glimi

生きること:過去と未来とエスペラントと

雲母【ウンモ】

2022-02-02 07:27:05 | エスペラント
 寒い日の朝の空は白々しく見える。この色は子どもの頃眺めていた雲母の色に似ている。

 子どもの頃、家に鉱石標本があった。箱はボール紙か布張りだったか思い出せないけれど2段重ねで、包むような蓋がついていて留め金は小さな象牙の爪がついていた。色々な鉱石があったけれど目につくのは黄色い硫黄。マッチに使われていると誰かに言われ、燃やしてみたいと思ったけれどさすがにそれはしなかった。水晶の棒と雲母。
どちらも光を反射させるけれど光り方が違う。水晶はきらきらと光り、雲母はチカチカと言うかテラテラというか地味な光り方をする。雪国で暮らしたことのある人は想像できると思うのだけれど、2月頃の寒い時期に雪は日中太陽の暖かさで少し溶ける。凍てつく夜になると水分が凍り付くので、雪に覆われた野原や田んぼチカチカと細かな光を反射します。それが雲母の地味な光り方に似ていて、私は好きでした。

 エスぺラントで雲母は glimo (グリーモ)です。日エス辞典はありませんが、エスエス辞典の注釈ではglimi (グリーミ)とは雲母のように光ることとあります。
 エスペラントで雲母という単語に出会ったのはトールキン(1892・1.3~1973・9・2)の指輪物語。私は日本語訳は読んでいませんが、エスペラント訳で読みました。訳者は幾度かノーベル文学賞の候補に挙がったウイルアム・オールド(1924・1・6~2001・9・11)です。エスペラント名は 'La mastro de l' ringoj'(ラ マストロ デル リンゴィ)。(表題はすべて大文字。)
 この中に大自然の夜空に瞬く星のさまをglimiと表現しています。その表現が気に入って私はハンドルネームを glimi にしました。

 La mastro de l' ringoj の本文の前に Filologo pri Esperanto という文があります。この文はオールドの翻訳ではなくトールキン自身の文です。彼がエスペランティストということはあまり知られていないと思いますが、1930年オックスフォードで開催されたエスペラント世界大会参加しているそうです。

 話が飛びます。私はルイスの’ナルニア物語’が大好きで、いまだに手放せずにおります。作者ルイスがエスペラントを学んだかどうか知れいませんが、トールキンの友人です。トールキンは子沢山で結構生活が苦しかったので、ルイスは時々トールキンを経済的に援助したと何かで読んだ記憶があります。さて、なにに書いてあったのでしょうか?

 今は巣ごもり生活です。La mastro de l' ringoj' は三巻からなる長編ですが、こんな時期を好機ととらえて読んでみるのも良いかとお勧めします。気に入った単語をメモに書き留めて挟んでおくと自分が後で文章を書きたくなった時に役立つでしょう。私も今本を開いたら、 husx, tju, ts など間投詞を書き留めた小さな紙が挟んでありました。
 

 
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