福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯の生え変わりの問題~早期発見

2009-03-14 | 口の中の問題

歯の生えるのが遅いとか、乳歯が抜けたのにその後の永久歯がなかなか出てこないという相談は結構多いようです。前歯は見える場所ですので保護者の方も認識しやすいでしょうが、奥歯の生え方の問題は分かりにくいと思います。
乳歯奥歯での問題は殆どありませんが、第1大臼歯(6歳臼歯)や第2大臼歯(12歳臼歯)の問題は時々見られます。割とあるのが手前の歯の後ろの面にひっかかって出にくかったり傾斜して充分に出なくなるケースです。親知らずでは割と見られますが、第1、第2大臼歯でもそのような場合はあります。
より問題になるのが、原因不明で、根の形成とともに出てくるはずが、なぜかストップして根が曲がってしまうようなケースです。歯としては根を形成して出たいけれども、何かに阻止されて出れずに根が曲がって発育してしまうとういう状況です。早期にその傾向が発見できると、まずは、そのままで自然に出てくるかどうかをしばらく観察します。一定期間後変化がなく、出るのが止まった状態と判断されれば、出るように誘導する処置を選択します。
出てこない歯でしばしば見られるのが、歯を包む袋状の歯嚢といわれるものが拡大する嚢胞化というものです。下のパノラマX線でも嚢胞化はみられます。歯の上にある歯ぐきや骨を外科的に除去して開放してやることで嚢胞は小さくなり、埋まった歯は出やすくなりますが、さらに反応がないときには、矯正的に歯をゆっくり引っ張り出すという処置が必要になることもあります。
いずれにしても、早期に異常に気づき適時に処置を行うことで問題は小さくなります。もちろん検査して何も異常がなければ安心ですが、このようなケースを早期に発見するのも小児歯科医の重要な仕事と考えています。



小児の場合、このようなパノラマX線写真で乳歯と永久歯の生え変わり具合が全体的に把握できるので有益です。
この患者さんは向かって左下から2番目の歯(右下第1大臼歯)の出るのが遅れている状況です。とりあえず暫く様子はみますが、外科的処置、矯正的処置も必要になるかも知れません。
当院は小児何でも屋ですので全て行いますが、できれば自然に出てきて欲しいのものです・・・。
今日は歯医者さんにも役立つ、咬合誘導の話でした。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
                             http://www.futatsuki-dental.com/

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2 コメント

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保健委員長です! (モモミ)
2010-02-16 19:52:53
保健の委員長です☆
いい勉強になりました。
ありがとうございます!!
頑張ってください!!

              モモミ
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頑張って!! (ナツナ)
2010-02-16 19:58:17
私正直、歯とかのこと全く興味ありませんでした><

しかし、先生の言葉を見て、なんだか興味がわいてきました!!

恥ずかしながらも、今は保健の教師をやっています。

あのときの自分はなにを思ってすごしてきたのか分かりません><

これもすべて先生のおかげだと、シミジミおもっています^^

いつまでも頑張ってください。

       
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