私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

「Out of Africa」、ケニヤ、ハイチ

2024-07-17 20:39:37 | 日記
 米国の大統領選挙、NATO、台湾問題、ウクライナ、ガザなどで大騒ぎですが、もし、我々が未来に絶望せず、希望を持ちたいと思うならば、凝視すべき方角は別にあります。
 カレン・ブリクセン(1885-1962) のケニヤでの生活の物語「Out of Africa」、和訳では「アフリカの日々」、を優れた文学作品として味読した人々も少なくないと思います。私もその一人でした。「愛と悲しみの果て」という優れた映画にもなりました。
 私はこの Out of Africa という言葉に別の響きを持たせたいと思います。過去数世紀ヨーロッパ(米国を含む)によって散々に痛め続けられてきたアフリカから (out of Africa)、全ての人間が、その日々を、人間らしく暮らすことが出来るようになる大きな希望が誕生しようとしています。私がケニヤとハイチという二つの特別の場所を挙げたのは、今、その誕生の陣痛が最も激しい場所であり、もっとも注目すべき場所であるからです。最近の記事を二つ挙げます。ケニヤについては、
Kenya: Everything Must Fall. Everything Must Change.


ハイチについては、
Haiti May End Up Foiling U.S. Plans for Kenya


をご覧ください。翻訳すると良いのですが、長い記事なので、今の私の力には余ります。しかし、さっと覗いてみるだけでも、何が起こっているかを感じ取ることが出来ると思います。ケニヤでは、若者たちが一斉蜂起して、今度こそ、真の独立を目指し、ハイチでは、米国がケニヤ人軍隊を米国の傭兵集団に仕立てて、ハイチの独立運動を今回も圧殺しようとしているのですが、ここに来て、Jimmy “Barbecue” Cherizier(ジミー・“バーベキュー”・シュリジエール)という変な呼び名の豪傑男が出現して、かつてのハイチの独立運動の偉大な指導者(結局は米国によって排除された)アリスティードの衣鉢を見事に継承しようとしています。英国BBCなどの一般報道では、この男は人々を殺すのを何とも思わない暴力ギャング団の頭目として描かれていますが、真実は、私の恐らく過度の持ち上げ方とBBC報道との中間にあるのでしょう。
 もう一ヶ所注目していただきたいのは Burkina Faso という国、そしてこの見事な国を起こし、米国によって暗殺されたThomas Sankaraのことを想起していただきたいと思います:

現在のBurkina Faso を率いて、アフリカ大陸の広大なサヘール地帯からフランス、英国、米国を追い出しつつある若い指導者 Ibrahim Traore (イブラヒム・トラオレ、1988年生まれ、36歳) の力強い声も聞いてください。この名で探せば、YouTube で幾つも視聴することができます。例えば、


 過去十数年間、ケニア、ハイチ、ブルキナ・ファソ(トマス・サンカラ)などについて、私は多数のブログ記事を書いてきました。私の時間が尽きる前にアフリカの夜明けを目にすることが出来たことは幸いでした。初期の記事を三つ掲げておきます。興味のある方に読んでいただければ幸いです:

ケニヤが今こわれかけている(1)
ケニヤが今こわれかけている(2)

ケニヤが今こわれかけている(3)

藤永茂(2024年7月17日)

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