのメッキ化などで見た目の質感を改善。助手席側を含めたエアバッグの全車標準装備化ならびにABSの全車標準装備化など安全装備の充実を図りました。同年秋には生誕30周年を記念してSEサルーン30thアニバーサリーリミテッドを発売。
1997年5月、大規模なマイナーチェンジを実施。フルカラードバンパーやソフトパッドを用いたダッシュボードなど内外装を大きく変更、再び高級感を強めた装いへ一新されました。車体骨格の見直しで進化した衝突安全ボディ『GOA』を採用、当時の世界の基準よりも上をいくトヨタ独自の安全基準を満たしました。1.6リッターのスポーツツインカム(4A-GE)を搭載したGTが復活、カローラ初の6速MTも新たに採用されました。このマイナーチェンジで初期型の不評を払拭することが出来ました。
1998年5月、1.3リッターのMTを4速から5速に変更、ディーゼルを2.2リッター(3C-E)へアップする改良を実施。1999年、モデル末期の販売テコ入れで特別仕様車XEサルーンリミテッドとSEサルーンリビエールを発売。
そして、次世代でカローラは大きく変化することになります。

【レビン】
大きく重くなってしまった先代の反省から、セダン系同様にダイエットが行われ、大幅な軽量化を実現、ライトウエイスポーツ志向を再び高めました。こちらもコストダウンの影響で内外装の印象はシンプルになりました。エンジンはハイメカツインカムの1.5リッター(5A-FE)と1.6リッター(4A-FE)、スポーツツインカム1.6リッター(4A-GE)で、スーパーチャージャーは廃止されました。スーパーストラットサスは引き継がれましたが、電子制御サスのTEMSは廃止。しかし、セダン系同様に質感の低下が課題となってしまいました。
1996年5月にはエアバッグとABSの標準装備化を実施。1997年5月のマイナーチェンジで内外装デザインの見直し、衝突安全ボディ『GOA』の採用、4A-GE搭載のBZ系グレードに6速MT採用など大幅に一新されました。
やがてスペシャリティカー/クーペの市場が縮小していき、レビンも販売の低下が避けられなくなりました。2000年を以ってレビンはこの代で終了となりました。


先代モデルが継続されたバン/ワゴン系のその後の経歴も触れておきます。

【ツーリングワゴン】
1995年5月のセダン/レビンのモデルチェンジ時に同時にマイナーチェンジ、新たに1.6リッター(4A-FE)を搭載した4WDが新設されました。また、2リッタディーゼル(2C)も仲間入りしました。
1996年8月、エアバッグやABSの標準化、さらにスメ[ツツインカムの1.6リッター(4A-GE)を搭載したBZツーリングを追加し、スポーツワゴン色を強めました。
1997年5月、マイナーチェンジでデザインを一新し、助手席エアバッグを装備など安全性を向上、ただし、旧ボディのため『GOA』ボディの採用は叶わずでした。そのほか、BZツーリングに6速MTを採用。
1998年4月、ディーゼルを2.2リッター(3C-E)にするなどの改良を実施。
もともとコンパクトで使い勝手がいいことから根強い人気があったのですが、ワゴンブームの中、さらに注目度が高まり、カローラシリーズの一角を占めるに至りました。『カロゴン』の愛称で親しまれました。そして、カローラフィールダーへ発展されるわけです。

【バン/ビジネスワゴン】
1995年5月、マイナーチェンジでバンの4WDにガソリン車を追加、1.6リッター(4A-FE)を搭載。翌1996年にはエアバッグの標準装備化を実施。
1998年4月にはディーゼルを2.2リッター化(3C-E)。2000年8月、ビジネスワゴンを『アシスタワゴン』へ名称を変更すると共に、MTのミッションを全車5速化、12年排ガス規制に適合。この頃までには全車に助手席エアバッグとABSの標準装備化が完了しました。
10年以上に渡るロングセラーでしたが2002年7月で生産終了となりました。商用モデルは乗用モデルとは異なる独自の道を歩むことになり、商用に特化されたプロボックスにその役割をバトンタッチされました。


