ニホンカモシカ?!

 昨日、樹齢300年と言われる欅(けやき)の巨木を見てきたことを書いた。場所は福島県の磐梯熱海温泉。駅周辺から国道49号線(旧道)を少し会津方面に行ったところで、温泉街の西のはずれに近い場所で、49号線の南側の山の北斜面である。欅の巨木についてはまた書きたいが、今日は、欅の巨木を見る30分程前に見かけたニホンカモシカらしい野生動物について書いておきたい。

 前日から宿泊していた宿で、窓外が明るくなり始めたのとほぼ同時に目を覚ました私は、同宿者を起こさぬよう、静かに着替え、カメラを持って外に出た。特に当てがあったわけではなかったが、宿から5分ほど歩いたところで、遊歩道と共に、その遊歩道をしばらく歩くと欅の巨木を見る事ができるとの案内板を見つけたのだが、私は遊歩道の手前にあった、杉林を縫う細い道を登っていった。

 その道は杉林の手入れのための道のような、人一人が通れるわずかな踏み跡が残っている程の小径であった。沢に沿って500m程登ったところで、小さな砂防ダムのようなものがあり、道はそこで終わっていた。砂防ダム建設のために道の名残かと思ったその時、ダムの直ぐ下の沢から、ガサガサッという音がした。音の方向に顔を向けると、私がいるのとは反対側の斜面を駆け上がった一匹の動物が、私の方をじっと見つめていた。

 体長は1m強、脚は長くはなくがっちりとした体躯。毛は長めでグレー。勿論熊でも猪でも猿でもない事はすぐにわかった。鹿かと思ったが、私の知る鹿は、毛は短く茶色、脚がすらりと長い、奈良公園にいる鹿あり、目の前にいる動物は、どうもイメージが違う。しかし、本州の山に住む、それ以外の大型の動物には思い当たらない事から、「多分鹿だろう」と思いながら横浜に帰ってきた。

 先ほど、Webで、その特徴をキーワードにして検索をかけてたどり着いたのが、国の特別天然記念物に指定されている「ニホンカモシカ」であった。

 果たして、私が見たのは「ニホンカモシカ」であったのか。国の特別天然記念物が、泊り客で賑わう温泉街のすぐ近くまで下りてくるものなのかどうかわからないが、考えてみると、磐梯熱海の温泉街を通る国道49号線(旧道)の南西側は、山を断ち切る交通頻繁な道路や鉄道はなく、日光や尾瀬の国立公園まで一続きの山なのである。

 「ニホンカモシカ」と思われる動物とはしばらく見合っていたが、先方も動く気配がないので、目を離さないように肩にかけたカメラを手に取り、ファインダーをのぞいてシャッターボタンを押したが、早朝の森の中の暗さ故、露光時間は2秒ほど。モニターを見るまでもなく、ブレている。できるだけゆっくりとした動作でISOを1600にセットし、ブレ防止のために、カメラを近くの立ち木に押さえ付けようとわずかに身体を動かした途端にカモシカは森の奥へと走り去ってしまった。


 今日の1枚は、「ニホンカモシカ」らしい動物に遭遇したという、証拠の写真。グレーの毛の長い動物が木立の中に立っていることはお判りいただけることと思います。野生動物に詳しい方からのコメントをお待ちしております。
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