ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

「空の」理念は素晴らしいのですが

2012-04-28 07:53:27 | 逆腹式呼吸

 体の中にあるものを全て吐き出すという呼吸法は、「空」の理念から発していると云われています。 「空」の理念そのものは、素晴らしい考え方だと思っております。

 ただし、胸も下腹の丹田も、同時に吐き出すということが、体の生理から考えて正しい考え方であるかは、疑問に感じております。

 先ず、胸を普通の状態から吐き出すのです。 大きく息を吸った状態からではなく、通常の胸の大きさから吐き出すため、胸は縮むのです。 また下腹の丹田もそこから吐き出すために、通常の状態から縮みます。

 はじめに同時に吐き出すときに、胸も下腹も通常の状態から縮みます。 息を吸うときには胸は、縮んだ状態から通常の状態に戻るのか、更に大きく膨らむのかは、私自身は体験したことがありませんので、分かりません。 また下腹の丹田は、元に戻るのか、更に大きく膨らむのかも分かりません。

 「空」の理念による呼吸法は、胸も丹田も、同じ動きをすると考えられています。 息を吐き出す時には胸も丹田も縮み、息を吸うときには胸も丹田も元に戻るか膨らむのです。

 私は、「空」の理念を否定するものではありませんが、その理念を呼吸法に適用した点に、無理があると感じております。

 私は我流の逆腹式呼吸を通して、私たちが生来持っていたと思われる気感を取り戻し、下腹の臍下丹田が短期に動き出し、私たちの誰もがお母さんのお腹にいた時に行なっていたであろう胎息(肺呼吸を伴わない気の呼吸)を、感得してきました。

 私の我流の逆腹式呼吸が決して無理のない、自然の動きの中でおこなわれてきた証査ではなかったのかなと思うのです。

 胸も下腹も通常の状態から、大きく息を吸いゆっくり息を吐く呼吸の行い方が、ごく自然の動きではないかと感じるのです。 息を吸った時には胸は拡がり、息を吐いた時には胸は元に戻る。 息を体の中へ吐く(丹田に向けて)時には、丹田は吸う関係になり、従って息を吸うときには、下腹の丹田は吐く関係にあるということです。 空気を吸う胸の動きと気の呼吸を行う丹田とは、表と裏の関係にあるということを感じています。

 「空」の理念による順腹式呼吸は、体の生理、仕組みを無視した呼吸法ではないかと、改めて感じてしまうのです。


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