9代目 NZE/ZZE/CE120系 2000年8月~2006年10月


(セダン1.3X? 1.5X?、2002年~04年頃)


(セダン1.8ラグゼール、2004年~)


(フィールダー1.5Xエアロツアラー?1.8Sエアロツアラー?、2004年~)


(ランクス1.5X?X Gエディション?、2004年~)

21世紀を迎えるにあたって、ユーザーの高齢化やセダン市場の縮小などの嗜好の大きな変化があり、将来への不安が見え始めてきました。カローラがカローラであり続けるために、すべてをリセットし『ニューセンチュリーバリュー』をコンセプトに抜本的に生まれ変わりました。セダンと『カローラフィールダー』の名称となったワゴンの2種のボディをラインナップしました。なお、それまで運命を共にしてきた姉妹車のスプリンターは終了となりました。これも改革のためには避けて通れなかった事案だったのでしょうか。
外観は今までのカローラから大きく変化し、空力的かつボリューム感たっぷりの造形は機能的ながらも先進的で革新的に映りました。室内空間も大きく広がりました。また、先代の反省もあり、品質感や高級感も大いにこだわりました。
パッケージングの変化に対応するためプラットフォームも全面的に刷新、新たに採用された『MCプラットフォーム』ではロングホイールベース化に加えてリヤサスペンションを軽量化とスペース効率の観点からトーションビームに変更されました(4WDはダブルウィッシュボーン)。一部モデルのパワーステアリングは油圧式からカローラ初の電動式を新たに採用。
パワートレーンも全面的に刷新され、エンジンは高効率ツインカムの1.3リッター(2NZ-FE)、1.5リッター(1NZ-FE)、1.8リッター(1ZZ-FE)、スポーツツインカムの1.8リッター(2ZZ-GE)、いずれもVVT-i(可変バルブタイミング機構)を採用すると共に12年排ガス規制に対応。ディーゼルは先代同様に2.2リッターOHC(3C-E)を搭載。ミッションは5速MT、6速MT、4速AT(電子制御スーパーECT)。安全対策も盛り込まれ、サイドエアバッグ、VSC(横滑り防止装置)など当時考えられるものは取り入れられました。
こうしてイメージを一新されたカローラは、市場ではそのチャレンジが評価され概ね好評でした。
2001年1月、セダンとフィールダーに加えて新たなバリエーションとなる『カローラランクス』が登場しました。これは欧州市場をターゲットにした5ドアハッチバックで、かつてのFXが名を変えて日本国内にカムバックしたといえるでしょう。なお、ランクスには姉妹車として『アレックス』も同時に登場(カローラの名はつかない)、これはネッツ系のディーラで販売され、同じカローラ派生ということで実質的にスプリンターの後継車となりました。
2002年10月にマイナーチェンジを実施し、排ガスのクリーン化を実施。2004年4月にもマイナーチェンジ、内外装デザインをリニューアルし、エンジンの改良、ディーゼル車の廃止、排ガスクリーン化、カーテンエアバッグの採用など実施。
2005年12月、生誕40周年記念の特別仕様車『1.5X HID 40thアニバーサリーリミテッド』を発売。
なお、海外向けの一部地域(アメリカや東南アジアなど)では、ワイドボディ化されるなど日本仕様との差異が大きくなってきました。そのことが次世代モデルへの商品企画に大きく影響を与える事になりました。

次回で最終章となります。相変わらず長文ですが、もう少しご辛抱願います。



トヨタ カローラ 50周年記念祭 PART4

2017年02月26日 | クルマネタ

カローラ50周年記念祭、長々と続いてますが、6代目と7代目です。

6代目 EE/AE/CE90系 1987年5月(バン/ワゴンは10月)~1991年6月(バン/ワゴンは9月、FXは1992年5月)


(セダン1500SE?SEリミテッド?、1987年~1989年頃)


(セダン1500SEスーパーリミテッド、1990年~)


(レビン1500ZS、1989年~)


(FX3ドア、1500FX-ZS、1989年~)


(バンDX)


(ワゴン1500Lツーリング、1989年~)

この世代で全シリーズがFF化され、初代より続いたFRから決別となりました。バリエーションはセダン、レビン、FXに加え、モデルチェンジが見送られていたバン/ワゴン系もようやく一新されました。
クラウンやマークⅡなどのハイソカーブームに影響されるかたちで上級車種を思わせる雰囲気に変身、もともと廉価な実用車で幅広い需要に支えられてたカローラですが、特にこの世代は好景気の時期だったこともあり、大いにヒットしました。

【セダン】
FFになってからの初の世代交代では、5ドアは消滅し4ドアのみとなりました。先代のキープコンセプトながら、クラウンやマークⅡを意識したような内外装デザインでコンパクトカーながら堂々とした佇まいに変身されました。
基本構造は先代の発展版でしたが、エンジンではメインの1.5リッターにハイメカツインカムと呼ばれた実用型のDOHC16バルブエンジン(5A-F)を新たに採用したのが注目でした。当初はキャブ仕様でしたが、翌年にはEFI仕様(5A-FE)も追加。他は1.3リッターOHC(2E)、スポーツツインカムの1.6リッターDOHC EFI(4A-GE)、ディーゼルの1.8リッターOHC(1C-L)を搭載。ミッションは従来同様に4速MT、5速MT、3速AT、4速AT。一部モデルに電子制御サスのTEMSや4輪ABS(当時はECSの名称)が設定されました。
少し遅れて、カローラ史上初となる4WD(4輪駆動)モデルが登場、フルタイム4WDでエンジンはハイメカツインカムの1.6リッターDOHC(4A-F)を搭載、降雪地域などで重宝されました。
1989年5月のマイナーチェンジではDOHCエンジンはすべてEFI仕様に統一、さらに1.5リッターには高出力版のEFI-S仕様(5A-FHE)を積んだ最上級モデル、SEリミテッドGを新設。4WDにはディーゼル2リッター(2C)を追加。
モデル末期の1990年には特別仕様車のSEスーパーリミテッドを発売、サイドプロテクトモールやドアハンドルがボディ同色でエンブレムがゴールドになるなど、小さな高級車といった雰囲気で、好評を博しました。

【レビン】
FRの駆動方式は惜しまれつつ終焉を迎え、ここからレビンもFFに切り替わりました。3ドアは廃止され、2ドアのみに。上級車種のソアラを思わせる端正な雰囲気が当モデルならではの特徴でした。
エンジンは全車DOHC化され、ハイメカツインカムの1.5リッター(5A-F)、1.5リッターEFI(5A-FE)、スポーツツインカムの1.6リッターEFI(4A-GE)、さらにハイパワーなスーパーチャージャー仕様(4A-GZE)が新たにラインナップされたのが目玉となりました。
1989年5月のマイナーチェンジでエンジンは全車EFIに統一、1.5リッターには高出力のEFI-S(5A-FHE)も追加。
どうしても、FRだった先代80系の影に隠れてしまうのが痛いところでしたが、それでもファッショナブルなデートカーやスポーツモデルとして重宝され、販売台数自体は歴代のレビンの中でもトップクラスだったそうです。

【FX】
先代同様、セダンモデルをベースに車体後半を2ボックス状のハッチバックに仕立てた成り立ちで、3ドアと5ドアのふたつのボディを設定しました。引き続き上級志向の強いコンセプトのハッチバックでした。エンジンはセダン系と同じ1.3リッター(2E)、1.5リッター(5A-F/5A-FE)、1.6リッター(4A-GE)。
1989年のマイナーチェンジで1.3リッターは廃止、全車DOHCのEFI化、他のシリーズ同様、1.5リッターのEFI-S(5A-FHE)も新設されました。

【バン】
商用モデルのバンも久しぶりに世代交代され、ここからようやくFF化されました。セダンをベースにルーフを伸ばした車体構造ですが、ヘッドライトが規格品になるなど外観は簡素でした。足周りも乗用系とは異なり、リヤサスは独立懸架ではなく、リーフリジット(板バネ+車軸懸架)を踏襲しました。エンジンはDOHCは採用されず、すべてOHCで1.3リッター(2E)、1.5リッター(3E)、ディーゼル1.8リッター(1C-L)。コスト、耐久性、信頼性が重視される商用車ならではのシンプルな設計でした。

