ここのところ、原油が高騰している。産油地域の混乱はいつもの通りだが、投機筋の介入も噂されている。このようなことは今に始まった話ではなく、絶えず言われている脅しの文句。いまさら気に病んだり驚いたりするようなことでもあるまい。石油資本、軍需産業、大資本などは、昔からやりたい放題で困ったことなのだが、その連中に頼んで収拾する以外に打つ手はないようだ。つまりは、極く一部の連中のマッチポンプってことか。
マヨネーズが値上げ、トイレットペーパーが値上げ、ガソリンがまたまた値上げ……。需要と供給のアンバランスが自然現象なら諦めもするが、誰かの儲けの手段として操作されたンでは、ハラも立つではないか。
もっとも、自分ではなんの努力もしていないのだから、ハラを立てる資格はないのかもしれない。ゴミは出す、クーラーは廻す、自動車には乗っている……。
その点で、高齢者特別講習を受けてまで免許更新をするのは、一種の反社会的行為と言われても仕方がないのだろうか。まず第一に「危険!」。二番目は、「年寄りに車は不用」つまりエネルギーの無駄遣い。三番目は……。
今頃ゴチャゴチャと言っているが、実は去年の夏、特別講習を受けて免許更新をした。受ける前に少しは考えたのだが、妻の強い要求を受け入れたのである。幸か不幸か、妻は私の運転技術を買っている。
講習を受ける教習所は何処でもいいとのことだったので、家から最も近い市内の教習所を選んだ。
窓口の応対は、丁寧で親切だった。40年前に免許取得をした際の運転講習とは大いに違っていた。視力検査、若干の講義、運転適性検査の後、運転実技のテストがあった。
1台に1名の試験官と受講者3名の組み合わせで、実技がスタートした。試験官がコースを一巡した後、受講生の運転となった。もちろん3名とも70歳を越えている。
試験官は初めから、「このテストで不合格になることはありませんので、どうか落ち着いて運転して下さい」と言っており、和やかにテスト開始となった。
最初は女性(つまり老女)で、それはそれはひどい運転だった。
「あっセンセ、右折でしたよねっ……。ここは坂道発進ですか!あっどうしましょう!」といった有様の運転なのだ。脱輪もあって、大騒ぎ。こんなドライバーが走っていると思うと、ソラ恐ろしい。
もう一人は私より若そうな老人で、まあまあの運転だった。最後は私。自分では上手くやれたと思っている。とは言っても、悪いクセはあるだろうし、あとで指摘や指導があるのだろうと期待していた。
しかし、指導も指摘もなく、
「どうもお疲れ様でした。次回も是非当校をご指名下さい」という挨拶で終了。
お陰様で、なんの問題もなしに免許更新が出来た。つまり、70歳以上でも、6000円を払い込み、半日ほど教習所をウロウロすれば、更新出来るのである。
まるで、老人から6000円をふんだくるシステムのようだ。
次回の免許更新は平成21年の夏。75歳。さあどうするか。
「考えるまでもなく、元気なら、絶対に更新しなさいよ!」と言ってくれる人もいる。「確かに考えもンだねえ」と言うひともある。
老人の事故率は高い。歩いたほうが健康的。省エネにもなる。
考えもンだねえ。