日産車販売不振

 業績不振からフランスのルノーの支援を受けV字復活したはずの日産だが、7月までの4か月連続で前年の販売実績を下回るなど再び販売不振で陥っているようである。この原因についてカルロス・ゴーン氏は、2006年度上半期に投入した新型車が1車種だけであり、下半期には8車種を投入するので年間販売台数は前年を上回ると話しているようだが、果たしてどうだろうか。

 自動車メーカーにもいわゆる「地元」は存在する。トヨタなら愛知、スバル(富士重工業)なら群馬、マツダなら広島と言った具合だが、同様に日産の地元は郷秋<Gauche>が住む神奈川である。だから、地元の「神奈川新聞」では頻繁にこの日産の販売不振が報じられる。体力のある日産本体はともかく、その下請け各社の経営が大きく圧迫されているからである。

 もともとメーカーと一体になったような形で成長してきた下請け各社であるが、コスト・カッターの異名を取るカルロス・ゴーン氏の日産再建計画により、納入金額の引き下げなどが有無を言わせない形で行われており、その時点で厳しい既に経営状態に陥っていた下請け各社だが、ここに来ての販売不振により人員整理にまで至るところまで出だしているのだという。

 生憎勿論詳しい数字も確たる情報も持ち合わせてはいないが、カルロス・ゴーン氏の日産再建は、有利負債を整理し下請け各社からの納入金額を不条理に引き下げたことにより成しえたものであり、決して魅力あるクルマをつくり、それが売れたことにより達成したのもではないことは間違いないだろう。

 たとえばだけれど、郷秋<Gauche>が欲しいと思うような日産車は、ない。強いて言えばフェアレディZ、スカイライン・クーペ、フーガ程度であろうか。が、いずれも高価であり一般的ではない上に、現実としては経営に貢献しているほど売れてはいない。

 今年度下半期に新型車を集中して投入するから業績は上向く、というゴーン氏に発言に対してもやはり疑問符が付く。新型車が出るのは事実であっても、それは売れると決まっているわけではないからである。果たして魅力ある新型車が登場し、それが売れるのか、日産の経営が再度上向くのか、今年度下半期に注目したい。


 今日の1枚は、凌霄花(ノウゼンカズラ)トロピカルな花姿は熱帯地方のような日本の夏によく似合いますね。
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