【ワゴン】
バンと同時にモデルチェンジされました。ビジネスワゴンとツーリングワゴンに大別され、前者がバンと同じエンジンと足回りを採用した廉価版、後者が乗用系と同じ足回り(4輪ストラットの独立懸架)とエンジン(1.5リッターハイメカツインカムの5A-F)を採用した乗用ユース向けの仕様でした。1989年のマイナーチェンジでツーリングワゴンのエンジンがEFI化(5A-FE)されました。


7代目 EE/AE/CE100系 1991年6月~1995年5月(セダン、レビン)、1991年9月~2000年8月(ツーリングワゴン)、1991年9月~2002年7月(バン、ビジネスワゴン)、1992年5月~1995年5月(FX)、1992年5月~1998年6月(セレス)


(セダン1600SEリミテッド4WD、1993年~)


(FX1600GT、1994年~)


(セレス1600X、1992年~94年頃)


(バン1300?1500?DX、1994年~98年頃?)
※公の機関の車両ゆえ、ナンバープレートの画像処理はしていません。


(ワゴン1500Gツーリング、1997年~)

すんません、レビンの画像はありません。いかんせん、なかなか姿を見ないので…(汗)

バブル経済の絶頂期に開発された事もあり、一段とクオリティを高めたのが当モデルの特徴でした。単に豪華になっただけでなく、電気配線などの目に見えない箇所の作りこみも徹底された他、CIASと呼ばれた衝撃吸収ボディ、サイドドアビームや後席用の3点式シートベルト、SRSエアバックの新設定など、安全面の配慮も重視され、信頼性や安全性を高めた、小さな高級車といえる小型車へ一新されました。セルシオの開発と発売もカローラクラスのクオリティアップに繋がったのもしれません。
セダン、レビン、FX、バン、ワゴンという相変わらずのワイドバリエーションでしたが、この世代では4ドアハードトップにセレスも仲間入りされました。なお、バンとワゴン系は2000年代初頭まで継続され、ロングセラーとなりました。

【セダン】
水平基調のフォルムは踏襲しながらも、張りのある曲面で構成された外観は見るからに上級感が高くなりました。シャーシなどの基本構造は踏襲されてるものの、ホイールベースが延長されるなど、着実に改良されていきました。
エンジンはDOHC16バルブとなる1.3リッター(4E-FE)、1.5リッター(5A-FE)、1.6リッター(4A-FE)の各ハイメカツインカム、スポーツインカムの1.6リッターDOHC(4A-GE)はVVT化(可変バルブタイミング)と20バルブ化を果たしました。一方でディーゼルは2リッター(2C)に1本化されました。ミッションは前例同様、MTが4速と5速、ATが3速と4速。当初はFFのみでしたが、遅れて4WDモデルも追加されました。
オートライトやパワーシートのなどの豪華装備が盛り込まれた他、冒頭に書いたように安全性も高められました。
しかしながら、バブル経済が崩壊して世の中は不況に、先代よりも高価になったため、高い完成度を誇りながらも世間では批判も少なくありませんでした。ただ、高価になったとはいっても、先代ではオプションだったエアコンが上級グレードでは標準化されたりしてるので、一概には高すぎるとはいえない面もあったとは思いますが。
そういう流れを受け、1992年5月に特別仕様車LXリミテッドを発売、低価格ながら高級感が高く好評を博しました。1993年5月のマイナーチェンジではエアコンの冷媒を新ガスに変更したり改良されましたが、一方でコスト削減の影響でパワーシートなどの豪華装備が廃止されました。LXリミテッドは好評のためカタログモデルへ昇格。
その後、特別仕様車としてSEリミテッドサルーンとLXリミテッドサルーンを発売、モデル末期に備えていきました。


