私が生まれて初めて呼吸法を伴いながら座禅を行ったのは、今から20年ほど前のことです。 大学のクラス会を一泊泊まりで行った時に、千葉に住む級友が、今度、多摩センターで気功の静かな功である静功を行うことになったと云フ話を聞いた時にはじまります。
その時、丁度、胸に違和感を感じていて、知り合いの看護師の方に、何処で検診したら良いかを訊ねていた時でした。 気功は体に良い影響を与えると云フことを、何となく感じていましたので、参加するかどうか考えました。
月の参加費も週一回で32000円と高く、入会金と参加費で最初に3ヶ月分を持参しなくてはならないので、躊躇しましたが清水の舞台から飛び降りる感じで参加することにしました。
自分でもよく分からないのですが、とりあえず本屋さんで気功の基本的なことが書いてある本を買い求め、どうやら長く吐く呼吸が大切であることを知ったのです。
初めて参加した静功の会で、真っ暗になった部屋で1時間、胡座を組んで静かに座ることになりました。 中国からの留学生である先生は、胸の中心が燃えるようなイメージで、座って下さいと云われましたが、私自身は、ひたすら深呼吸の要領で大きく息を吸って、出来るだけ長く息を吐いておりました。
すると45分ぐらいになった時に、電子の輪の帽子を被ったような状態になったのです。 そんな体の微妙な変化に興味を持って、毎晩1時間の座禅を始めました。 昼間もちょっとした時間を使って、軽く目を閉じて長く吐く呼吸を行なっていました。
結果的に1ヶ月半後に、自発動と云う形で下腹の臍下丹田が活性化して、心臓のように鼓動をはじめたのです。 それ以来、何時も体の中を流れる気を感じながら、毎日の生活を送るようになりました。
背骨のある背中や、頭蓋骨と頭皮の間を流れる気を、何時も感じております。 特に後頭部から駆け上がって来た気が、頂部からおでこに流れて、目の中心部の奥に流れ込みます。
その時に眼の奥の視床下部周辺に、強い力がかかることを感じます。 目の奥に入り込んだ気は、上の歯の根元にそっと付けた舌を通して、胸を通りしたはらの臍下丹田に還ります。