アガリコの欅

 火曜日に、欅(けやき)の巨木をご紹介いたしましたが、その中で、この巨木が、一般的な欅の木とは樹形が違い、幹が拳のようにゴツゴツとしていると書きました。
 このことについての説明板が現地にありましたので、そこに書かれていたことを、以下にご紹介したいと思います。

 「ケヤキの森(約5ヘクタール)内には樹齢300年(推定)以上のケヤキの巨木(直径80cm以上)が77本群生しています。
 ケヤキに樹形は、通常(竹:筆者注)ホウキを逆さにしたような形をしています。しかし、ここにあるケヤキの巨木は2m位の高さで幹が大きく分かれており、タコの足のような独特な形をしています。この樹形は昔、村人が炭の材料とするため高い位置で幹を伐り、そこから芽生えて成長した幹の利用を繰り返すうちに切り口がコブ状に盛り上がって出来たと考えられています。
 ブナではこのような独特な形(『アガリコ』と呼ぶ)をしたものが全国各地で見られます。しかし、ケヤキでは珍しく、特に群生した巨木が「アガリコ」になっているのは、全国的にみても極めて稀であり、貴重なものです。
「林野庁 福島森林管理署」
(以上、ケヤキの森の説明文を転載)

 なるほど、欅の木を、クヌギやコナラと同じように利用した結果だったというわけですね。欅といえば、今では街路樹や公園の植栽、屋敷林でしかお目にかかれず、あまり人の手には入っていない森に群生しているのを見るのは初めての経験でしたので、新鮮でした。


 今日の1枚は、「ケヤキの森」。写真に写っている欅は「ケヤキの森」の中では、若い(細い)欅。ちなみに、ニホンカモシカらしい野生動物に遭遇したのは、この写真の場所から3~400mのところです。
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