【レビン】
ダイナミックな曲線を採用した外観はライトウエイスポーツというよりは、本格的なスポーツモデルがスケールダウンしたような、重厚感ある雰囲気に一新されました。
エンジンは先代の改良型ですべてDOHC、ハイメカツインカムが1.5リッター(5A-FE)と1.6リッター(4A-FE)。スポーツツインカムが1.6リッター(4A-GE)と同スーパーチャージャー(4A-GZE)ですが、前者は新たにVVT化(可変バルブタイミング)と20バルブ化されました。
足回りでは従来のストラットをベースにリンク構造を改良したスーパーストラットサスペンションの採用が注目でした。また、先代同様にTEMS(電子制御サス)も設定されてました。
大幅な進化を遂げ、クオリティを高め、完成度も増しましたが、それゆえに車重が増加してしまったのが唯一の難点でした。
1993年5月にマイナーチェンジされ、後期型へ移行されました。

【FX】
他のシリーズより遅れてモデルチェンジ。海外向けのハッチバックモデルは5ドアや小排気量エンジンの設定は継続されましたが、国内向けは3ドアのみとなり、エンジンも1.6リッターのみに整理(4A-FEと4A-GE)されました。レビン同様にスーパーストラットサスペンションも採用。完全にスポーツハッチバックへ割り切られました。
しかし、その割り切りは販路を狭くしてしまい、販売は低迷。FXシリーズはこの代で終了。その後、日本国内でのハッチバックモデルはカローラランクス登場までおあずけとなりました。ただし、海外市場、特に欧州ではでは引き続きハッチバックは主力モデルとして君臨されていました。

【セレス】
1992年5月、カローラシリーズに新たな仲間が加わりました。4ドアハードトップのカローラセレスです。これは4ドアといってもスタイリングを重視したスペシャリティ志向のモデルで、4ドアスペシャリティとして成功していたカリーナEDの弟分といったコンセプトでした。キャビンを絞り込み、豊かな曲線と曲面で構成された滑らかなスタイリングでオシャレに装いました。室内は狭く、実用性は低かったですが、ファッショナブルなパーソナルカーとして注目されました。
エンジンは1.5リッター(5A-FE)、1.6リッター(4A-FE、4A-GE)の2サイズ3チューンを用意。
1994年にマイナーチェンジ、1995年にカローラシリーズはモデルチェンジされますが、セレスは継続。ただ、エンジンなどコンポーネントの改良は実施。1997年には他のシリーズに併せて6速MTの採用なども行いますが、4ドアスペシャリティ市場の縮小で1998年に終了となりました。

【バン】
セダン同様に丸みを帯たシルエットへ変化し、車体サイズもやや拡大されました。足回りは商用車専用設計で、先代同様にリヤサスはリーフリジットを継承されました。エンジンは引き続きOHCでガソリンは1.3リッター(2E)、1.5リッター(3E)、ディーゼルは2リッターへ(2C)拡大。なお、ディーゼルには4WDも設定されました。
1994年1月のマイナーチェンジでは、ガソリンエンジンをハイメカツインカムの1.3リッター(4E-FE)、1.5リッター(5E-FE)へ換装、これでカローラシリーズのガソリンエンジンは全DOHC化を果たしました。
1995年、8代目モデルが登場しますが、バン/ワゴンは当モデルを継続、それ以降の経歴は次回に。

【ワゴン】
バンと同時に一新されました。先代同様にバンと同じ足回りとメカニズムを採用した廉価版のビジネスワゴン、乗用系と同じ足回りとエンジンを採用したツーリングワゴンを設定。ツーリングワゴンは当初は1.5リッター(5A-FE)のみの設定。スバルレガシィのヒットで火のついたステーションワゴン市場の拡大の影響でツーリングワゴンが注目され、地味ながらも人気を博しました。
1993年5月、ツーリングワゴンをマイナーチェンジ。続いて1994年1月にビジネスワゴンをマイナーチェンジ、バン同様にガソリンエンジンをDOHC化されました。
次世代の8代目登場以降もバン/ワゴンは継続されていますが、その後の経歴は次回へ。


まだ続く…。