新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

コムスン問題

2007年06月09日 15時15分00秒 | 社会・世相

 厚生労働省は6月6日、訪問介護最大手のコムスンに対し、全国に展開する約2000事業所のうち約1600事業所について、介護事業所としての指定を更新しないと決定し、都道府県に通知した。
 ヘルパー数水増しなどの虚偽申請によって、不正に事業所指定を取得していたことが、今回の処分となったものである。
 ところが驚いたことに、コムスンの親会社であるグッドウイル・グループは、コムスンの全事業を別の子会社に譲渡しようとした。事業を譲渡してしまえば、処分逃れが出来るとのワル知恵を絞ったのだ。
 世間はそれを許さなかった。法律上は適法でも、道義的には許せるものではない。日本の安心を支える介護事業ではないか。瞬く間に大反論が巻上がった。
 腰の重い厚生労働省も、さすがに腰を上げた。6月7日、コムスンに対し、事業譲渡を凍結するように行政指導した。法律的には適法なグッドウイル・グループの行為を、行政指導が制止しようとしたのである。
 我が国は法治国家だ。ザル法も法。その法律を道義の尺度でねじ曲げて、行政指導をしようとしている。今回の措置を私は支持する。しかしながら、法律を行政指導によってねじ曲げることに変わりなく、他に悪用されるリスクは残る。法治国家ではなく、裁量国家になってしまう。
 もともと法律は、「性善説」によって出来ている傾向があるように思う。ところが世の中には、ワル知恵発達者がウヨウヨしている。やはり、「人を見たら泥棒と思え」という用心深さは必要だ。ワル知恵の固まりのような議員や官僚が、法律を作る時だけ善人になっているのも妙な話。

国民の安全や安心を支えるべき「年金制度」や「介護事業」が、国民を不安に陥れている。
「年金制度」は、少子・高齢化や無駄遣いによる財源の不安に加え、今頃になって管理の杜撰さが露見した。安倍首相は1年以内にメドをつけると表明しており、自民党の選挙公約にも入れそうな雰囲気だ。いい加減な管理のツケは、根っこが深い。不具合はこれからもどんどん発覚しそうだ。どのように収束出来るのか、極めて不透明。是非とも明解な解決を求めたい。
 一方、介護事業は、業者の不誠実な事業展開のあり方が指摘された。無理を承知で無理をし、嘘をつきながら事業拡大を図ろうという魂胆だったのだろう。サービスグレードを二の次として、目先のシェアー拡大や採算性の追求に眼を奪われていた。株価対策も念頭にあったに違いない。このような経営者による介護事業に、私は大いなる恐怖を感じる。小細工を止めて、福祉事業からの撤退を求めたい。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする