トイレットペーパーパニック

  1973年(昭和48年、私が大学1年生の時のこと)、オイルショックのさなかにトイレットペーパー(以下、トレぺ)の買い占め・買いだめが横行し、小売店店頭からトイペが消えた。11月1日に大阪のスーパーマーケットでの「トイペ売り切れ広告」が引き金となり(他説もあり)瞬く間に全国に波及し、品不足は洗剤(洗濯用粉石けん)、砂糖などにも及んだと記憶している。

 事態を重く見た時の田中角栄内閣は国民に向けて買いだめを自粛するよう呼びかけたが事態は収まらず、「生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律」「国民生活安定緊急措置法」を制定するなどの対策を講じた。結局、このパニックはが収束したのは5カ月後の1974年3月のことであった。

 インターネットのない時代にも「デマ」は瞬く間に全国に伝搬しパニックとなった。47年を経て、マスクと共にトレぺが店頭から消えるという事態に陥っているが、政府の呼びかけにも関わらず事態が沈静化しないのは47年前と同じ。官房長官が「マスクを増産している。来週には店頭に出回る」、首相が「トレペの在庫はある」と云ってみたところで、現に店頭にないのだから、そんな虚言を信じる者はいない。

 それにしてもだ、47年の間にインターネットをはじめとする情報発信・伝達のツールは著しく発達したが、結局は同じ事態に陥っている。半世紀の間に科学技術は大いに進歩したけれど、人間はまったく学習・進歩していない。むしろ真偽ない交ぜの情報が飛び交う情報過多の中で、本当に必要な情報を取捨選択でいない現代の方がパニックに陥る可能性が増大しているように思えて仕方がない。人間とはかくも愚かな生き物なのだと、自戒の念を深くする今宵、そして今宵の駄文。

  と云う訳で今日の一枚は、世のマスク・トレペ騒動とは無縁の世界で長く伸び、泰然として昼寝する恩田の森の猫たち。

 blog「恩田の森Now」 https://blog.goo.ne.jp/ondanomori には3月1日に撮った写真を5点掲載いたしております。春到来となったの森の様子を是非ご覧ください。

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#トレペ不足 #トレペパニック #トレペ騒動

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