沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

真摯にリスタート

2022年02月20日 | 映画

 新型コロナウイルスのまん延防止法が沖縄県では21日から解除されます。県内の感染者数は減っていないので引き続き感染防止は必要ですが〝日常〟がリスタートすることを歓迎したいと思います。

 さて、今回のカテゴリーは「映画」ですが、本題に入る前にサラリーマン8郎の春の人事について記録しておきます。今回は期待通りの残留でした(昇級もなかったのですがこれは期待していなかったのでまあいいです)。数年続けていた特定部署への異動希望を今回はしなかったこともあって予想通りではあったのですが、とにかくほっとしました。過去に書いたように今年は8郎にとって勝負の年です。仕事が一番大事なのは言うまでもないのですが、アフターファイブでも注力しなければならないことがあるのです。診断士試験と愛息10郎の学童野球ラストイヤーのサポートです。もし異動で新しい仕事を覚えなければならない事態になっていたら非常に苦労していたと思います。比較的定時に帰れる現部署は上司同僚にも恵まれており(感謝)、2年目となる現在の担当業務なら必ずやこなせます。40代ラストイヤーであることを毎日肝に命じ、一日一日を全力で頑張りたいと思います🔥 50歳オーバーの世界では、どの部署でも、いや、どこにいようと戦力となれるようスキルを積んでおきたいと思います。

 いつかサラリーマンとして大きな決断を迫られるとき、すべてを会社のせいにする男でいたくないのです(組合にはゴロゴロいますね。8郎は組合は必要な組織だと思いますが、現状を見なくなってしまった組織は機能しません。組合に入っていれば何とかなる、という考えはそもそも持っていませんので現在脱退中です)。そんな姿を10郎に見せたくないのです。

 

 本題に入る前に写真を一枚。愛息10郎、コロナで練習自粛中に体がなまっていたのか、ある夜いきなり「お父さん、明日朝早くからランニングしよう」と誘われました。一年で一番寒い時期ですし、遺伝的に朝に弱い体質だというのは父が一番よく分かっていたので「どうせ起きられないだろう」とたかをくくりOKしました。翌朝午前6時15分、「おい起きろ!」と声をかけられたので寝ぼけまなこで部屋の入口に目をやると、160㌢のスパルタ軍曹が立っているではありませんか! しぶしぶ起床し、付き合いました(笑)。と言っても走ったのは2㌔弱ですがね。父をどんどん置いてけぼりにする息子を頼もしく思いました。

 急に朝練をしようと言い出した理由は父には分かっています。先日一緒にYoutubeで見た、50戦無敗のまま引退した元プロボクシング5階級世界王者メイウエザーの名言『お前が遊んでいるとき、俺は練習している。お前が休んでいるとき、俺は練習している。お前が練習しているとき、もちろん俺も練習している』に啓発されたからです(笑)。息子の挑戦を精いっぱい応援しようと思います。

 2022年の最大の楽しみは、誰よりも大きなホームランをかっ飛ばし、強豪相手のマウンドで仁王立ちする君の姿を見ることです!

 

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 さて、遅まきながら今回のカテゴリー「映画」です。すべて自粛期間中の宅シネマです。1本目は2021年度アカデミー賞脚本賞『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020年、エメラルド・フェネル監督)です。Youtuberが絶賛していたのでTSUTAYAでレンタルしてみました。

映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』予告編

7月16日公開の映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』の日本版予告編が公開された。 詳細はこちら https://realsound.jp...

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 感想はというと、合いませんでしたね~。アメリカ映画らしい〝道徳性の欠如〟が至るところに感じられ、終始不快感が続きました(笑)。こんな生き方をしていたら悪い方向にしかいかないでしょ、っていう。文化の違い、そもそも個人の自由で仕方ありませんが。つくづく、日本に、そして沖縄に生まれてよかったと思わざるを得ません。あの復讐劇のてんまつのどこが成功でハッピーエンドなんでしょうか。弱い者の精いっぱいのリベンジ劇かもしれませんが、あとに残るのは悲しさだけです。次世代には復讐の仕方を教えるより、犯罪に巻き込まれない防犯能力、生き方を教えるべきだと痛感させられます。男性優位社会に女性目線から強烈な異議申したてをしたという意味では傑作かもしれませんが、人間っていやな生き物だとつくづく思わされる映画だとも感じました。好きな人ははまる作品でしょうけど。

 

 2本目はサクっと楽しめた邦画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(2011年、秋元康・総合プロデュース)です。『プロミシングー』で暗い気分になっていたあとだけに、さわやかな気持ちをいただきました。やっぱり邦画が一番ですね! 弱小野球部を女子高生マネージャーが甲子園出場に導くという青春ストーリーもよかったのですが、それ以上に、タイトルにもなっている世界的経営学者ドラッカーの思想に触れることができたのが一番の収穫でした。

 

映画 『もしドラ』 予告編

楽天エンタメナビで作品情報をチェック! http://entertainment.rakuten.co.jp/contents/00000...

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 ドラッカーには名著『マネジメント』があります(国家試験「企業経営理論」合格者の8郎なので当選読んだこと・・・ありません!)。その名著から主人公の女子高生マネージャーが得た『最も大切なのは真摯さ』という言葉。8郎も強く共感しました。どれだけ立派な理論があっても、それを真摯に守る、続ける精神がないと中身のないものになってしまいます。真摯さが欠如した者だけは高い地位につけてはならない」とおっしゃる偉大なるドラッカー先生は幾多の研究の末にそうたどり着いたわけですね。どこかの会社からは消えた言葉です。中身を伴わないパフォーマンスを繰り返し、人事権者の権力集中に陰で貢献することが高く評価される社風に10年前から成り下がっているためです。

 備忘録的にドラッカーの言葉を抜粋しておきます。興味のない方は飛ばしてもらって結構です。 


 人の強みでなく、弱みに焦点を合わせる者をマネジメントの地位につけてはならない。人のできることはなにも見ず、できないことはすべて知っているという物は組織の文化を損なう。何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者も昇格させてはならない。仕事よりも人を問題にすることは堕落である。
 真摯さよりも、頭脳を重視する者を昇進させてはならない。そのような者は未熟である。有能な部下を恐れる者を昇進させてもならない。そのような者は弱い。判断力が不足していても、害をもたらさないことはある。しかし、真摯さに欠けていたのでは、いかに知識があり、才気があり、仕事ができようと、組織を腐敗させ、業績を低下させる。
 真摯さは習得できない。仕事についたときにもっていなければ、あとで身につけることはできない。真摯さはごまかしがきかない。一緒に働けば、その者が真摯であるかどうかは数週間でわかる。 部下たちは、無能、無知、頼りなさ、無作法など、ほとんどのことは許す。しかし、真摯さの欠如だけは許さない。そして、そのような者を選ぶマネジメントを許さない。 

 8郎が20年前の入社時からこの会社に感じ続けていることをドラッカーが歴史的な名著で完全に指摘してくれました。試験に合格したあと、名著を手にしてみたいと思います!

 

 さて、3本目は予想に反して(失礼)面白かった学園ミステリー『暗黒女子』(2017年、耶雲裁治監督)です。テンポよい展開と鮮やかなどんでん返しを家族3人で楽しめました。大事なキーワードは「あたしだけが主役! そしてあたしを引き立てる脇役が必要なのよ!」です(怖)。

映画「暗黒女子」キャラクター予告(白石いつみ篇)

映画「暗黒女子」キャラクター予告! 「白石いつみ篇」を解禁しました!!! 映画『暗黒女子』 http://ankoku-movie.jp/...

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 ミステリーとして評価がもっと高くていい映画だと思いますが、女子高生数人の人間関係にどっぷりと浸ってしまうので、その世界観の狭さが足を引っ張っているのかもしれません。娘がいない48歳のおじさんには新鮮で面白かったです。世の中のおじさんたち、作品選びに迷ったときはどうぞ。県出身の玉城ティナさんもご活躍です。

 

 そして最後の1本は今回、というかここ最近でイチオシです。先日BSでやっていたのでご覧になった方も多いでしょうが『怪しい彼女』(2016年、水田伸生監督)です。いい映画でした。8郎も一緒に見ていた妻子に隠れて泣いてしまいました。

映画『あやしい彼女』予告篇

映画『あやしい彼女』予告篇です。 2016年4月1日(金)ロードショー!

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 73歳の高齢女性が謎の写真館で写真を撮った瞬間に20歳の体に戻り、孫のバンドに入って大ブレーク、理想の恋人との出会い、娘孫との関係修復っていうファンタジーな設定なのですが、子や孫との世代間のギャップを乗り越え、お互いに生きることの大切さを共感できるという素晴らしい内容となっています。コメディー要素もふんだんです。ご家族で見るべき映画ですね。

 一番素晴らしかったポイントは、昭和世代の生きざまをリスペクトしながらも、けっして次世代の気持ちを無視していないところです。それが見事に交わって、すべての世代向けの作品に成就しているような気がします。次世代への視点が欠けているものほど、自分勝手な作品はありませんからね。ここ10年程、特に某公共放送の朝ドラはじめ、世の中の商品が〝昭和世代礼賛もの〟ばかりであふれているような気がします。金と権力持ってる多数層だから仕方ないかもしれませんが、過去を懐かしむだけでは次世代に夢を与えることはできませんよね。この映画にはそういったところはなく、個人的にはここ数年で見た映画でもベスト10には入ります。ちなみに韓国映画のリメイク版だそうです。

 以上です。邦画3作はすべておススメです! 

 

 さて、現部署残留が決まったことで、心も落ち着きました。年間計画を立てることもできます。コロナ制限も大方解除されますので、あとはやるべきことを真摯にやるだけです!