エンジン開発凍結?!

 「FIA会長のマックス・モズレーがF1の各エンジンメーカーに対し、2008年から始まるエンジン開発凍結後は、今年6月1日の時点で使用したエンジンと同様のものを用いるよう通達を出した。」(AUTO SPORT webより)

 なんという馬鹿なことを!まったくナンセンス!!
 膨大な予算を注ぎ込み、高価な特殊燃料を消費し、騒音を撒き散らすF1が、何故によしとされているのかと言えば、F1がより速くより安全に走るために開発された技術が、やがては私たちが乗る市販車にもフィードバックされることを期待してのことではないのか。

 そのF1が進化を止めてしまえば、そこにあるのは享楽のためのマイナス要因だけとなってしまうではないか。それは許されないことだろう。

 マックス・モズレーの「エンジン開発凍結」に替えて、私は「燃費制限」導入を提案したい。1980年代終盤、1.5Lながら1000馬力(HONDA V6ターボは予選では1500馬力を出していたとも言われる)を発揮したターボエンジン最後の年には165Lの燃料で305Kmを走っていた。勿論一気に165Lに制限されたわけではなく、段階を踏んでの制限であったと記憶している。

 達成不可能と言われた1970年台の排気ガス規制と同様、不可能と思われたF1レースにおける1.8km/Lの燃費も、結局は達成することが出来た。現在のF1は1.5km/L程度の燃費でレースを行っている。つまり200L程度の燃料で305Kmを走っているわけでだが、使える燃料を2007年には180Lに、2008年には162Lさらに2009年には146Lにと、毎年10%ずつ厳しくして行くのだ。走すれば、3年後の2009年には2Km/Lでの戦いになるわけだ。

 たった3年間で現在の1.5Km/Lと比べると33%燃費を向上させなければならないわけだから、これは大変なことである(非メーカー系エンジンについて多少の緩和策も必要かも知れないが)。しかし、このために開発された技術はやがて市販車に反映される。そのことを考えれば、同様に燃費制限を課した上で、ディーゼルエンジンやハイブリッとエンジン搭載車の混走を認めても良いかも知れない。勿論燃料はガソリン、軽油ともに市販のものと完全に同一のものを使用する(現在は飛び切り高価な特殊なガソリン)。同時に排出ガスの非クリーンさに応じたペナルティを設けるのも面白いだろう。

 いずれにしても、省資源、大気汚染防止が至上の命題となっている今、F1を走る実験室と位置づけてこそF1の存在意義があると言える。エンジン開発凍結ではなく、クリーンで高燃費のエンジン開発こそがF1には相応しいはずである。


今日の1枚は、なるせの森の田んぼ。地方にお住まいの方にはありふれた景色かも知れませんが、ここが横浜市青葉区であることを知れば、違った風に見えてくるのではないでしょうか
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