お寺さんぽ Ver.03

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「両・分・朱」の貨幣制度 (歴史さんぽ)

2006年04月22日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日はひでるさん自身の勉強を兼ねて、ややこしい江戸時代の貨幣制度について書いてみたいと思います。
時代劇好きな人は是非お読み頂ければ。嫌いな人は…まぁ、よかったら見て下さい。今回は特にややこしいので。


江戸時代は世界でも稀有な例らしい「三貨制度」という、三種類の貨幣が別々系統に独立して機能しているという、厄介な制度でした。
経済史的にも、こんなんが二百年以上(江戸時代ね)続いていたのは、大変珍しいことだそうですよ。
そうですわね、分かりづらいもの。…これ。

”三種類の貨幣が別々系統に独立して機能”…と、舌噛みそうなのは、金貨が上位にあって、その下位として銀貨や銭が補助的役割をしていたのではない、ということです。
ちなみに、その三貨の互換性がないのは不都合(そりゃそうだ)なので、幕府は相場を金一両を銭四貫、銀なら六十匁相当としましたが、実際は金属価値の変動を受けて、これらもちょこちょこ変わったそうです。

※こんな感じ
貫(かん) : 四貫で一両
匁(もんめ): 六十匁で一両


●金貨●
金貨の単位は「両」です。時代劇で越後屋とかがお菓子の下に束でいれとくやつです。
「越後屋、そちも悪のう…」
「お代官様ほどでは…」
こんなんですね。
その「両」の下の単位としては「分」と「朱」などがあります。時代劇だと庶民生活…とかのシーンでは…ないか。板チョコみたいな小さい金色のやつがそうです。
ちなみに、一両は四分、一分は四朱となってます。

※こんな感じ
一両  : 小判ですね。これが最も想像しやすいのではないかと思います。
一分金 : 四枚で一両(ちなみに二分金というのもありました。これだと二枚で一両)
一朱金 : 十六枚で一両(ちなみに二朱金もありました。これだと八枚で一両)


●銀貨●
銀貨の単位は「匁」です。主に西日本で取引されていたようで、秤量貨幣として定着しておりました。(要するに重さがどんなもんかってー話)
だからデカイ銀貨と、豆粒のような銀貨が存在していたんですが、おつりとか出す際には秤にかけて切り取るという、面倒なことをやっていたそうですよ。
で、それは不便だってーので、こちらも金貨と同様に「分」と「朱」などをつくったようです。

※こんな感じ
五匁銀 : 十二枚で一両相当(要はこれで六十匁ですよね。秤から脱却するために製作)
一分銀 : 四枚で一両(板チョコみたいな小さい銀色のやつです)
一朱銀 : 十六枚で一両


●銭貨●
銭貨の単位は「文」です。こちらも想像しやすいと思います。真ん中に穴のあいた「寛永通宝」ですよ。
ほら、銭形のとっつぁん…でなくて「銭形平次」が投げるやつです。確かに最も安いものではありますが、もったいないですね。お金を粗末にするとバチ当たりますよぉ。後で拾っときましょう。
時代劇では、庶民生活のシーンなどでけっこう見かけると思います。
蕎麦食べるときとか。(※ちなみに今回写真は箱根のうどんですが)

※こんな感じ
四貫文 : 一両(要するに一貫で一分に相当する。下の紐のくくりが四本です)
一貫文 : 千文(銭一枚が一文、千枚で一貫文。千枚の銭を紐でひとくくりにしていたようです)


…おしまい。
なるたけ分かりいいように書いたつもりなんですが、どんなもんでしょう?
イラストとかあったら、なお想像つきやすかったんですが。

とりあえず何でも四進法なんですね、あの時代はなぜだか。
ちなみに、長屋の家賃はだいたい一ヶ月で四百文だそうです。

そこらのアパートの家賃がだいたい一ヶ月六万とすると、一文あたり百五十円。
(あるいは、昔の長屋程度なので、一ヶ月四、五万程度か、それ以下かもしれない)
それを一両にすると…六十万??合ってるよね?

一両(一人の取り分ね)で殺しを引き受ける仕事人ってのは…安い?高い?



※参考:新必殺仕置人[子の巻] 特典ブックレット 岡崎宣彦より。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (makoto-jin-rei)
2006-04-22 10:20:02
すみません、↑上のコメント、間違えて途中で送信しちゃったんで削除してください。





まさにこれ「時代劇鑑賞」の必須科目ですね。この時代は、幕府が決めた額面通りではなく、使う側がそれぞれ価値を決めていたところも面白いところです。

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削除しときました (ひでる)
2006-04-22 19:47:18
makoto-jin-reiさん、コメントおりがとうございます。

これ書いた後でもイマイチ金銭よくわかっていないひでるです。



蕎麦の値段は六~八文だったそうですよ。

一文あたり百五十円だと九百円??あれ??

もう少し安いんでしょうか?

何かこれがこの値段ってものがあったら教えてください。



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Unknown (makoto-jin-rei)
2006-04-22 22:41:06
う~ん・・・。江戸時代は長いし、地方毎にまったく違うので単純には今の貨幣と対比出来ないのですよね。所詮、お金はお米の補助通貨に過ぎないんですな。ただ、例えば「寛永通宝」。ちょっと大きくして、裏面に波線を入れて、幕府は今日からこれ「四文」って言ったって、庶民が認めなければ四文として使えなかった時代なんですよ。
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そうかー (ひでる)
2006-04-22 23:49:30
再度のコメントありがとうございます。

そうですかー…あの小判ってぇのがどんなもんか知りたいんですよねー。

…必殺見てると。



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