ニコンの明るい未来

 デジカメWatchに、技術畑出身でありながらここ数年執行役員としてニコンの経営の一翼を担い、6月1日付けで顧問兼ニコンフェローとして映像カンパニーに後藤研究室を設立した後藤哲朗氏に対するインタビュー記事が掲載されていたが、その記事はニコンの将来が実に明るいものである事を感じさせるのに十分な内容であった。

 要約して転載をとも考えたが、引用が長くなると著作権の問題も生じ、かつ、氏の発言の意図が正確に伝わらないことも考えられるのでデジカメWatchの記事を直接お読みいただきたい。

 インタビュアーは今後のニコンSLR及び新しいスタイルのカメラに対する後藤氏のコメントを引き出すために、インタビュー時点では発表されたばかりのミラーレスのレンズ交換式カメラ、オリンパスE-P1を度々引き合いに出している。執拗と云っても良いほどにE-P1を引き合いに出すのには理由がある。時代の一つの流れがレンズ交換が可能なミラーレスカメラであることは明らかであり、もしニコンがこの流れに乗るとすると、50年続けてきた「Fマウント」に変化が生じる可能性があるからである。

 ミラーレスになれば当然フランジバック(レンズ交換式カメラにおけるレンズマウント面から、撮像素子面までの距離)が短くてよいことになるから、ミラーレスカメラ用のレンズは当然すべて新設計となる。そうなれば、同時に数々の技術的難題を克服しつつ50年の伝統を築いた「Fマウント」が変更される可能性が高いのである。

 もしニコンがレンズ交換式ミラーレスカメラに手を染めるとすれば、ミラーとレフレックス機構を持つ従来型SLRはフルサイズセンサーを用い、レンズ交換式ミラーレスカメラ用にはイメージサークルが小さくて済む、つまりは軽量コンパクトなボディとレンズの設計が可能になるAPS-Cサイズのセンサーを使うのではないだろうか。つまりフルサイズとAPS-Cの使い分けである。

 レンズ交換式ミラーレスカメラ用には新規格のマウントを導入し新設計のレンズを用意するが、現在のAPS-Cセンサー搭載SLR専用のDXレンズを利用するためのアダプターも用意する。オリンパスE-P1と同様に従来型(DX及びFX)レンズがアダプターを介してミラーレスカメラに装着可能となる。廉価版SLRは現行通りAPS-Cセンサーを搭載しDXレンズを継続して使用する。

 フルサイズセンサー搭載のSLRもまったく新しいマウントとなるが当然マウント径が大きくなるから、こちらもアダプターを使用することで旧来からのFマウントレンズ(主としてFXレンズとなるが、クロップ機能を使用すればDXレンズを焦点距離1.5倍相当のレンズとして使用することも出来る)も利用が出来るようになることだろう。と、勝手に妄想してみたが、いかがだろうか(^^;。

注:今日の記事はすべて「デジタル」を前提に書いてるから、「デジタル」あるいは「D」の文字を外し、単に「カメラ」「SLR」と表記している。


 例によって記事本文とは何の関係も無い今日の一枚は、梅雨の晴れ間に森の畑を耕す図。
コメント ( 2 ) | Trackback (  )
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コメント
 
 
 
Unknown (kei)
2009-07-09 19:31:20
とても参考になりました。
ありがとうございました。
 
 
 
Unknown (郷秋)
2009-07-09 23:00:01
keiさん、こんばんは&コメントありがとうございます。
>とても参考になりました。
いやいや、まったくの妄想かつ願望ですから(^^;
 
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