今回は形成不全の永久歯バージョンです。形成不全が発生しやすいのは、上の前歯や6歳臼歯ではないでしょうか。上の前歯の形成不全の場合、乳歯時期での外傷の既往と関係あることがあります。ですから特に前歯が形成される0歳から3歳までで上の前歯をぶつけた場合、将来的に永久歯が出てきたときに歯の色がスポット状に白濁したりする形成不全の可能性を説明しています。
歯の欠損を伴うような比較的重症の形成不全の場合、歯の出はじめに知覚過敏があったり、さらに歯が欠けることがあります。これを防止するのは、前回乳歯バージョンでもお話した、グラスアイオノマーです。歯が出始めで噛み合わせが完成していないこともあるので、欠損を修復する最終的な処置は先延ばしのほうが良いでしょう。欠損範囲が限られていれば、第2段階として歯の色の詰め物コンポジットレジン修復で良いと思います。欠損が広い場合はコンポジットレジンでの修復後、最終的にはより丈夫な材料、金属やセラミック系の材料での修復が無難です。
とにかく出て間もない幼若な永久歯はいきなり積極的な治療は望ましくありません。
このような方針で数年間管理したにもかかわらず、最近症状が出てきて、結果的に神経の処置が必要になった患者さんがいます。重症な場合はエナメル質形不全といっても、中の象牙質まで緻密に形成ができていないのか、グラスアイオノマーで修復して経過を観て、コンポジットレジンまで終わった段階で症状が出てしまったわけです。
できるだけ神経血管がダメージしないように配慮しても、まれにですが難しい例はありますね。
逆に言うとほとんどの場合、早期に発見して予防的処置を行うことで、あっというまに虫歯で神経まで、という例は避けられます。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
http://www.futatsuki-dental.com/
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます