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ゲームを止めた子

私は若いころ、6年生の6月からゲーム禁止令を出していました。

「え?だめ?そんなの横暴だ!」
とか
「え、いいじゃん。1日30分しかやらないんだし。」

大ブーイング。それでもまあ、しぶしぶやめていた子がいたのですが、中年になってから、このゲーム禁止令を出すのを止めてしまいました。

基本的に、ゲーム禁止令を出しても、やる子はやるのです。友だちの家に行ってやる子もいれば、隠れてベットでやる子もいる。かえって目が悪くなるだけ。自分で判断して自分でできなければ意味がないな、と感じたからです。

ある日、お母さんと面談をしていた時のこと。

「先生、ゲームを止めろ、ってうちの子に言っていただいたんでしょうか?」
と聞かれました。

「いいえ、何も。」
と答えると、お母さんは不思議そうな顔をして

「そうですか。昨日、うちの子、ゲーム機を持ってきて『入試まで預かってくれる?』っていうんです。てっきり先生に言われたのかと思って。」

彼は自主的に止めたのです。

あとで聞いてみると、こんな話でした。

過去問をやっていて、できない問題が一問あったそうなのです。ここまで考えてもできないんだから、もう、いい、答えを見ようか、と思ったけれど、ちょっと悔しい。いいや、もう少し考えよう。というので、ずーっと考えていた。そうしたら、ふと思いついた。もしかすると? というので、解いてみると、答えが出た。答え合わせをしてみると、正解。

「ゲームと同じなんだ。できないから、繰り返してやる。問題もできないからといって、あきらめちゃ、もったいないんだ。」

そうなると、算数の問題を解くのがおもしろくなってきた。できない問題をウンウンうなって考えるのが、結構楽しい。今のうちは、入試があるから、こっちをやった方がいいや、ということになったようです。

やらされる勉強をしていると、こうはなかなかならないが、それでもいくつか成功体験をしていくうちに、「おもしろい」という気持ちが出でくると、価値観の転換が起きます。

ゲームもいいが、こっちもいい。

こういう転換は、成功体験が元になることが多い。むずかしいことができるようになるから、おもしろくなる。これは実はゲームも同じなのです。

何がきっかけになるかは、わかりませんが、しかし、もうこの時期、やらされる勉強では成績は伸びません。

うるさく言っても、そう変わるものではない。

それよりも、いかに成功体験をさせるか。こちらの方に視点を向けた方が、価値観の転換につながるように思います。この転換がひとつの成長と言えるかもしれません。

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