新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

民主主義のコスト

2007年06月11日 19時06分28秒 | 政治・経済

 年金問題が国会論戦の的となっている。野党は、5000万件の不明問題を、政府・与党の落ち度と決めつけ、躍起になって追及している。おそらく野党は、社会保険庁に対し、矢継ぎ早やに資料要求を繰り出しては新事実を掘り起こし、質問のネタを探して内閣の醜態をあからさまにしようとしているに違いない。社会保険庁は、今回の失態で浮き足立ってしまい、組織統制が乱れている。どの党からどんな資料要求が来ているか、把握仕切れずにその日暮らしに陥っているのではないか。
 一方の政府・与党は、身をかわす暇もなく新事実を突きつけられ、勘所を押さえた対策案を作れずに、バタバタ慌てふためいていて、眼が虚ろだ。
 野党にしてみれば、参院選の肝腎なこの時期、思わぬ大物を釣り上げそうなので、ここをせんどと責め立ている。与野党逆転のチャンスだとばかりに、はしゃぎ捲って攻めている。底の浅い某議員は、「だったら政権を渡してください!」などと、タイミング悪いセリフを口走っていた。品格がない。
 ひたすら沈静化を図ろうとしている政府・与党と、望外のチャンス到来とばかりにはしゃいでいる野党では、実の入った議論にはならない。「臭いものに蓋」の政府・与党と「揚げ足取り」の野党。これが国会の姿だ。彼らは、「誰のために議論しているのか」という根っこの目的を見失っている。選挙に勝つために攻めて、選挙に勝つために守っている。
 民主主義は多数決。国会で多数を占めなければ、どんな良策も実現しない。だから躍起になるのは分かるが、大事なことは、「国民のためになるのは、どんな方策か」でなければなるまい。時間を浪費しているとしか思えない。これが民主主義の宿命なのだろうか。民主主義はコストがかかる。
 国民の望みは、政局より政策なのにねえ。


 

コメント
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