ぶらり世田谷散歩(その弐・最終回)

 二杯目はモカじゃなくてグヮテマラにすればよかったなと思いながらMOKUを出て、差し当たりの目的地、小田急線千歳船橋駅までブラブラ。問題は千歳船橋駅から先の経路です。でも、それも意外と早く決まりました。来た時とは違う経路で帰ろうと。

 事前に調べておいた経路の一つですが、東急世田谷線を利用する経路です。世田谷線は、東急田園都市線の三軒茶屋と京王線の下高井戸間の約5kmを結ぶ路面電車です。正しくは路面電車とは言わないのかも知れません。なぜならば、そのほとんど(すべて?)を専用の軌道を走るからです。

 千歳船橋からは小田急線で二駅新宿寄りの豪徳寺に行き、隣接する山下駅で世田谷線に乗ります。山下から所要時間約12分、7駅目が三軒茶屋駅です。田園都市線の三軒茶屋駅と同名の駅ですが、一旦改札を出てしばらく歩いてまた改札口を入りますので、正確な意味では別の駅です。

 世田谷線の運賃は全線均一の大人140円(子供は70円)。わずか300m先の隣なり駅まで乗っても、三軒茶屋から下高井戸まで17分、5km乗っても同じ140円です。PASMOやSuicaが使えますが、「ポイントがたまる『せた○(せたまる)』のご利用をお勧めします」的掲示が出ており、結構な数の方がこの『せた○』を利用していたようですが、『せた○』の正体は謎のまま三軒茶屋に着いてしまいました。

 全区間均一料金ですので、PASMOやSuicaでの料金支払いは乗る時にだけタッチするバス感覚です。乗車の際には運転士と車掌のいる最前方もしくは最後方のドアから乗ることになっているので、現金の場合にはそのドア近くにある料金箱にコインを投入して乗ることになります。ただ、この料金箱は乗務員からは少し離れた場所にありますので、果たして140円を正しく投入したかどうかは確認できないような気がしました。「性善説」に基づいた料金徴収方法というところでしょうか。

 車両はいずれも近代的なものですが、軒先を掠めるようにゆっくり走る感じからは何となく前時代的な雰囲気が漂います。郷秋<Gauche>が乗った時間帯がちょうど高校生の下校時間に重なったためか車内は結構混んでいましたが、三軒茶屋から乗った田園都市線の車内とは明らかに違った空気、違った時間が流れたいたように感じたのは気のせいだけではないのだと思います。

 郷秋<Gauche>は、乗り物が好きですが、所謂コアな電車ファンではないので必要以上にあれこれ観察したり写真を撮ったりするのはどうも気恥ずかしく、何なんだか中途半端な気分のままの12分間の小さな旅は終わってしまいました。でも、なんとも豊かな気分になれた時間でもありましたね。沿線の美味しい店や古い神社の紹介も載せたりすると2、3ページのグラビアがすぐに出来上がりそうな、そんな雰囲気です。


 今日の1枚は、他にまったく撮らなかった訳じゃないんだけれど、車内で撮ったものはいずれも恥ずかしさゆえの中途半端な写真ばかり(修行が足りん!)でしたので、多少は落ち着いてファインダーをのぞく事が出来た三軒茶屋駅ホームでのものです。
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