前代未聞の五つ巴

 「三つ巴」と云う言葉はあるけれど、「五つ巴」などと云う言葉は聞いたことがない。でも、今年のF1のドラーバーズチャンピョンシップを見たときに、「五つ巴」以外の言葉は思いつかない。2010年のF1はそれほど激しい戦いが繰り広げられている、平たく云えば近年まれにみる面白いシーズンだと云うことである。

 今更と云われそうだが、おさらいのためにチャンピョンシップを戦う5人のポイントを確認しておこう。

1位:マーク・ウェバー  202ポイント
2位:フェルナンド・アロンソ  191ポイント
3位:ルイス・ハミルトン  182ポイント
4位:セバスチャン・ベッテル  181ポイント
5位:ジェンソン・バトン  177ポイント

 何故今年のF1がこれほどまでに面白いのかと云えば、ポイントシステムの変更である。2009年の、優勝から8位までに10-8-6-5-4-3-2-1ポイントが付与されるシステムから25-18-15-12-10-8-6-4-2-1と優勝者には極端に厚く、2位以下のドライバーには薄く10位までにポイントが与えられるようになったのである。

 昨年までは、優勝と2位とのポイント差が2ポイントしかなかったために、優勝はなくとも確実に2位あるいは3位に入り続ければチャンピョンンになれると云うポイントシステムから、優勝者がよりチャンピョンに近づくポイントシステムに変更になった。つまり、圧倒的に速くなくても確実でさえあればチャンピョンンになれた時代に決別し、圧倒的に速いドライバーがチャンピョンになれるように変わったのである。

 シンガポールGP終了時点で4勝のウェバーとアロンソが1-2位、次いで3勝のハミルトンが来て2勝のベッテル、バトンが4-5位と云う結果が、まさに2010年の新しいポイントシステムを物語る結果である。

 上に書いた順位とポイントを見れば、一歩あるいは二歩遅れた感のあるバトンにしても1位ウェバーとのポイント差はわずか25ポイント。つまりだ、次戦鈴鹿でバトンが優勝、ウェバーがリタイヤでノーポイントともなれば(他のドライバーの順位にもよるが)、バトンが一気に1位のウェバーと同ポイントまで詰め寄ることが可能なのである(同ポイントとなっても、優勝回数でウェバーの方がランキングでは上位となる)。フジテレビのF1全戦放送開始以降、23年間F1を見てきた郷秋<Gauche>であるが、これまでに二強対決や三つ巴の見ごたえのあるシーズンは数あれど、五つ巴は初めてだなぁ。

 FIAのカレンダーによれば残り4戦とはなってはいるが、サーキットがいまだに完成していないことから場合によっては韓国GPがキャンセルされる可能性も排除できない。残りが4戦なのか3戦なのかによってもチャンピョンシップの行方は大きく変わってくる。ランキング上位のドライバーにとって韓国GPキャンセルは歓迎されるだろうし、下位のドライバーにとっては一つでも多くのチャンスが欲しいはずだからである。ますます目を離せない2010年F1である。


 例によって記事本文とはなんの関係もない今日の一枚は、田植えの終わった恩田の森、白山谷戸の田んぼ。稲架されていないことから、脱穀までを一気に済ませてしまう大型コンバインで刈り取られたことがわかる。米どころでは当たり前の大型コンバインだが、やはり天日干しの米の方が美味いと、自家用には手間がかかっても稲架・天日干しにしていると聞いたことがあるが・・・。
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